2010年2月 7日

分析家の独り言 320 (滋賀インテグレーター養成講座第回:母性より)

2月1回目のインテグレーター養成講座は、自我論Ⅳ(母性)の続きを講義した。

「母性とは」の中で、「母自身がその母との、母 - 娘葛藤を未解決のまま現在に持ち越し・・・」というのがある。

ほとんどの人が「母 - 娘葛藤」を未解決のまま現在に持ち越し」ている。

反対にこの葛藤を解決していたり、我が子の養育場面に持ち込まないことの方がまずまれである。

子どもを育てている母自身にも、その母との母 - 娘関係がある。

子育てしている母も、子ども時代には母に愛着行動を示し、母に甘え、ベタベタとくっつきまとわりついた。

いつも私を見て、私の話を聞いてと母の愛情を求めた。

しかし、母はいつもこれらの要求に応えてはくれなかった。

母にまとわりついたが母は今忙しいからとそれを拒絶し、子どもであった自分の要求は頓挫することがあった。

この要求拒絶が繰り替えされ、母への愛と憎しみが発生する。

要求を受け入れてくれたときには、母に愛を感じる

要求に応えてくれないときには、母に憎しみを感じる。

この愛と憎しみの葛藤を未解決なまま母親になると、子ども時代に自分の母に愛を感じた母と、憎しみを感じた母を、我が子に無意識にランダムに出してしまう。

この母は、子どもを食べてしまいたいくらい可愛く思うときと、殺してしまいたいくらい憎らしく思うときがある。

また、子どもが母に求めてきたときに応えるのではなく、母が子どもを可愛がりたいときに可愛がり、関わる。

これでは子どもはうっとおしいだけである。

子どもが「抱っこして」と言ったときには、「今忙しいからダメ」と言い、子どもが要求していないときに母の気分で抱っこする。

子どもへの対応がちぐはぐで、こうした矛盾した行為に母は気付かない。

母は自分が子どもを可愛がり、憎たらしいときに憎たらしいと思っているため、母の主観では一貫していて、矛盾しているとは思っていないのだ。

むしろ自分の子育てには間違いがないと確信していたりする。

この母は子どもの主観に立てず、子どもへの配慮が出来ない。

母自身がその母との葛藤に目を向けず、それを無意識に我が子の養育場面に出していることがわからない。

こういった対応を子どもにしていると、子どもは何らかのサインを出す。

それにも気付かずにいると、様々な問題行動として表面化してくる。

それが不登校、ひきこもり、非行などに至る。

母がその母親との関係を見直し、その葛藤を解決していくと、当然子どもへの対応が変わる。

ランダムに無意識に、いい母と悪い母を出すことがなくなり、子どもは安定してくる。

まず無意識に気付くこと。

それを精神分析を通して見、書き換えていく。

更に精神分析理論を学んで、自分を知り、子どもへの対応に活かそうとするお母さん方が居る。


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滋賀インテグレーター養成講座開講日程のお知らせ(平成22年2月)

毎月インテグレーター養成講座を開いています。

次回平成22年2月は下記の通りです。

日   時 : 2月 27日(土) 11:00~14:00 (第6回)

場   所 : ラカン精神科学研究所(滋賀県大津市 JR湖西線{唐崎駅」下車徒歩5分)

受講費用 : 一受講につき一万円
        初めての方はプラス テキスト代一冊5千円 (全三冊)


第5回 インテグレーター養成講座 講義内容

自己愛論Ⅰ《自己愛人間の心理と生態》

   自己愛の心理
    ナルキッススの神話、 

   健康な自己愛
    健康な自己愛の源泉

   自己愛の成り立ち
    生理的自己愛の満足、原始的な自己感覚、自閉的段階の一時的自己愛
    親の中の子どもの像・原始的自己愛

   自己愛者の生態
    自己愛的同一視、惚れ込み、自己愛観-東洋と西洋の違い
    日本人的自己愛人間と日本的マゾヒズム

   自己愛社会
    母性社会、集団幻想が解体した現代、つくられた自己愛の満足、お客様は神様です


次回は自己愛論Ⅱ《自己愛の構造》

試しに一度受けてみたいという方や、この項目を聞いて見たいという方、受け付けます。

その場合は、受講費用 一万円、テキスト代(一回分) 二百円 です。 

遠方の方にはスカイプによる講座も受講していただけます。

詳しくは、skype de stherapy(スカイプ セラピー) のページをご覧ください。
 
興味・関心のある方、参加希望の方おられましたら下記へ連絡ください。

077-558-8766(電話ファックス兼用) または 050-3767-6283(OCNドットフォン)

