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2007年07月 アーカイブ

2007年07月02日

7月分析理論講座のお知らせ

7月20日(金)PM1:00~3:30
場所はいつもの通り、京都市伏見区深草にあるラカン精神科学研究所です。
講座の内容は、心の発達 口唇期
 フロイトは生後0~1.5歳を口唇期と呼びました。
 この時期の赤ちゃんの心の発達を解説します。正常な発達をとげると、「基本的信頼」を得られます が、そうでない場合には「基底不安」をもってしまいます。
 口唇期欠損の人を「底なしの樽」と表現します。底がないため、入れても入れても溜まりません=満足することがない。ですから、依存症に至るケースがあります。アルコール依存、買い物依存、ギャンブル依存等々がそれです。
参加費は1回 2時間半 3千円(テキスト代を含む)です。

2007年07月05日

7月の母親教室で

教室に参加されたお母さんから、「昨日家に遊びに来た子と、集団登校の集合場所ですれ違っても子ども同士挨拶をしない。ある人から夫婦が挨拶をしていれば子どもは挨拶をするようになるものだといわれたが、そうなんでしょうか。自分たち夫婦は挨拶しているけど、子どもはしない。」と質問を受けた。
ご夫婦が家庭のなかで挨拶をしているのをみていれば、その子が結婚したとき配偶者と挨拶するようになるでしょう。しかし、そのことが今すぐ友だち同士と挨拶を交わすことにつながるとは限らない。お母さんは、自分たちなら顔見知りで、しかも昨日遊んだその友だちと朝顔をあわせたのに、挨拶しないのが不思議な感じがすると言われる。それはそういう価値観、認識を持った人だからそう思うのであって、子どもにお母さんと同じ認識はないのでしょう。無理に挨拶しなさいという必要もないし、子どもが必要と思ったら、そのときすればいいと思います。大人にとっての挨拶は、仲間意識の確認であったり、その後の人間関係をスムーズにするためのものであったりするが、子どもに大人と同じ意味づけがされていないので、見守りながら、待てば言いと思います。
また、別のお母さんからは、子どもの要求にすぐ「OK」と言ってあげればいいのでしょうが、自分も自分の母にされていたのか、まず否定してからOKしてしまう。それなら少し考える時間を置いても良いでしょうか。」と聞かれた。もちろん「NO」と言うくらいなら、少し間を置いて、自分を落ち着かせてから「OK」と言ってあげるほうが良いでしょう。例えば、子どもが「花火をしたい」と言ったときに、「今日は風が強いで」と言ってしまうそうです。どうせ「OK」というのだから、風がきついなどの言葉はいらないとわかっていても、つい言ってしまうということでした。
これはお母さん方から出た質問の一例です。

2007年07月06日

8月母親教室開催のお知らせ

8月9日(木)AM10:00~12:00
 ラカン精神科学研究所(京都市伏見区深草フチ町)で開催します。
日々子育てするなかでの疑問、悩みなど話し合いながら、症例をまじえながらアドバイスしたりします。
 お子さんの年齢に制限はありません。もちろんお父さんの参加も歓迎です。
 参加費は500円です。
 参加お待ちしています。
 お問い合わせはこちらまで [e-mail]

2007年07月08日

分析家の独り言 7 (認めて、誉めて、正しい関心を向けて)

クライアントの分析をしていてつくづく思う。本当の自分の意思を言えなくて、出せなくて、最後には動けなくなる。その典型がいわゆる「ひきこもり」の人達。
ひきこもるという現象にいたらなくても、自分に自信が持てなくて、意欲がなく能動的になれない。
本来その人が持っている可能性や、能力が発揮できず、もったいないなといつも思う。
好きでそうなったのではない。言ってしまえば、本人の意思や存在を認められず、いや無視され、尊重されなかったために、そうならざるを得なかった。
ならば、本当はどうしたかったのか、どう思ったのか、どう言いたかったのか、過去に遡って情動とともに語ること。
クライアントたちは心の中で叫んでいる。自分を認めて、受けいれて、愛してと。その心の叫びに共感し、理解し、寄り添っていく。分析者は鏡となって彼らの姿を映し出す。そうして本当の自分に気付いていくと、クライアントは自分で変容していく。
それには長い時間がかかる。不安や恐れや傷付きを抱えているクライアントとのラ・ポール(信頼)を築くのに多くの時間を費やすことになる。
いずれにせよ、承認と賞賛、まなざしと声とスキンシップが健康な精神を育てていくことは確かである。

