« 9月母親教室のお知らせ | メイン | 分析家の独り言 12 (信頼関係をつくる) »

分析家の独り言 11 (語ることで癒される)

たまたま見ていたテレビでした。外国で三人の人質をとり、立て籠もった犯人。その犯人のもとに所長さんといわれる人が来て、犯人の話を聞いた。そのうちに犯人は人質を解放した。さらに所長さんは話を聞いて、出て行った。ところがしばらくしてコーヒーを2杯、手に持って犯人のもとに戻ってきた。さらに1時間犯人の話に耳を傾け続けた。結果、犯人は自分の話をきいてもらったから気が済んだと、投降した。これをみてあらためて、人は語り、共感・理解されることによって気が済む、怒りが治まる、心に整理がつく。まさにこの手法が精神分析の治療法のひとつです。だから対話療法といわれる。
またクライアントは何度でも同じことを話すことによって、心に整理をつけ、葬り去ることが出来る。PTSDなどは、何度もそのことにクライアント自らが向き合い、語り、闘う自我を作る。逃げていては見たくない、忘れたいことが勝手に侵入してきてしまう。むしろこちらからそのことを思い出し、語りつくす。だから私たちインテグレーターは、クライアントが100回同じことを言っても、初めて聞いたかのように耳を傾けることが大事といわれている。語ればいいからと、壁に向かって独り言のように語っても意味がない。その話を受け取ってくれる人に話すのである。しかし一般社会のなかでそういう人はまず居ない。けっして楽しい話ではないし、まず聴きたがらない。それはもう過ぎ去った過去の話であり、主体性を抹殺された、ある意味死者の語らいである。その死者の語らいに共感と理解を示しつつ、聴くのがインテグレーター(分析家)の仕事である。

About

2007年08月13日 00:50に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「 9月母親教室のお知らせ」です。

次の投稿は「分析家の独り言 12 (信頼関係をつくる)」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.34