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金谷氏今月のメッセージ 平成19年11月分

当研究所に相談に来られる人は、子供の不登校や引きこもり、本人ならば”うつ状態”や人間関係の悩み、子育て不安などと現実的に頭で考えても分からない。
何故こうなるのか? そこには見えない世界・自分自身も知らない世界に答えがある。
しかし、こちらが「この場所に問題があります」と提示しても、自分の思考する中になければ信じようとしない。
「でも先生こうじゃないのですか」「しかし、それが原因ですか」等と反論する。自分の考えで行動して来て行き詰まり、どうしていいのか分からず相談に来ているにもかかわらず、抵抗する。
これは、自分自身に自信が無く何も出来ない事を知っていて、なおかつ自己否定感を持っていて、自分はダメだと思っている。
それを明らかにされたくない。その反動で強がっているだけである。自分は何も知らない何も出来ない人間であると認める勇気がないのである。
元々親に厳しく育てられ、何もさせて貰っていない。承認と賞賛の無い環境で育っている為、自分のする事に自信が無い人になっている。
 精神分析は、それは他者(養育者/主に母)によって作られた者で、本当の自分ではない事を明らかにする。
何もやらせてもらえず、親の指示・命令で動いていた自分が ”自らの思いで自らが動き出す”やったことの無い行動をして行かなければならない所に難しさがある。
過去の自分と戦いながら未来に向って行く、非常に難関であり時間も年単位でやらなければならない。
しかし、あきらめずやり続ければ必ず光明は見え、いつしか変容するのである。
この前、ある本に出会った。宮本延春氏の「オール1の落ちこぼれ、教師になる」という本である。
 彼は中学生の時、成績が全科目1であった。卒業の時・わずか技術と音楽が2になっただけ。
学力といえば国語の漢字は自分の名前が書けるだけ・数学は九九が二の段までしか言えず、英語はbookしか書けないと言う状態であった。
しかし、不思議なことにテレビで見たアインシュタイン博士の「相対性理論」を解説したフィクションを見て、物理学を勉強したいと言う目的が出来た。これに向って奇跡と言うべき怒涛の進撃を開始するのである。
小学生3年生のドリルを独学でやり始め、24歳で定時制高校(私立豊川高校)に入学、この時先生をも動かし特別に補習をしてもらい、勤め先の渋山建設の社長と専務に多大なる協力と支援をしてもらい、大学に行くための勉強をした。
何故そこまでしなければならないのか?16歳で母をなくし18歳で父をなくし経済的には一人でやらなければいけない。
私立に行く資金は無いので国立を目指さなければならない。そして多くの人の支えと本人の努力で27歳の時名古屋大学・現役合格をしたのである。(後に36歳で豊川高校の教師になる。)
 分析は目的を明確に言語化し、それに向って何をすべきかと都度、言葉にし行動して行けば、思ったとおりの自分になれるといい続けている。
この宮本氏の結果を見た時に、我々が叫び続けてたことを証明されたと感動し、又意を強くして叫び続けるようと新たな決意が出来た。ちなみに彼は生徒に言っている事は「出来ないと諦めない!」
当研究所の信条「絶対あきらめない」と一致した事も感動であった。

金谷精神療法研究所

インテグレーター 諸法皆空(金谷章吉)

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2007年11月27日 22:11に投稿されたエントリーのページです。

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