« 福岡出張のお知らせ(平成20年11月) | メイン | ラカン精神科学研究所の電話番号変更のお知らせ »

分析家の独り言 160 (母から娘へ世代連鎖されるもの)

仕事に出かける準備をしているところに、両親が尋ねてきた。

私が福岡・鹿児島出張中に、上の娘が両親の所へ行って、ご飯を食べさせてもらっていた。

そのときのことらしい、母が「H子ちゃんは、おかずばっかり食べて、ご飯(お米)をあまり食べないな」

「その食べ方は間違ってるから、お米を持ってきた」と言った。

私は、また始まったと思った。

私が子どものときこれを聞いたら、「ご飯(お米)を食べないことは間違っていること、自分はおかしいんだ」と思っただろう。

まだ、この人は娘や孫に、母やおばあちゃんではなく、先生をする。

母の価値感、考えに合わないことは、すぐ教育しようとする。

母は昔小学校の先生だった。

もちろん私はご飯を炊いてある。

その日によって、ご飯(お米)を食べたり、食べなかったりするから、私は毎回「ご飯(お米)よそおうか」と聞く。

娘はお米がないから家でご飯(お米)を食べないのではない。

娘はおかずが好きだから、おかずを食べて、ご飯(お米)は特に食べなくてもいいときがあるのだ。

その食べ方は間違っている? 私はあきれて何も言うことがなかった。

きっと小さい頃から、私はこうして母の想いや考えに合わないことをすると、駄目だしされ、調教されてきたのだろう。

小さい子どもにとって親は絶対的存在であるため、そのことの是非に関係なく言うことをきくしかない。

今なら母の言うこと、考え方の偏りがすぐわかる。

しかし、長い間それに気付かず、そういうものなのだと思い込んできたことがいっぱいあった。

それを分析を通して検証し、自分を持った今、自分の偏りや生きにくさがどこにあったがわかる。

子どもには、とり入れるとき良いもの、悪いものの取捨選択はない。

その判断能力もない。

最初はせいぜい、とり入れたもの(言われたこと)を良いものと悪いものに振り分けることくらいしかできない。

母の偏りが、子どもに歪みを伝える。

そうして歪んだ私は、無意識にまた自分の娘たちにその歪みを伝えていた。

冷静にこのことを見つめ理解し、歪みを歪みとして認識できるようになってよかったと思う。

同時に、気付かずにいた日々が恐いと思う。

オールOKを学び、分析を受けているクライアントたちは言う、「下手なことを、おいそれと子どもに言えませんね」と。

私は「そうです、言われた子どもがどう思うかよく考えてから言ってください」

「ほとんどのお母さんは、思いつくまま、自分の感情のままに子どもに言葉をぶつけるから、子どもがしんどくなることがたくさんあるんです」と言う。

母もまたその母にいろいろ言われ、生き辛さを抱えて生きてきたのではないか。

しかしもう80近くなった母は、それさえも自覚することはないのだろう。


ラカン精神科学研究所のホームページ

不登校・ひきこもりに悩む方々へのページもご覧ください

About

2008年11月01日 08:46に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「福岡出張のお知らせ(平成20年11月)」です。

次の投稿は「ラカン精神科学研究所の電話番号変更のお知らせ」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.34