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分析家の独り言 29 (幸せになる)

我々インテグレーター(分析家)も、個人分析とクライアントの分析(スーパービジョン)を受ける。
分析場面においては、いつも中立の立場で、偏らずに自分を保っておかないと、クライアントを正確に観察者の目で見るとこが出来ず、結果神経症を接木してしまう可能性もある。
出来る限り自分のコンプレックスを解消し、無意識を意識化する、そういう意味ではクライアントと同じといえるだろう。
クライアントは千差万別、一人一人顔が違うように、養育者や養育状況が違い、何を抱えているかわからない。
だから、分析はオーダーメイドであるという。
それぞれ違う心の問題を、理論をもとに、解き明かしていく。たくさんあるジグソーパズルのピース一個一個をはめていくように。
愚痴を聞き続けてきたクライアントは、自分の中に毒素をためているために、とにかく吐き出したい。機関銃のようにしゃべりまくって、「ああ、すっきりした」と言って帰っていく。分析場面はトイレとなる。汚濁にまみれた言葉を吐き捨てていく。それを我々は受け取る。お陰さまで自分の中に浄化作用をもっているので、倒されることなくここまでやってこられた。
親から認められることがなかったために、我々に承認と賞賛を求めてくる人。ただひたすら受け入れられたい人。
第三者からみれば、明らかなことが、本人には抑圧・抵抗が働いて、そこを見ない様にし、気付かない人。
それでも根気よく分析に通い、何年かすると少しづつ、こちらの言葉が入り、気付きが出てきて、変容に至る。
分析の進むスピードもクライアントによって違う。
私も欠損が大きく、おそらく人の何倍か時間がかかったと思う。この欠損は何をもっても埋められないのではないかと、何年も、恐ろしく高い壁の前に立ち尽くし、越えられないだろうと思いつつながめていた時期があった。
自分は人として大事なものが、ごっそり欠け落ちている、そんなイメージを持っていた。
私も、私のクライアント同様、親に愛されたと感じれらず、歓迎されたとも思えず、嫌われていると思い、何とか見棄てられないよいうに、親の顔色を見て親に合わせて生きていた。
自分らしく、人生を楽しめるようになるには時間がかかった。
決してあきらめないこと、自分を信じること。幸せになると決めること。

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2007年10月25日 00:26に投稿されたエントリーのページです。

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