090-7357-4540(携帯電話)

lacan.msl☆gmail.com ☆を@に変えたアドレスでメール送信してください。(スパムメール対策)


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 月刊精神分析 2010年2月号 依存症とは(覚せい剤など)

2010年2月 5日

『月刊精神分析』 2010年2月号 依存症とは(覚せい剤など) 発刊のお知らせ

『月刊精神分析2010年2月号』は、依存症を取り上げました。

昨今、著名な芸能人の覚醒剤所持・使用、薬物がらみの事件が数多く報道されます。また、有名大学の大学生の大麻所持事件、更に、一般人の覚醒剤使用・所持事件も発生しています。

この平穏な日本に生まれ育ち、義務教育を受け、教育レベルの高い大学に通っている大学生がなぜ?芸能生活を送っているタレントがなぜ?家庭生活を送っている主婦がなぜ?...と言うのが今号のテーマです。

『月刊精神分析 2010年2月号』 目次

1、はじめに
2、プロフィール
3、薬物汚染の現状
4、依存症とは?
5、依存症の正体
6、依存症の詳細(症例)
7、依存症のメカニズム
8、依存症を治すには
9、おわりに
10、Webマガジン月刊精神分析&分析家ネットワーク


月刊精神分析 2010年2月号  依存症とは(覚せい剤など) はこちらをご覧下さい。


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これまでに発刊された月刊精神分析もご覧ください。

月刊精神分析2008年11月号 私と精神分析 もご覧ください もご覧ください

月刊精神分析2008年12月号 心の栄養学講

月刊精神分析2009年01月号 運命は名前で決まる

月刊精神分析2009年02月号私と精神分析 2

月刊精神分析2009年03月号随筆 精神分析

月刊精神分析2009年4月号 なぜ分析で病が治るのか

月刊精神分析2009年5月号 精神分析家をえらびますか?

月刊精神分析2009年6月号 女性と仕事・結婚・出産

月刊精神分析2009年7月号 非行と家庭内暴力

月刊精神分析2009年8月号 酒井法子覚せい剤所事件と分析理論

月刊精神分析2009年9月号 秋葉原無差別殺人事件

月刊精神分析2009年10月号変容と変遷

月刊精神分析2009年11月号分析を受ける 

月刊精神分析2009年12月号私と精神分析 3

 月刊精神分析 2010年1月号 心的遺伝子論 精神分析的産み分け法 

京都分析理論講座日程のお知らせ(平成22年3月)

平成22年3月は下記の日程で分析理論講座をひらきます。

日時 : 3月4日(木) 10:00-12:00
場所 : ひと・まち交流館京都(JR京都駅より徒歩15分)
費用 : 3,000円 (テキスト別途 1冊1,000円)
 
講座内容 : 『心の発達』 -口唇期の心の発達- 口愛性格 から

「口唇期に固着したリピドーがつくりだした心的構えを、口愛性格という。その特徴は、全てのものを貪り食い、快感原則に従って無差別に自分の要求を出し・・・」(テキストから一部抜粋)

テキスト途中から、一人でも参加いただけます。

独自のテキストをもとに症例などを入れながら、精神分析の理論をわかりやすく解説します。

子育てする上で、また人間を理解するために役立つ理論です。

子育て中の方、結婚前の方、男女を問わず知っておいて欲しいことがたくさんあります。

興味・関心のある方、参加希望の方は下記へご連絡ください。

電話: 077-558-8766 または 050-3767-6283

携帯: 090-7357-4540

メアド:lacan.msl☆gmail.com ☆を@に変換したメールアドレスにメール送信願います(スパムメール対
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2010年2月 4日

