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分析家の独り言 59 (10代、増える精神科通院 より)

1月7日19時39分配信 産経新聞に「10代、増える精神科通院」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080107-00000944-san-soci という記事があった。

 東京都品川区の戸越銀座商店街で5人が刃物で切り付けられた事件で、殺人未遂の現行犯で逮捕された同区の私立高校2年の少年(16)は数年前から精神科に通院していたという。10代の若者が精神科に掛かる数は増えている。「精神科の敷居が低くなってきている」と愛知淑徳大の古井景(ひかり)教授(精神医学)は説明する。
 多くの子供たちが鬱(うつ)状態にあるというデータもある。北大の研究チームが昨年、小4~中1の738人を診断したところ、軽症も含め鬱病と診断されたのは全体の3・1%。“有病率”は中学1年では実に10・7%に達した。
 古井教授は、家族や友人関係が希薄になりつつあることが背景にあると指摘する。「ストレスを吸収するサポート態勢がなくなり、精神科に丸投げされるようになった。(何らかの精神的な問題を抱えると)『ストレスで鬱だから』と精神科に掛かることがトレンドともいえる状況だ」
 古井教授は「本来、精神科は脳の問題で薬を使うことが中心。鬱病の薬を出しておしまいということもありうる」と、悩みの“抜本解決”につながらない可能性も指摘している

私がいつも危惧するのはまさにこのこと。
精神的に辛くなり、しんどくなると、精神科や心療内科に行かれるのがほとんどだろう。
しかし、症状を聞いて、薬絵を処方され、それを飲むことで心の病、悩みの根本的解決、治療になるのだろうか。
記事で古井教授が指摘するように、薬は脳内ホルモンを促進したり、抑制したりと調整するだけで、悩みそのものには作用しない。
欝などは、対象喪失がきっかけとなることがあり、なんとも言えない、孤独感や、孤立感、寂しさ、怒りなどに覆われ、やる気が出なくなる。
脳内ホルモンを調整するよりも、その原因となる事象をみ、そのときの気持ちを語ったり、そのことが過去の何かとリンクしてないかなど、心の傷つき、構造を見ていくことが大事だと思う。
クライアントのなかには、抗不安剤や睡眠薬を飲んでいる方もいる。
飲んだほうが本人が楽なら飲んでもらう。
しかし、必ず飲まなければならないとも限らないので、自分で調子を見ながら調節してもらう。
品川の事件の青年も、数年前から精神科に通院していたという。
ということは10歳過ぎから精神科に通っていたことになる。
それでも事件は起こった。
事件の前に母親とトラブルがあった、いじめがあったとも。
それらいろいろあっても、彼の身近な人、つまり母親や父親が、彼を理解し、対応法を知っていたなら、ちがっていたはず。
人の精神はどのように発達するのかなど、精神分析的知識を是非知っておいてほしい。
またここにも、無知であるがゆえの悲劇が起こってしまった。
残念でならない。

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2008年01月08日 15:00に投稿されたエントリーのページです。

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