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金谷氏今月のメッセージ 平成19年12月

2007年の世相を表す「今年の漢字」に「偽」が選ばれた。
人間が食べる食品を産地や賞味期限を改ざんしたり、
汗水たらして働いた賃金の中から支払った税金を私的に使う国会議員、
自分の将来の為に国に預けていた年金をわけの分からないようにしてしまった役人、
教育をして行かなければならない立場の教師が、女子の着替えを20年間に渡り盗撮していたり、
取り締まらなければいけない警察官が、飲酒運転をし隠蔽工作したりと何を信じて行けば良いのか?
それも社会に認められた立場にある人とか、昔ながらの老舗が偽装工作したりと、
シェークスピアの悲劇「ジュリアス・シーザー」の中でカエサルが暗殺される時、自分を殺しに来た一味の中に信頼していたブルータスを見つけて発した言葉「ブルータスお前もか!!」と
本当にそう叫びたくなる。誰も何も信じることが出来ない。
 フロイトは人間が生きて行くために必要なものは「信頼」「愛情」であるといった。
中でも信頼を「基本的信頼」と呼び、生まれて直ぐの母子関係の授乳の行動から形成していくものであると精神発達論で述べている。
求めていく母を信じ、与える母は子供を絶対裏切らない。
そんな簡単な行動でしっかりした信頼が作れるのに、今の母親は「与える」ことより「押し付ける」事しか出来ない。
充分な対応が出来ない為に信頼が身に付いていないように思う。
 人間はしてもらっていない事はして返すことは出来ない。学んだ事以外は出来ないようになっている。
中国の戦国時代の思想家・荀子(ジュンシ)は「人乃性悪 其善者偽也」=人の本性は元々悪で善の行為が出来るようになるには教育・修養により後天的なものによるのだと言う性悪説を唱えた。
精神分析では、人間元々は認識能力や表現力がない真白なものであり、神様から与えられ本来持っているものは「摂取」という「対象から摂り入れる」と言うこと事しか出来ないので、対象である母親が与え続けることにより、自然に摂り入れ身に付けて行くものであると規定する。
お釈迦様が提唱する因果の法則「善因善果」=善なる行為を続ければ善なる結果が得られる。
母親が快楽・満足を与えると言う行為行動から、子供に得られるものは自然に出来る善行である。

 子供の教育を学歴・資格に偏らず心を育てると言う事に気付いて欲しい。
「偽」と言う字は「人」と「為」に分かれる。
為はしわざ・ためにの意で、人を加える事で「人のしわざ」転じて「いつわり」と解する。
が、そうではなく悪なるものも人の為になる様に変える努力をしなさいと言っているように思う。

金谷精神療法研究所

インテグレーター 諸法皆空(金谷章吉)

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2007年12月26日 18:40に投稿されたエントリーのページです。

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