分析家の独り言 319 (分析とは自分を知ること)

分析依頼と共に、様々な相談を受ける。

神経症、うつ病などの精神疾患はじめ、社会適応しながらも生きにくさを感じている人、子どもの不登校・ひきこもり・ニート・非行などの問題、夫婦間の問題等々。

子どもの問題に関して、親御さんが相談に来られる場合、子どもへの具体的対応法をお話しする。

同時にその子を育てた親(母親)を分析し、自分をしっかり見つめ、子どもは自分のコピーであること、何らかの問題が起きたその原因を知り、母親に変わってもらう。

その変わった母親が対応することで、子どもも変わる。

また親は分析を受けず、子どものみが分析を受けるケースもある。

親子共分析に取り組まれるクライアントもおられる。

精神疾患であれ、生きにいくさであれ、その他様々な問題も、分析により心の構造を見ていき、クライアントが自分を知って気付き、変容していく。

臨床をしていると、精神を病んでいるからとか、何らかの問題を解決したいから分析を受けるのではなく、結局のところそれらは単なるきっかけでしかないのではないか。

分析は知ることを楽しいと感じる人が受ける。

病んでいる人にも適応できるが、病んでいる病んでいないということより、人間として自分を知るという喜びを味わうものである。

自分のことを振り返って、私は月に一度分析家が京都に来られ、分析を受けるのを指折り数え楽しみに待った。

何も知らない私に分析は智を与えてくれた。


この分析家は言った、「分析を知れば人生のからくりがわかります」と。

この言葉に導かれて来た。


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 月刊精神分析 2010年1月号 心的遺伝子論 精神分析的産み分け法 

2010年2月 2日

分析家の独り言 318 (欲望の運動)

フロイトは「子ども時代はもうない」と言った。

クライアントは、様々な理由で楽しい子ども時代・学生時代を送れず、そのことを後悔し今も取り返したいと思っている。

しかしまた、そのものはもう無いということも知っている。

取り戻したい気持ちと、もうそこには帰れないもどかしさを抱え苦悶する。

そのままではいつまでもこの葛藤に執着し、動けない。

だからこそ過去を語り、整理をつけ、どういう自分だったか、なぜ納得のいく充実した子ども時代を送れなかったかをもう一度しっかり意識化した後、葬り去る。

人は無いとしっかり認識すれば、そのものを手に入れようと動き出す。

無いものを無いままにはできないから、今の自分として手に入れられる形で。

否定し、そこから生まれるものがある。

この無いと否定することにまず苦痛を伴う。

そこには、死んでいた(主体を抹殺された)悲しい自分がゴロゴロしており、それを見なければならない。

これを見ずに、「無い」と否定することは出来ないからだ。

無いと否定したものがファルスとなり、ファルスをもとに欲望の運動が始まる。

動き出した運動は止まることなく、動き続ける。

この運動が生きる充実感になる。


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2010年1月31日

分析家の独り言 317 (信頼)