2007年07月12日

八条中学 いきいきトークに参加して

今日、京都市南区にある八条中学において、地域の大人と中学生がグループに分かれ、気軽に本音で話し合うことによって、地域のよりよい人間関係を築いていくという取り組みがあり、それに参加してきた。
1年生、二クラス70名余りと、地域の大人60名余りが、体育館で長いすを四角にして、みんなの顔が見ええるように座った。
グループによって、様々であったが、私が参加したグループでは、まず中学生から私たち大人に向けて質問が出された。
例えば、「どんなスポーツをしていますか」
     「20歳になったとき、何をしましたか」
     「何歳のころが一番楽しかったですか」
     「一つだけ願いが叶うとしたら、それはどんなことですか」
     「自分を誉めてください」
     「好きな食べ物は何ですか」 などなど。
大人の方からは
     「今欲しいものは何ですか」
     「今困っていることはありますか」
     「お小遣いはいくらですか」
     「将来なりたいもの、夢は何ですか」
     「浦島太郎の話の続きはどうなると思いますか」
     「今関心のあることは何ですか」 など。
世代を超えて、互いが聞きたいことを聞いていった。
つい数ヶ月前はまだ小学生だった子ども達。今どきの中学生はどんなだろうと思いながらいたが、中学1年生ということもあってか、素直な好印象。
ただ、「今欲しいものは?」「今困っていることは?」「将来の夢は?」の質問の答えがほとんど「お金」だった。も少し違う答えを想像していた。
これは私たち大人が、お金や物を追いすぎているのではないかと、ふと思った。
クライアントの分析をしていても感じるが、世間一般に価値のあることは、経済(お金があること)、容姿がいいこと、学歴が高いこと。本当にそれが人間である私たちの生きる意味・目的、価値だろうか。それがあれば幸せといえるだろうか。もちろん生きていくためのお金は必要である、容姿がいいこともいいだろう、高学歴であればいい会社にはいれるのかもしれない。しかしそれが本当に幸せかどうか、見直してみる必要はないだろうか。
幸せな生き方とは、自分の好きなことを見つけて、それが出来ることではないか。そのためには自分を知ること。自分の特性を知って、活かすことでは、と私は思う。

あるうつ病クライアントの症例

30歳代男性。彼は「人前・仕事で緊張する。朝起きても起きた気がしない」と訴え、一日ボーっとして無気力になってしまったということで、分析に来られた。
仕事はなんとかこなすが、心が苦しい。彼は仕事が原因でうつ病になったと自分で決めていた。
分析では、うつ病の発病から半年前の間に生活上の変化・出来事はなかったかを聞く。その間に発病のきっかけとなった出来事があるはずである。
すると発病4ヶ月前に婚約をした。ということはこの婚約がうつ病の引き金になったと分析はみる。
彼には緊張、*書斜があり、この緊張は小学校の頃からあったという。
その内容は、からだをこわばらせる、身構える、振るえる、堅くなるというもの。これらのもとには恐怖がある。
人間が味わう恐怖とは体罰、痛み。彼は母親にベルトで叩かれ、お尻にろうそくを垂らされたいう。
そんな彼が婚約して母親に宣言したことは、「俺は絶対(子どもを)叩かないからな」ということ。
彼の奥さんになる人も父親に叩かれた人。そんな二人が言ったことが、「子どもができたら、叩くのはやめようね」
でも、実際には叩いてしまうのである。意識で叩かないでおこうと思っても、無意識は自分がされてきたことを繰り返してしまう。それが世代連鎖であり、虐待を受けた人は、それを憎み、それに苦しめられてきたのもかかわらず、意識では止められない。
彼の葛藤は、本人は気付いていないだろうが、発病から4ヶ月前の婚約のときに始まった。
結婚から発生する、子どもができた先の子どもの問題に、彼は今から悩んでいた。
結果、二人が出した結論は「子どもはつくらないでおこう」であった。叩かれて育った自分たちが子どもをもったなら、叩いてしまうことを、どこかでわかっていたのだろう。
また、その子どもを育てる過程で、親は自分の子どもの頃を振り返る、きっと自分もこうやって育てられたのだろうと。
それが楽しい・心地よいものならいいが、辛く苦しい思い出であったなら、見たくないと思うのは当然であろう。
結婚が決まって母親に、「俺は絶対(子どもを)叩かない」と宣言するということ=お前(母親)は散々俺を叩いただろうと言っているのと同じことである。
叩かれたにもかかわらず、虐待の痕跡を残さない人もいるが、虐待の痕跡を残した人、全てに虐待がある。虐待・体罰は何の意味もない。
虐待には、一.体罰 二.無視またはネグレクト(反応しない) 三.否定(ダメ) 四.分離の四つがある。
良いことも悪いこともそれとして世代連鎖される、だからこそ自分と向き合い、自分を見つめ、自分を知ること。完璧な人間はいないのだから、悪しき伝統、間違いは正し、自分の代で書き換え、子孫に伝えない。そして真理を知り、理想を掲げ、自分をよりよく変えていくこと。そのための一つの方法が精神分析であると私は思う。

