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子供の非行の症例

Q.母親教室に通われている方には、どの様な体験をお持ちの方がおられますか?

A.<息子さんの非行に悩まれたお母さんの手記>を紹介します。

私が三十代後半の頃、尊敬するヨガの先生に尋ねられたことがありました。

「人が生きて行くのにこれさえうまくいけば幸せなのに・・・と思う、これって何だと思いますか」私の頭の中に浮かんだ言葉は、お金?家?・・・違うなぁ・・・。

言葉に出せず考えている私に先生は「人間関係。」と言われたのです。

その頃の私は、その意味の深さを考えることなく、何年か後いやでも考えざるを得ない苦しい日々が始まったのです。

それは四十代の中頃、息子の非行に振り回される日々、子どもの考えていることが分からない。

しかし、間違いなく私が生み育てた子ども、何がいけなかったのか、何を思い返しても答えが見つからない年月。

その中で四年後分析家に出会い、問題は私自身の中にあることに気付きました。

今まで私は自分が間違っているとか、生き方に問題があるなどと考えたこともなく、頑張っている、努力している、家族のため、自分の夢のためと思い走って来た自分に問題がある。

その事実を自分が受け止めなければ、子どもの問題を解決することは出来ないという大きな不安に向き合うようになりました。 

そして三年嵐のような日々の中、私は子どもの現実を受け止め向き合いながら、自分自身とも向き合い続けるという年月でした。

いつ果てるとも分からない暗いトンネルの中を歩く私に、分析家は向き合い影のように心のどこかに寄り添って歩いて下さったように思います。

トンネルを抜け出てみると今まで見えていたようで観えてなかった子どもの心や、聞いていたようで聴いていなかった心の声、

人と向き合うことの本当の姿とはどのようなものなのか、少しずつではありますが分かりかけてくると、人と向き合うとは自分自身と向き合うということ。

しかし、自分と向き合うといっても頭の中を同じ言葉が行き交い、ときに怒りや悲しみが向き合うことを越えてしまう。

分析家という鏡をとおして自分自身を見つめ、自分でも意識していない。

深い部分からびっくりするような言葉や思いにハッとさせられる。

自分の知らない自分に出会うということは、自分が知っている子どもとは、自分が思い込んでいた子どもであって、子ども自身が本当の自分を私に見せていたのか・・・。

見せていい、安心して見せてもいい母親であったかと、また自分自身の問題が胸の中に起こってくる。

人が生まれて安心して自分である心地好さ、自分を全て預けられる相手とは、母親なのに、私は本当の意味での母親だっただろうかという疑問、

もう一度子育てのやり直しをしようと思った。

人間関係の意味の深さに今さらながら気付きはじめています。

今も人を知り自分を知るために母親教室に通っています。

以前の私を思うと、人生をもう一度生き直している実感があり、自分の中に愛情という情感を豊かに感じながら、日々を生きているように思う。

何よりの幸せは、息子との会話で共に本音で話し合いながら、互いの違いを笑いあって暮らせる日々をもてたことです。

身を捨ててこそ浮かぶ世もあれということわざではありませんが、たくさんのことを諦めて生きてきたような何年かではありますが、それに比べようもないほどの大きな幸せに出会えました。

 以上が息子の非行に悩んだお母さんの手記です。


 以下は私(インテグレーター 天海有輝)のコメントです。

お母さん方に「ALL OK してください」と言っても、そう簡単にできるものではない。

私自身、それを聞いてから何年かかっただろう。

ゆうに10年はかかっただろうか。

このお母さんはしっり ALL OK をされ、見事3年を越えた頃から、息子さんは劇的に変わっていった。

逆に私が ALL OK の意義と効果を知らされた思いだった。

それでも、息子さんの荒れ方は半端ではなく、私が話を聞いている限りもう立派に仕事をし安心だと思っても、お母さんはまた元に戻ってしまうのではないかと不安を抱えていた。

そういえば最初の頃、息子さんが階段を下りてくる足音に怯えていたと言われた。

対応する親の側にも大きな心の傷が残っていた。

途中、息子さんに投げ飛ばされ腰を痛め、「もうあの子が何を考えているかわからない」と言い、一時母親教室から足が遠のいた時期があった。

私は大丈夫かと心配になり、雨の降る夜にいきなりお宅を訪ねたことがあった。

玄関のガラス戸は割られ、新聞紙が張ってあった。

家の中にあげてもらったが、壁と言わず、家具といわずボコボコだった。

もう直しても、また壊されるから、そのままにしてますということだった。

お母さんとお父さんと話をして、その夜、向こうの家を出たのは夜中1時半を過ぎていた。

この中で私の想像のつかない様々な言葉や、暴力が行きかったのだろう。

よくあの地獄から抜け出し、親子が会話し、冗談を言い合えるまでになっられたと思う。

もう息子さんのことは心配ないところまできても、母親教室には通われた。

そして今、このお母さんはインテグレーター養成講座で分析理論を学んでいる。

クライアントは、最初子どものことで悩んで分析に入ってくる。

ところが子どものことが落ち着くと、こんどは自分自身のことに目がいく。

このお母さんも、荒れた息子がまともにさえなれば、あれもしよう、これもしようと思っていた。

ところが、そうなったとき、これから自分がどう生きていくのか、何のために生きるのかとの問いかけが始まる。

そして自分の無知に気付く。


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2008年02月12日 22:27に投稿されたエントリーのページです。

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