分析を受け子どもに対してオールOKをしていき、同時に自分の育ってきた過程を振り返る。

しんどいながらも子どもにオールOKすると、嫌でも親は自分の子ども時代を見ることになる。

そしてやがて親であるクライアントは自ら気づいていく。

本当は自分が親に甘えたかった、頼りたかった、可愛がられたかった、受け入れて欲しかったことに。

小さい頃はそれを親に求め、願ったが、とてもこの親は自分の願いに応えてくれそうにないと感じ、あきらめていった。

いつまでも甘えたいなどの気持ちを抱えながら、それが叶わないのは辛いことであるため、そんな気持ちは自分にはないと、抑圧したり自分から切り離してしまう。

しかし、我が子を育てる過程で、抑圧や分割し無意識に追いやった過去の欲望がよみがえる。

自分があきらめた甘えなどを、子どもが親である自分に求めてくる。

これは母親の無意識を刺激し、腹が立つ。

腹が立つこと、引っかかったことそれら全てその人のコンプレックスである。

このコンプレックス、腹立ちと闘いながらオールOKをするため葛藤し、しんどく苦痛を伴う。

しかし、このしんどさに打ち勝ちオールOKする母親であるクライアント達がいる。

それを支えるのがクライアントの子どものために自分がここで何とかしなければという想いと、分析、インテグレーター(分析家)である。

更に夫(子どもの父親)の支えがあればいいのだが・・・。

私は誰に対しても同じことを言う、「オールOKしてください」と。

しかし、オールOKする人としない人が居る。

辛いながらもオールOKしていくと、子どもの様子が変わってくる。

それを身近に肌で感じる母親は、やはりやってよかったと言う。

「なぜあなたはオールOKしたんですか?」とあるクライアントに聞いてみた。

すると分析家である私に言われたからだと言う。

分析家に言われてもやらない人はやらない。

私という人間と、分析をいかに信頼してもらえるかということである。

人間関係の基本にある信頼ということをあらためて考えさせられる。

子どもへのオールOKも、母と子の信頼をつくるためでもある。

子どもはこの母親なら、自分の言うこと要求を聞いてくれるだろうという信頼のもとに自分を出せる。

それに応え続けると、更に母と子の信頼は絆へとつながっていく。


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2010年1月30日

分析家の独り言 316 (心の成長、自立へ)

人間の精神とはいくつになっても成長しうる。

このことが理解されていないと、子どもにオールOKをしても、母親は一生自分が子どもにこき使われるのではないかと思う。

適切に世話をすれば必ず子どもの心は成長する。

心が成長していけば、いつまでも母親に頼りっきりで「あれして」「これして」とは言わない。

オールOKを始めると、子どもは最初、これまで欠けていたいた世話や我慢してきた要求を取り返すかのように、要求をどんどん出す。

しかしそれに付き合ううち、徐徐に要求は減ってくる。

子どもは満足いけば、今度は自分で出来ることの喜びを知り、「よくここまでしてくれた、もういいよありがとう」と言って、自立していく。

一生子どもの世話と要求に振り回されると思うと嫌になり、母親は「私はあんたの家政婦でも奴隷でもないわよ」と言いたくなる。

しっかり子どもの言うことを聞き取り、その通りに動けば子どもは満たされると共に成長していく。

反対に、子どもの言葉をいい加減に聞き、中途半端な対応しかしなければ、子どもは満足出来ず成長も進まず、母親は子どもに振り回され続けることになる。

それをみると、本当は子どもに自立して欲しくないのでは?と思うくらいである。

中途半端に対応して、子どもに文句を言われながらも、親は子どもを自分の下に居させたいのではと。

それは無意識のレベルの話ではあるが、親の分離不安が絡む。

人間自分を必要とされなくなることほど寂しいことはない。

それまで何だかんだと言っても「お母さん」「お母さん」と言って自分を頼り必要としてくる子どもが自立して自分から離れていくことを、親は子どもに見捨てられたと意味づけるのかもしれない。

オールOKをする母親に、成長・自立という概念が自分の辞書に登録されていないのではないか。

母親自身がその親に押さえつけられ、自分の成長を阻まれてきていたら、これらの文字の辞書への登録はないだろう。

オールOKして、散々子どもに振り回されれば、母親も充分やったという気持ちになり、子どもが自立していくことを心から感謝できる。

人間は親に依存して生きる時間が18年以上に渡り長いため、そのことが親と子の分離を難しくしている。

親子互いが納得し了解して、快く離れていくことを目指したい。


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2010年1月28日

分析家の独り言 315 (東京・秋葉原の無差別殺傷事件、加藤智大被告)

東京・秋葉原の無差別殺傷事件で殺人罪などに問われた元派遣社員、加藤智大(ともひろ)被告(27)の初公判が28日、東京地裁で開かれた。

加藤智大被告(27)が、事件で重傷を負った東京都江東区の元タクシー運転手、湯浅洋さん(55)に謝罪の手紙を送っていた。


加藤被告は、この手紙の中で、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 この度は本当に申し訳ございませんでした。
 言い訳できることは何もありません。
 私は小さい頃(ころ)から「いい子」を演じてきました。
 意識してやっているわけではなく、それが当たり前でした。
 そのことがあるので、取り調べを受けている時から「申し訳ない」と思っている自分は、はたして本当の自分なのか、という疑念がありました。
 形だけの謝罪文はいくらでも書けますが、それは皆様への冒涜(ぼうとく)でしかなく、これは本心なの か、いつもの「いい子」ではないのか、と常に自問しながら書いています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
と書かれている。