*書傾・・・人前で字を書くとき、手が震えうまく書けないという症状。

2007年07月14日

登校拒否・不登校問題 第12回 全国のつどいinみやざき(詳細情報)

下記のような会が開かれます。以前にも紹介しましたが、詳しい内容がわかりましたのでお知らせします。 
 
 <と き> 8月25日(土)~26日(日)
 <ところ> 宮崎県宮崎市 サンホテルフェニックス
〒880-0122 宮崎市塩路浜山3083
           TEL 0985-39-3131 FAX 0985-38-1147
Eメール  spfront@seagaia.com

 記念講演 25日 「登校拒否・不登校、ひきこもりからの出発」
             子どもと大人が共に生きる道
             講師:横湯 園子さん(中央大学教授 教育臨床心理学)
 
 分科会 25・26日 登校拒否・不登校と「非行」

 <参加費> 両日4000円(青年・学生 2500円) 1日 3000円(青年・学生 1500円)
        宿泊費・大交流会費・弁当代は別途
    *参加申し込みは7月31日(火)までにお願いします。
 <主 催> 登校拒否・不登校問題全国連絡会
         第12回登校拒否・不登校全国つどいin宮崎実行委員会  

☆日程
  8月25日(土) 12:00~12:45 受付 
           12:45~15:00 全体会 記念講演 
           15:00~15:30 休憩
           15:30~17:30 分科会 基礎講座 特別講座
           17:30~18:30 休憩
           18:30~20:30 大交流会(夕食)
           20:30~     各種交流会 

  8月26日(日) 9:00~12:00 分科会
           12:00~13:00 昼食
           13:00~15:00 分科会
           15:00~15:30 休憩
           15:30~16:00 終わりのつどい

  基礎講座:1.「家庭で」 
          親は「その時」どうしたらいいのでしょう。どう考えたらいいのでしょう。
          担任の先生との関わり方は?    講師:村上公平さん
2.「学校で」
          学校に子どもが来なくなると教師は立ち止まります。
          休みがちな子ども・特室登校の子ども。心が見えない。親にもわからない。
          教師は自分自身と子ども・親とどう向き合うのか?  講師:高垣忠一郎さん
  特別講座:「いじめと登校拒否・不登校」
          子ども達をいじめ・いじめられる関係に追い込む背景には何が?
          親や先生は、子ども達の心をどう理解し、向き合うのか? 講師:森川紘一さん

☆分科会
  1. 小学生の登校拒否・不登校
  2. 中学生の登校拒否・不登校
  3. 高校生の登校拒否・不登校
  4. 障害がある子どもの登校拒否・不登校
  5. 学校とのかかわり・学校づくり
  6. 青(成)年期をともに生きる 
   A. 義務教育が終わった後の10代後半から問題
   B.  社会的引きこもりによる本人・家族の悩み
  7. さまざまな進路・自立に向かって
  8. 居場所づくり
   A. 学齢期の子どもの居場所  
   B. 青年の居場所。自立援助・就労支援
  9. 親・家庭の役割と家庭づくり
 10. 手をつなぐ輪を広げて
 11. 医療・福祉とのかかわり
 12. 登校拒否・不登校と「非行」

