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分析家の独り言 222 (子どもに残す心の財産)

あるクライアントが言う。

自分は正しい、真面目に一生懸命生きてきた。

ところが、息子が荒れた。なんで?

いろんなところへ足を運んだが、これというものに出会えず行き着いたのがオールOKだった。

オールOKするということは、ある意味子どもの無理をきくことである。

その要求が正しいとか正しくないとか言っていたのではオールOKはできない。

クライアントは、暴れて多額のお金を要求する息子を正しいとは言えない。

しかし、それを要求されたら応えるしかないと思い、お金を出した。

それまで、物事を判断する基準は正しいか正しくないかだった。

正しくないと思ったことには、とことん異議を唱えた。

そのクライアントがオールOKをするには、まずこの正誤の基準を外さなければならなかった。

そうしてオールOKし気が付けば、自分を殺して(自分の考えや価値を否定して)でも人(子ども)を生かし続けることが大事だと気が付いた。

オールOKは子どもをわがままにするなどというレベルの話しではなく、オールOKする親の自分との戦いである。

親自身が自分と親との関係、養育状況にまで溯り、自分を見つめなおすことになる。

そこには惨めな自分、汚い自分、悲しい自分、かわいそうな自分、怒りを抱えた自分など、見たくない自分が浮かび上がる。

オールOKは、それから逃げないで向き合える人のみが越えられる壁のように思う。

この先には、子どものとの良好な関係と、親子共々の成長がある。

親として子どもとの信頼・絆・親密さを築けることは、この上ない幸せであろう。

こうして育った子どもは、人と信頼・絆・親密さを築いていける。

親は子どもに、お金では得られない心の財産を伝えたことになる。


ラカン精神科学研究所のホームページ

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月刊精神分析2009年4月号 なぜ分析で病が治るのか

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2009年5月26日 09:05に投稿されたエントリーのページです。

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