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分析家の独り言 122 (女性下着を収集し、身に着ける夫)

以前、妻が電話をしてきて夫婦でセラピーに来られたことがあった。

相談内容は、夫の女性下着の収集癖。

最初夫は女性の下着を買っていた。

その下着を夫は身に着けると心地良いという。

ところがそのうちに、女性の下着を盗むようになった。

そしてついには警察に捕まった。

それで妻は夫を怒り、集めた下着を捨てさせた。

しかしそんなことで夫の下着への執着は消えず、妻に内緒でまた集め始めた。

その数も半端ではない、数百に及ぶ。

それを車に隠し持っていたのを妻が見つけた。

そういった内容で来られた夫婦、話をするのはほとんど妻。

下着を盗んでまで集めるのは異常。

それをどうにかしたいということで分析をすると次回を予約し帰られた。

ところが何日かたってまた妻からキャンセルの電話が入った。

分析に来ると電話をしてきたのも、キャンセルの電話をしてきたのも妻、夫の意思はどこにあったのだろう。

人がこだわるもの、それは母の置き換え。

この夫は母を女性下着に置き換えた。

その下着を身に着けることは、彼にとっては母に抱かれているようなもの、だから心地良い。

なぜ母を下着に置き換えたのかは分析してみないとわからない。

養育史を聞き、その因果関係を紐解いていく。

そうすれば彼の女性下着への執着を解くこともできた。

しかしたった1回の分析で、妻がキャンセルしてきた。

それは、分析によって夫が健康になっては困るからだろう。

そうしたら、もう夫婦で共謀できなくなる(妻は自分の支配下に夫を置けなくなる)。

この妻は、彼より10歳ほど年上であった。


ラカン精神科学研究所のホームページ

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2008年07月11日 22:28に投稿されたエントリーのページです。

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