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分析理論(母性喪失)

『母性喪失』とは、『マターナル・デプリベーション(maternal deprivation)』の訳語である。

母親からの満ちた養育を受ける機会を奪われて育っている子どもの状態を示す。

(メンタルヘルス・シリーズ 「母性喪失」 内山喜久雄・筒井末春・上里一郎 監修 同朋舎)

この当然受けるべき母性的世話を受けられなかった人を「母性喪失者」という。

臨床上、母親が子どものそばから居なくなる(母親の病死や失踪・離婚など)場合のほか、母親が同居していても、母親的世話をし、子どもに愛情を向け接しなければ母性喪失に至るケースは多い。

本来あるべき適切な世話や関心が向けられない子どもは、いつも欠如観を持っている。

この欠如感が強いと、空虚(虚しさ)につながり、それはさみしさとして感じられるため、さみしがりやである。

そのため、いつも何かに打ち込んでいたい、それが耽溺(酒色などにふけりおぼれる)行為に至りやすい。

「スケジュールがずっと詰まっていないと安心できない」ということもよく聞く。

さびしがりやであるため、別れに敏感であったり、いつも何か物を抱えていたいため、物欲が強くなる。

よく見かけるのは、車の中にぬいぐるみがズラッと並べられている光景。

小さい子どもならかわいいですむが、車の運転をするということは少なくとも18歳以上、それには?がつく。

ひきこもりの20歳代半ばの青年で、ベットの周りにぬいぐるみを並べているというのもあった。

酒・タバコにおぼれる人もいる。

ブランド品を何点も買い集める人もいる。

こうして集められたものは全て母の代替物(移行対象物)である。

人が集めるもの、こだわるもの、それら母に通じるといっても過言ではない。

今一度、自分を振り返ってみてはどうだろう。


ラカン精神科学研究所のホームページ

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2008年08月05日 10:36に投稿されたエントリーのページです。

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