« 人づくり連続講座 ~大人として何が出来ますか?~  開催お知らせ | メイン | 分析家の独り言 16 (超自我について) »

分析家の独り言 15 (人は変容しうる)

そのときそのとき、クライアントの表情、反応、声の調子、着てくる服の色など全てがサインとなり、それを読み取る。
あるときは、うつむいたまま、消え入るような声でしか話さない。涙がこぼれることも多々ある。暗い表情が、抱えているものの重さを物語る。少し心を開きだすと、聞いたことに長文で答えてくれる。小さい声ながらも、明るさが感じられたりする。時には笑いあって、その笑顔がよかったなあと、分析後印象に残ることがある。
こちらが質問しなくても、自らよく話す人。そうかと思えば、質問しなければ「何もありません」という人。答えもほぼ「はい」と「いいえ」だけ。うまく言葉に出来ないクライアントは、こちらが、例えばこういうことですかと、いくつかの答えを用意しなければならない。そうしながら、クライアントに関心を向け、丁寧に聴いていくと思わぬところから本音がポロリと出る。
クライアントは自分を理解して欲しいが、その一方で暴かれたくないと、無意識に巧妙に本音を隠す。自分を変えたいが、それは今までの自分の死を意味することになり、それを恐れる。だから、「変えて変えないでくれ」と言われる。この難しい要請に応えていかなければならない。また、クラインとは全身全霊で治りたいと願っているとも限らない。
人間の精神は複雑である。それを理論を基に解き明かしていく。それはクライアントとの共同作業である。
クライアントからの何よりの報酬は、「おかげで、楽になりました。」「楽しめるようになりました」などの言葉。前向きな姿勢。人は変容しうる。

About

2007年09月03日 23:37に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「人づくり連続講座 ~大人として何が出来ますか?~  開催お知らせ」です。

次の投稿は「分析家の独り言 16 (超自我について)」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.34