子どもへの対応は無条件。
部屋を片付けたら欲しいものを買ってあげるとか、お手伝いしたらおこづかいをあげるなど、条件なく子どもの要求に応える。
他にも子どもの問題で悩み、母親教室に来られた方は何人もいた。
そして残念ながらどんどん教室への足が遠のいていった。
その中で見事3年「オールOK」をやり通したクライアントがいる。
それは私にも出来なかったことで、頭の下がる思いである。
そのクライアントと二人、どうして他の人は「オールOK」し切れずに撤退していき、彼女だけがやり通せたのか、それはどこがどうちがったのか明確な理由が知りたいといっていた。
彼女と話していく中で、養育史を語り、彼女自身も忘れていたり、わからなかったことがわかってきた。
彼女のこれまでの意識上、父のことは嫌いだった。
ところが思い出し語りだしたのは、幼い頃無条件に自分を受け入れ、要求に応えてくれた父だった。
どこへ行くにも彼女を連れて行き、仕事に疲れて帰ってきても銭湯へ一緒に行き、体を洗ってくれた父。
アイスが欲しいといえば、何本でも買ってくれた。
カルピスを飲みたいといえば、父は金だらいにカルピス1本全部と氷のかたまりを入れ、その上から水道水を入れる。
そのたらいを回しながら、兄弟で代わる代わる飲んだという。
父には一度も怒られたことも、ああせいこうせいと命令指示されたこともなった。
そこには確かに愛され、可愛がられたクライアントがいる。
この経験が彼女にあったため、とても乗り越えられそうもない局面ででも「オールOK」ができたのではないか。
そこが他の方たちや、私と違うところではないかと思う。
また、クライアントに教えられた思いである。
いかに子どもを無条件に受け入れることが大事かを。
その経験をしたとしないでは、大きな差を生む。
残念ながら私にはそんな経験は欠片もない。
だからこんなに時間がかかり、「オールOK」したい自分と出来ない自分の葛藤の大きさに悩み続けなければならなかったのだろう。
あらためて自分にはないが、娘達にはこれから先も無条件に受け入れ、確かに愛されたという感覚を持てるようにしていこうと思った。