分析家の独り言 320 (滋賀インテグレーター養成講座第回:母性より)
2月1回目のインテグレーター養成講座は、自我論Ⅳ(母性)の続きを講義した。
「母性とは」の中で、「母自身がその母との、母 - 娘葛藤を未解決のまま現在に持ち越し・・・」というのがある。
ほとんどの人が「母 - 娘葛藤」を未解決のまま現在に持ち越し」ている。
反対にこの葛藤を解決していたり、我が子の養育場面に持ち込まないことの方がまずまれである。
子どもを育てている母自身にも、その母との母 - 娘関係がある。
子育てしている母も、子ども時代には母に愛着行動を示し、母に甘え、ベタベタとくっつきまとわりついた。
いつも私を見て、私の話を聞いてと母の愛情を求めた。
しかし、母はいつもこれらの要求に応えてはくれなかった。
母にまとわりついたが母は今忙しいからとそれを拒絶し、子どもであった自分の要求は頓挫することがあった。
この要求拒絶が繰り替えされ、母への愛と憎しみが発生する。
要求を受け入れてくれたときには、母に愛を感じる
要求に応えてくれないときには、母に憎しみを感じる。
この愛と憎しみの葛藤を未解決なまま母親になると、子ども時代に自分の母に愛を感じた母と、憎しみを感じた母を、我が子に無意識にランダムに出してしまう。
この母は、子どもを食べてしまいたいくらい可愛く思うときと、殺してしまいたいくらい憎らしく思うときがある。
また、子どもが母に求めてきたときに応えるのではなく、母が子どもを可愛がりたいときに可愛がり、関わる。
これでは子どもはうっとおしいだけである。
子どもが「抱っこして」と言ったときには、「今忙しいからダメ」と言い、子どもが要求していないときに母の気分で抱っこする。
子どもへの対応がちぐはぐで、こうした矛盾した行為に母は気付かない。
母は自分が子どもを可愛がり、憎たらしいときに憎たらしいと思っているため、母の主観では一貫していて、矛盾しているとは思っていないのだ。
むしろ自分の子育てには間違いがないと確信していたりする。
この母は子どもの主観に立てず、子どもへの配慮が出来ない。
母自身がその母との葛藤に目を向けず、それを無意識に我が子の養育場面に出していることがわからない。
こういった対応を子どもにしていると、子どもは何らかのサインを出す。
それにも気付かずにいると、様々な問題行動として表面化してくる。
それが不登校、ひきこもり、非行などに至る。
母がその母親との関係を見直し、その葛藤を解決していくと、当然子どもへの対応が変わる。
ランダムに無意識に、いい母と悪い母を出すことがなくなり、子どもは安定してくる。
まず無意識に気付くこと。
それを精神分析を通して見、書き換えていく。
更に精神分析理論を学んで、自分を知り、子どもへの対応に活かそうとするお母さん方が居る。
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