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分析家の独り言 53 (引越し)

本人が思っている以上に引越しは、心の負担になっていることがある。
めでたく嬉しいことである結婚でさえ、個人差はあるもののストレスとなる出来事となる。
引越しうつ病というのもあるくらいで、それは、それまでその土地で築いてきた友人関係、地域とのつながりそれら全て断ち切って新しい土地に行くため、対象喪失体験となる。
愛着を持ったものと離れることは慎重でなければならない。
親の仕事の都合で何度も転校を余儀なくされる子どもの心の負担は、大人が考えているより、いや本人が思っているより大きい。
木を植え替えるときでさえ、できるだけ根っことその周りの土を切り離さないで一緒に移し替えるのだから、人間であればなおさらであろう。
特に子どもであれば、親の配慮が必要。
断ち切ってきたものへの愛着をあきらめていくことと、新しい環境や人との関係を結んでいくことには、相当なエネルギーが要るだろう。
思春期に引越しを経験し、分析によってそのことを振り返ったとき、当時自分は平気と思っていたが、ストレスを感じていたのだろうと言う。
クライアントなりに親にサインを出していたが、それを読み取られず、言葉もかけられなかった。
いろいろなことが思い起こされる。
それを一緒にみて感じ(共感)、言葉にして吐き出す。
「あなたのその言葉は、このように私には感じられますがどうでしょう」というと、「ああ、多分そうだと思います」とか、「いえ、そういうことより、これこれこういうことだと思います」と言われたりする。
そのように会話しながら、クライアントの心の世界に入っていく。

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2007年12月28日 09:23に投稿されたエントリーのページです。

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