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分析家の独り言 99 (おばあちゃんとして)

ある女性クライアント(Cさん)に、つかまり立ちができるようになった1歳のお孫さん(Dちゃん)がいる。

息子夫婦がDちゃんを連れて家に来て、みんなでご飯を食べた。

Dちゃんが、キーという奇声を上げることが多く、それが気になったという。

母親がスプーンで離乳食を口に運ぶ。

Dちゃんは、食べ物を手で触りたいが、お母さんは、「食べ物をおもちゃにしたらだめ」と怒る。

そして、「私もこう言われて育ちました」という。

Dちゃんが食べ物を触ったその手で首などを触るため、赤くなり痒くなり薬をぬる。

それがDちゃんはまた嫌で、「キー」と叫ぶ。

Cさんは、Dちゃんの前に離乳食を置き、好きに食べていいと言った。

案の定、お汁の中に手を入れ、にんじんをテーブルに並べたり、自分も食べ、Cさんの口にも運ぶ。

それを「おいしいね」と言って、Cさんは食べる。

Dちゃんはニターと笑う。

ご飯やおかずも手でくちゃくちゃして、同じように並べたり、食べたり、Cさんの口に運んだり・・・

それを見ているお母さんは気が気ではない様子。

それをしている間、やっとつかまり立ちできるようになったDちゃんはずっと机にもたれながら立ち続けていた。

普段なら、5分立っているのがやっとなのに、子どもが夢中になっているとこんなに長くたっていられるのかと思ったと。

おそらくDちゃんに、お母さんはこれしちゃだめ、あれしちゃだめと言っているのだろう、それが「キー、キー」いう原因ではないかとCさんは思ったという。

スプーンで離乳食を食べさせられている様子はペットのように思えたとも。

やりたいことを禁止せずにやらせてあげる(=オールOK)ことの大切さを感じたそうだ。

こんなに小さくても、自分というものをもっている。

しかしそれを発揮できない、やりたいことがやらせてもらえないストレスが溜まっていく、それもきっとこれから先何年も。

それを思うと恐ろしい。

それが思春期に、爆発しないわけがない、非行や不登校や心の病として。

Cさんは言う、分析を知らなければ、ただ「キー、キー」いうかんの強い子くらいで終わっていた。

そして、これは父である息子がこれからこの家族をどうするかだと。

何かに気付いて、父として我が子にどう接し、子どもの母親であり自分の妻にどう働きかけるか、それを見守り、息子から何か話があるまで待つという。

待つことも母性として大切なこと。

Cさんはよくここまで来られたなぁと嬉しく思う。


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2008年5月 9日 16:34に投稿されたエントリーのページです。

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