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分析家の独り言 68 (自己の再生)

人は弱い自分を認めることが難しい。

弱い自分を隠すために、強がる、えらそうにする、理論武装する。

どうせ自分など大した者ではないと、ありのままの自分を受け入れればいいのだがそれができない。

等身大の、現実の自分を見ずに、理想的に描いた自分を自分だと思い込んでいるためプライドが高い。

プライドが高い分だけ、落ち込みも激しい。

この理想的自己イメージのみにとらわれている人をナルシシスト、自己愛者という。

あるクライアント、弱い自分は認められないといって、苦しんでいる。

生きている意味が見出せないから、短絡的に「死ぬ、死ぬ」という。

そういうわりには、古い自分を殺せない。

それはいまだに子ども時代の主体が生きているからである。

そこに固着と未練がある。

弱い自分を殺して、強い自我に生まれ変わればいいが、弱い自分を殺すとは=自分を否定すること。

これまで育ってくる過程で、散々主体性を殺されてきたため、自分を殺し、否定することに抵抗がある。

だから分析おいて、クライアントに承認と賞賛を与えつつ、否定しないで、受容的態度で理解し共感する。

それによって、信頼と支えをつくり、立ち向かう強い自我をつくる。


人間は、自分は何でも知っていると言いたい。

しかし何も知らないことを受け入れるところから全ては始まる。

知らないと思うから、知りたいと思う。

知っていると思うから学ぼうとしない。

何でも知っていると思っている自分を否定する=殺すこと。

そこから人は再生する。



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2008年02月02日 21:10に投稿されたエントリーのページです。

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