☆問い合わせ先
 「第12回全国のつどいin宮崎」実行委員会」
   〒880-0001 宮崎市橘通西1-1-2 宮崎市民活動センター コスモス会気付  
   TEL 090-7458-0926(亀田)  TEL/FAX 0985-47-2398(亀田)
   ホームページURL http://tudoiinmiyazaki.web.fc2.com/

当研究所でも、不登校・引きこもり・非行の相談を受け、対応法などのアドバイス、精神分析も行っております。
ご相談ください。

7月福岡出張セラピー

7月26日(木)、27日(金)の二日間、福岡に出張し、精神分析を行います。
ひきこもり等により、外出が困難な場合は、お宅へ伺うことも可能です。
毎月1回、福岡出張セラピーを行っています。
ご希望の方、興味・関心のある方、お問い合わせください。
  [e-mail]
  電話 050-1035-4401
  携帯 090-7357-4540

東京出張セラピー

7月28日(土)、29日(金)、東京で出張セラピーを行います。
今のところ、東京へは毎月行くことはないのですが、毎年この時季に分析サミットが那須で開かれるため、その研修会に参加します。
普段は電話によるセラピーをしていますが、東京経由して那須へいくため、東京で直接面談します。

第二回インテグレーター養成講座

第二回『インテグレーター(分析家)養成講座』を開きます。

 日時 : 7月23日(月) AM9:00~PM1:00
 場所 : ラカン精神科学研究所(伏見区深草フチ町)
 料金 : 8000円
 講座内容
  自我論Ⅱ 幼児期の自我と対象関係

2007年07月16日

8月 子の「非行」に悩む親たちの会(京都) 

毎月第二金曜日の夜に、非行の子どもさんの問題に悩む親御さんが気軽に話をできる場が開かれています。
一人で抱えているのはしんどいもので、話をすることで楽になることがあります。

日時 : 8月10日(金) 午後6:30~9:30
場所 : 親と子の教育センター(京都市左京区聖護院川原町4-13 京都教育分化センター内 1F)
会費 : 500円

お問い合わせは、
  電話 711-1150(勝見先生)または、ラカン精神科学研究所 天海まで

分析家の独り言 8 (中国新聞 社説より)

以下、ネットで見つけた中国新聞 7月9日(月)の社説です。

― 非行少年への視線 声掛けから始まること ―

 非行少年に対して厳しい処遇を求める風潮が、社会に強まっているように見える。少年法などの改正は象徴的だ。しかし本来、大人が努力すべきは、処罰よりも予防だろう。「社会を明るくする運動」強調月間に、非行を防ぐために何ができるかを考えてみたい。
 先の国会で、改正少年法や更生保護法が成立した。おおむね十二歳以上での少年院送致や、十四歳未満の「触法少年」への家宅捜索が可能になった。保護観察中に警告に従わない場合のペナルティーも設けられた。
 そこに見られるのは、厳罰化への傾きだ。長崎県での小六女児同級生殺人が論議のきっかけだったが、結果として、非行少年を抑え込み、管理する色彩の強い法律となった。やむを得ない面はあるとしてもこれだけでは冷たい。
 非行少年の多くは、精神的に親に見捨てられ、居場所がなく、つい自分を受け入れてくれる悪友の誘いに乗ったというケースだ。
 周りにいる大人の誰かがどこかで手を差し伸べ、気持ちをくんでやっていたら、非行は食い止められたかもしれない。大人はどうすればいいのだろうか。
 単純でありながら効果的なのは声掛けだ。えびす講での暴走族の騒ぎが全国に知られた広島市で、ボランティアがまず取り組んだのがこれだった。
 たむろする少年に、同じ目の高さで話しかける。はじめは「ルッせえ」と肩をいからせていても、見下さずに話を聞いてくれそうだと分かると、徐々に警戒を緩め、会話も成り立ってくる。
 次の段階では、少年の興味に応じてサッカークラブや料理・パソコン教室などをつくり、居場所を与える。さらに「やっぱり勉強したい」「仕事がしたい」などの意欲が見えてきたら、ここから本格的な立ち直り支援だ。
 広島市教委が一昨年から募集を始めた「自立支援ボランティア」はモデルになろう。
 基礎学力や音楽、スポーツの指導から就職の受け皿まで七十人、百二十社が登録する。例えば女性会社員(22)が勉強を教えているのは、援助交際と暴走をやめて保育士を目指そうとする少女だ。
 「非行少年はみんな、助けてほしいと思っている。一人でも誰かが応援すれば、その子は助かる」とボランティアの一人は言う。その心根をすくい取り、横道から引き戻せるかどうか、問われるのは大人の側の力量といえる。
                                                   以上(社説)