彼は、親に気に入るいい子を演じてきたのだろう。

おそらくそうしなければしかられる、家庭内での自分の待遇が悪くなったのだろう。

いい子を演じることは当たり前のことで、意識してやっているわけではないという。

いい子をするとは、自分の主体性や欲望を抹殺し、他者((親)に主体性を奪われていただろう。

だから、今謝罪している自分さえ、本当の自分の気持ちか、相変わらず小さい頃からしてきた「いい子」なのか、自分でもわからないのだ。

いい子いい人を演じていると、本当の自分が一体何なのかわからなくなる。

彼は自分を持たず、抜け殻のまま他者(親)の望むように生きてきた。

自分の感覚、考え、気持ちを持ち、それらを承認され肯定されないことは自我の死に等しい。

子育てをする親御さんたち、今一度子どもへの対応を振り返り反省して欲しい。


加藤被告は、次の様にも書いている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 「皆様には夢があり、温かい家族、恋人、友人などに囲まれ、人生を満喫していたところを私がすべて壊してしまった。
 取り返しのつかないことをしてしまった」「私にはそういったものはなく、それらを理不尽に奪われる苦痛を自分のこととして想像できず、歯がゆい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
彼には温かい家族、恋人、友人などに囲まれることも、人生を満喫することもなかった。

せめて誰か彼の言葉に耳を傾ける人がいたら、ここまでの事件を起こすことは避けられたかもしれない。

いい子ではなく、まず彼の言うことをしっかり聞ける親がいたならと思う。


更に、次の様な文章もある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 どうせ死刑だと開き直るのではなく、すべてを説明することが皆さまと社会に対する責任であり、義務だと考えています。
 真実を明らかにし、対策してもらうことで似たような事件が二度と起らないようにすることで償いたいと考えています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
是非その様にして欲しい。

彼の心の闇を解き明かすことで、今後同じような事件が起こらないようにしたいものである。


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月刊精神分析2009年9月号 秋葉原無差別殺人事件

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2010年1月27日

分析家の独り言 314 (相互主体性)

クライアントは、人から自分がどう見られるかを非常に気にし腐心する。

ある者は人の評価を得るために行動し、相手の求める自分になろうとする。

相手の期待する自分になれないと、自分が理想とする自己像の幻想が崩れる。

子どもの頃は、この相手は母であり、母の期待に応えようとする。

これが親の言うことをよく聞くいい子の正体である。

大きくなるにつれそれが母にとどまらず、他者一般へ広がる。

相手に主体を譲り渡せば自分は受身となるため、自己を相手に規定され、自己の存在を相手に意味づけられてしまう。

子ども時代、親の言葉は絶大である。

親に「お前はだめな子だ」「変わっている」「変だ」「不細工だ」「馬鹿だ」・・・とマイナスの言語で語られると、そのように自己をマイナスに規定してしまう。

これを大人になって、自ら書き換えるのは簡単ではない。

分析においてこの書き換えをする。

主体は常に自分の側に置く。

そうすれば、不安になることも、揺れることもない。

人が自分をどう思っているかなど気にならない。

しかし、主体性を持つことを許されず、相手(母)に預けてしまうように育ってしまうと、主体を常に自分の側に置くことができない。

鏡像段階の相互主体性の中で、主体を自分と相手の間で入れ替えてしまう。

だから自分は良いと思っても、相手から否定されると落ち込んだり、へこんだりと揺らぐ。

その時々、相手は勝手な自我で私を否定したり、規定しているだけである。

それに一々動揺していたのでは疲れる。

まずもって否定が成立すること自体、相手が主体であるということになる。

この相互主体性の罠から飛び出し、自分の側に主体を固定することである。

私はあるときから良い人をやめた。

人からみて良い人と言われるように振舞ってきた自分に主体性はない、と知った。


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