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分析家の独り言 20 (なおざりにされる授乳行為)

夕方見たニュースだった。看護士の手が足りないため、新生児のミルクを人の手で飲ませるのではなく、タオルなどで支え「ひとり飲み」させ、それによって事故が起きるケースがあると。10人近い新生児をひとりの看護士が見ることもあるとか。
40歳を過ぎてやっと生まれたわが子を、病院でうつ伏せに寝かされ、注意ミスで死亡に至った親御さんが、病院を相手に裁判をしているケースもあると聞いた。
まず根本的なことからずれている。
赤ちゃんにとって、ミルク・おっぱいは、我々でいう食事ということの意味の他に、人間の精神の基礎を作っていくために必要な大事な行為である。
本来なら、お母さんの暖かい胸に抱かれて、アイコンタクトを取りながら、微笑み合いながら、ゆったりと穏やかな中で授乳する。赤ちゃんはそのとき空いている手で、母の暖かく柔らかな乳房を触りながら、安心と満足の中に居る。メラニー・クラインは「・・・この乳房との最初の関係を充分に楽しむ能力は、後にさまざまの源泉から快感を体験するようになる、その基礎をなすものである」といっている。さらに「乳房での満足が体験され充分に受け入れられる機会が多ければ多いほど、楽しみや感謝、快感をふたたび手に入れたいという願望が感じられることも多くなる」という。つまりは、授乳行為による満足が、後にその子が人生を楽しめるかどうかを決めていく。こんなに大事なことだと知っていれば、ひとり飲みなどさせられないだろうと思う。手をかけ、側に居て見守り続ける。放っておいては育たない。それどころか抱かれない赤ちゃんは突然死してしまうことさえある。

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2007年09月17日 23:34に投稿されたエントリーのページです。

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