子どもが悪い、親が悪いというより、起こったことにどう対応するか、手を差し伸べられるかだと思います。
社会がこのように、非行の子ども達にサポートしたなら、どれだけの子どもたちが救われるでしょう。
非行に走る子どもたちは、残念ながら家に自分の居場所がないのです。部屋はあっても、居心地が悪い。
それは親の対応を変えていけばなんとでもなるのですが、それに取り組む覚悟がなかなか持てないようで、その間にも子どもたちは荒れていく。
また、家庭が崩壊していたり、親が親の昨日を果たせなくなっていることもあって、そういう場合には特に、こういった取り組みが必要だと思います。
さみしい。手を差し伸べて欲しい。自分のことをわかって欲しい。そのことが言えなくて、非行というかたちで表現・行動化している、そこを理解しておくこと。
この記事を書かれた記者の方が知っておられたかどうかはわかりませんが、タイトルにあるように、子どもの心を育てるのは、まなざし(少年への視線)と声(声掛け)、そしてスキンシップです。監視の目ではなく、あたたかく見守る目。いつも子どもに適切な(これがまた難しいのですが)関心を向け、声をかけること。
基本は親、家庭です。まず親が親の自覚を持つこと。
親とは、子を生すとは何か?家族・家庭とは何か?もう一度問い直してみていただきたいところです。
親は親として、子どもに対応しつつ、社会的支援・協力があればなおいいと思います。

2007年07月21日

7月分析理論講座で

分析理論講座風景
口唇期の心の発達 口唇期の心
 ・世界内存在としての人間
 ・心の誕生
について、テキストにそって解説をし、症例を話したりした。
そのなかで、人間の精神とはどのようにして発達するのか、それを誰も教えてくれなかったし知らないまま、手探りで子どもを育ててきた。
知っていればもっと違った対応ができただろう。できれば学校で、数学や英語を教えるように、精神分析理論の発達論くらいは教えて欲しいという声が聞かれた。
全く同感で、知らなかったでは済まされないことが多々あり、これから結婚をして、子どもを持つ可能性のある若い人たちにこそ学んで欲しいと思う。

07年 第8回夏季那須分析サミット開催

私のスーパーバイザーである大沢氏が、毎年那須で分析サミットを開催する。今年は7月29日(日)。
大沢氏の分析を受け、勉強会で学んだ人や、インテグレーター(分析家)を目指し、養成講座を学んだ人達が年に1回那須に集い、症例報告や講義、グループセッション等の勉強会を行う。
今回のテーマは『生きる』、講義の内容は「エロス」と「タナトス」。
もちろん私も参加し、仲間との情報交換など、分析談義に花が咲くことと思う。
サミットの内容については、またここで紹介する予定。

2007年07月22日

分析家の独り言 9 (承認と賞賛が人を成長させる)

自分の言いたいことを言わない、言えない。これはほとんどのクライアントに共通すること。
それはなぜか?言っても無駄だから。言ったところで、通じない。受けいれられない、それどころか非難されたり、拒否される、そういう体験を重ねてきた結果である。
だからあるクライアントは、「言ったところで、どうせあんたが悪いと言われる」。
またあるクライアントは、ほとんどしゃべらない。というかどうやら、子どものころからしゃべってこなかったようだ。母親への要求はあっても自分の口からは言わない。そこで分析者が代弁者にさせられる。それでも彼は言う、「言っても変らへんで」と。
言わなければ伝わらない。異議を唱えなければ、OKしたことになる。しっかり自分の意思は表明しましょうと私は言う。
言えない。出せない。動けない。の三段活用。結果ひきこもることになる。
これまたほとんどのクライアントが、「失敗してはいけない」と心に刻印されている。失敗しないためには、何もしないことだと結論付けた人たち、それがひきこもりという結果になる。何かをすれば、いいとか悪いとか評価され、失敗すれば責められる。それならいっそ何もしないこと、動かないことを選択した。
人間を成長させるのは、承認と賞賛。その子の存在を認め、できたことを的確に誉めること。失敗は誰にでもある。それを責めたところで劣等感を植え付けるのが関の山だろう。何より、しまったと後悔しているのは本人なのだから。
悪いところをあげつらうより、良いところを認めて誉めれば、人は伸びていける。そういう視点を持って子どもを見ていってはどうでしょう。

2007年07月23日

第2回インテグレーター養成講座で

第2回は自我論Ⅱ 幼児期の自我と対象関係
 理論構成
 分離と個体化(マーラーの分離個体化)
  A.分離個体化の前駆段階
  B.分離個体化の過程
 内的対象関係の発達
  取り入れと内在化
  分裂的態勢
  抑うつ的態勢

について解説した。
「まなざし」という対象関係を母と結べなかった人は、内在化のイメージが薄い。人は自分にまなざしを向けられ、見られるところに、自己の存在が明らかになる。
子どもは人形を相手に、母が自分に語りかけるように語りかけ遊ぶ。それは人形がスクリーンとなって、内在化したイメージを人形に投影している姿である。
という話をしたところ・・・クライアントから、自分の子どももそのようにして遊ぶが、周りの子どもの友だちはごっこ遊びをしても、お母さん役になる子が居なくて、赤ちゃん役やお姉さん役しか居ないという。
こういう遊びを私たちも子どものころした、その名前は「お母さんごっこ」だったと思う。ところがこれでは「お母さんごっこ」ではない。あえて私が名付けるなら「お母さん不在ごっこ」
家庭でお母さんは子どもに適切な関心やまなざしを向けているのだろうか。適切に子どもを世話し関心や愛情を向ければ、子どもの中に良い母イメージが内在化される。
ところが、仮に母親が子どもに命令・指示し、自分の思い通りに子どもを動かそうとしたりしたなら、子どもの中には悪い母イメージが内在化される。また、世話をしなかったり、あまり関わらなかったり、まなざしを向けなかったとしたら、先程いったように内在化のイメージが薄い。
こういう人は自分を印象付けたい。自己存在の内的対象関係があいまいであると、自己存在を確実なものにしたいから、自分を相手に押し付けたくなる。相手の中に自分を打ち込みたくなる、殴るほどに打ち込みたくなる。
しかし自分の存在がしっかりしていれば、相手に自分を印象付けたいとは思わない。自分を売り込みたいとか、好かれたいとも思わない。相手の好きなように受けとればいいと思う。
クライアントは、人から自分がどう見られるかに腐心している。無能だと思われないか。容姿がおかしいとか、気持ち悪いと思われないか。悪口をいわれているのではなどと。
それは彼らの心の中に描かれたイメージをみているのであって、現実など見えていない。
分析はこの内在化された悪しきイメージを書き換えることに、時間を費やすことになる。

2007年07月25日

「夜回り先生」水谷修氏 「今、子どもたちは・・・」 講演のお知らせ

講演「夜回り先生」水谷修氏 「今、子どもたちは・・・」
 ~私たちにできること、しなければならないこと~

日時 : 9月10日(月) 午後0時45分~午後3時
場所 : 京都テルサ 【テルサホール】
       京都市南区九条下殿田町70  ℡075-692-3400
プログラム
 12:00  受付
 12:45  開会 
        主催者あいさつ
        来賓祝辞
        40年のあゆみ報告
        40周年記念功労者感謝状贈呈
 13:30  講演
     講師  水谷 修 氏 「夜回り先生」
     演題  「今、子どもたちは・・・」
           ~私たちにできること、しなければならないこと~
 15:00  閉会

* 参加は先着申し込み順、定員800名になり次第締め切りとなります。
主催 京都府・社団法人京都府青少年育成協会
    〒601-8047 京都市南区九条下殿田町70 京都府民総合交流プラザ内
    ℡ 075-692-3352  fax 075-692-3353
    Eメール  kpyda@cello.ocn.ne.jp 

「ユース京都2007青少年育成大会」
「社団法人京都府青少年育成協会設立40周年記念大会」
青少年の健全な育成を図るため、今我々大人に何が求められているのかを、府民お呼び青少年団体、教育及び行政機関関係者が共に考え、理解を深め、これまでの青少年育成府民運動えお総括するとともに、これからの運動の更なる推進を目的として実施されます。

2007年07月31日

第8回夏季那須分析サミット(報告) 

7月29日(日) 大沢秀行 氏 (インテグレーター名:真承智顕 氏)主催、那須にあるりんどう湖ロイヤルホテルにて昼食会のあと、分析サミットが開催された。
参加者は大沢氏の分析を受け、勉強会やインテグレーター養成講座、ラカン講座を学んだ人たちでこの日は17名の参加であった。
サミット風景

             プログラム
      
      テーマ『活き活きと生きる』
 
13:00   開会
13:00~ 症例報告Ⅰ 『成長した息子』
                 インテグレーター : 吉田 氏
        解説
13:40~ 症例報告Ⅱ 『初めてのセラピーとスーパービジョン』
                 インテグレーター : 竹沢 氏
        解説
14:30~ 休憩
14:50~ 『インテグレーターの位置づけ』
                 インテグレーター : 金谷 氏
        解説
15:30~  Q&A
15:40~ グループセッション
16:15~ まとめ
16:30   閉会

症例報告Ⅰ・Ⅱでは、親が分析を受け、失敗しつつも子どもへの対応 「ALL OK 」をするうち、子どもが成長していった。 「ALL OK 」による適切な対応をすれば良い結果が出ることを、またあらためて実感させられた。
人間は環境の影響を大きく受ける。まず思春期になれば、子どもは自分の部屋を欲しがる。住宅事情により、兄弟二人で一部屋というのもあろうが、一人の個室が必須。「個別」であることが自我を作る。世間一般には、子ども部屋を与えたら、部屋で何をしているかわからないとか、ろくなことがないといわれることがあるが、何をしてもいいのが自分の部屋であり、何をしてもいいではないか。個を育てるためにはどうしても必要なことである。

また、「思考は物質化する」というように、しっかりとしたイメージを持つこと、現象化しないのは具体的思考・イメージが弱い。思考とは=言葉であり、明確に決めること。それが名前に集約される。そのために我々インテグレーターは、インテグレーター名をつける。親の欲望である名前ではなく、自分がなりたい自分を漢字の意味に込めて、自分で名前を付ける。そしてそれに向かって努力する。つまり名前が自我理想となる。理想を掲げ、それに向かい、達成されればまた新たな理想を描きそれに向かう。このときまた新たな名前に書き換える。

親子の分離、それぞれの自立が大きなテーマとなる。出産によって肉体的には親と子は分離される。ところが精神的な分離。自立が非常に難しい。自分の感覚で感じ、物事を考え、行動する。そのようにしているつもりでも、案外それが親の価値観や考えや、世間一般の常識によることが多々ある。分離するjことが見棄てることであると思ったり、罪悪感を持ったりする。うまく親離れ、子離れしていくことが人に課せられた課題であるようだ。稲でも生長する過程で、株分けしなければ腐る。人も時期をみて分離すること、これが真理である。ただしこの時期が難しい。早すぎても遅すぎてもいけない。理想的にしかし発達論的には当たり前に 「ALL OK 」 して育てれば、子どもは18歳で家を出て行く。それは適切に世話をされて満足してのことである。ところが残念ながら、この親ではもう無理だと諦めて出て行くか、いつまでも親の元を離れないことが多い。また親自身がその親から自立・独立していなければ、無意識に子どもの自立を妨げてしまう。
そんなところを会話による分析によって自分を見つめ、振り返り、無意識に気付いていくと、まず自分自身が成長する。
「ALL OK 」による子育て、精神分析理論、それがこの国に認知され、当たり前のこととなったなら、この国は繁栄し、文字通り「美しい国」となると思う。

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