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2009年11月 アーカイブ

2009年11月 2日

分析家の独り言 285 (滋賀インテグレーター養成講座第一回より)

新しくインテグレーター養成講座を開き、第一回を終えた。

講座の内容は、『自我論Ⅰ』 胎児の世界、新生児の世界、乳幼児の自我と対象関係。

内容が濃く、3時間では話しきれないほどだった。

胎児がどのように胎内ですごしているのか、そのとき母親との関係がどうであるか、新生児の世界はどんなものかなど参考文献  

「胎児は見ている」   (祥伝社)
「赤ちゃんには世界がどうみえるか」  (草思社)

と、症例を入れながら解説した。

胎児も新生児も一般には、まだ全てにおいて未成熟で何もわかっていないだろうくらいにしか思われいていないだろうが、そうではない。

感覚器官が未発達ながらも、胎生六ヶ月以後には自我が芽生え始めており、胎生八ヶ月においては、胎児なりに考え、感じ、記憶しているといわれている。

ましてや新生児においては、肉体の成長とともに精神の発達・成長はいちじるしく、母親による世話が大事である。

乳幼児の自我と対象関係では、対象関係論(乳幼児の精神の構造)を解説した。

実際に今乳幼児が身近にいる方もおり、「そうそう、確かにそうだ」という声もきかれた。

分析理論講座ではやさしく理論を解説しており、また分析の中で一部理論的なことを話すこともあり、そのとき必ず「そんなことなら、もっと早くに知っておきたかった」という声を聞く。

私も、分析理論を学んだのは子どもがもう小学生になっており、せめて子どもを産む前に知っておきたかったと思った。

講座参加者の中には、これから結婚するだろう若い方もおり、是非こういう人たちに知っておいて欲しい。

子育て中の方には、これまでの子育てを見直し、子どもにどう接しどう世話するのが子どもの健全な精神を育てることになるのかが理論をもとにわかってもらえる。

智を得たとき、無知だった自分を知る。


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滋賀インテグレーター養成講座開講日程のお知らせ(平成21年11月)

毎月一回インテグレーター養成講座を開いています。

11月は下記のようです。

日   時 : 11月21日(土) 11:00~14:00 (第二回)

       三回目は12月5日(土)の予定

場   所 : ラカン精神科学研究所(滋賀県大津市 JR湖西線{唐崎駅」下車徒歩5分)

受講費用 : 一受講につき一万円
        初めての方はプラス テキスト代一冊5千円 (全三冊)


第二回目 自我論Ⅱ《 幼児期の自我と対象関係》 目次
        
   精神分析理論 
    理論構成(1.力動論 2.経済論 3.構造論 4.発生論 5.適応論)、まとめ
              
   分離と個体化 
    分離個体化の前駆的段階(1.正常な自閉期 2.共生期)、
    分離個体化の過程(1.第一期 分化と身体像の発達 2.第二期 練習 3.第三期 和解
                4. 第四期 個体化の強化と情緒的恒常性の出現)
             
   対象関係による超自我の発達 
    取り入れと内在化、分裂的態勢、抑うつ的態勢    


興味・関心のある方、参加希望の方おられましたら連絡ください。

試しに一度受けてみたいという方や、この項目を聞いて見たいという方、受け付けます。

その場合は、受講費用 一万円、テキスト代(一回分) 二百円 です。  

077-558-8766(電話ファックス兼用)
または 050-3767-6283(OCNドットフォン)
090-7357-4540(携帯電話)
lacan_msl☆yahoo.co.jp ☆を@に変えたアドレスでメール送信してください。(スパムメール対策)


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2009年11月 3日

分析家の独り言 286 (メール相談・スカイプセラピーより:今ここに生きる)

時代の流れなのか、最近パソコンによるメール相談や、電話セラピーに加えスカイプでのセラピーが増えてきた。

以前からホームページ上でスカイプは無料で電話機能が使えるので、それにカメラをプラスするとテレビ電話となり、遠方であるなどして直接面談できないクライアントに対応できると言ってきた。

メール相談についても、メール相談だけでやり取りをするケース、メールのやり取りをした後分析に入っていくケースや、、メール相談の後子育て相談室などに参加されるケースなどいろいろある。

日本ではまだあまり知られていな精神分析を、より多くの方々にまずは知ってもらいたいという思いからパソコンというツールを使ってホームページや各サイト、月刊精神分析を作ってきた。

ブログ『宣照真理のセラピー日記』は、私の分析を受けているクライアント達も読んでいるようで、分析や相談室・講座で話題にのぼる事がある。

これも精神分析というものをいろんな方向から表現し理解してもらえるように、また私という人間を知ってもらうことの参考になればと思って書いている。

分析とともに分析者がどういう人間かも、クライアントの立場に立てば気になるのは当然で、この分析家は信頼できるのかどうなのかをどこで判断するか。

分析関係に入れば、分析家はクライアントと信頼関係を築くことに注力するのは当然だが、そこに行く前段階で、どの治療者のもとに行くかをクライアントは決めなければなならない。

また子どもの不登校・ひきこもり、非行などで困ったとき、どこに相談しに行けばいいのか迷うだろう。

そんな時、「不登校」「ひきこもり」「非行」などの検索文字を入れて当ラカン精神科学研究所のホームページやサイトを見て、一度話を聞いてみたい、メールで相談してみたいと思う何かを提供できたらと思っている。

実際「ホームページを見ました。分析を受けたいのですが」と電話をいただく。

手前味噌ながら、分析やラカン精神科学研究所をいくらか信頼してもらってのことかと思う。

さらに、精神分析とは何かから説明しなくてもホームページなどを読んでもらっているため、時間や料金などについても了解した上での連絡のため非常に助かる。


分析は精神の病があるから受けるものとは限らない。

精神的病理の有無に関わらず、自分を見つめ、自分を知り、自分らしく活き活きと生きていくことができる、それを目指す人達が取り組むことといえる。

そういう意味では、全ての人が分析を受ける可能性がある。

分析により親との精神的分離を成し遂げ、精神的に成長していく。

過去にとらわれ執着せず、今を味わって「今ここに生きる」ことである。


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2009年11月 6日

分析家の独り言 287 (会話の力)

クライアントから、「Yes」の裏の「No」を読み取りながら会話をするというのを幾例か聞く。

「~したいんだけど、どうかな」「いいかな」と聞いて、相手が「いいよ」と言っても、その裏には「ダメ」が含まれているのではないかと思うというのである。

この会話は非常にややこしく、会話が成立しにくく、互いの思惑が交錯し混乱する。

これとともに多いのは、察するという会話である。

言葉ではっきり「ダメ」とか、「~しなさい」とは言わないが、遠まわしにそれを言っていることを察するというもの。

兄弟が親に怒られているのを見聞きして、自分にもそれをするなと言っているんだと察する。

親が他人の行為に文句をつけて、子どもは親がそういうことを好まないんだ→してはいけないんだと察するなど。

言葉で「勉強しろ」とは言われないが、勉強していると親の機嫌がよければ、それは「勉強しなさい」と言われたのと同じことになる。

非言語的会話とでもいうべきこれらの会話は、病んだ家族に多い。

会話が何か、どういうものかわからないというクラインともいる。

正常な会話をしてきているか、非常に怪しくなる。

一方通行の命令指示も会話とは言わない。

会話とは言葉のキャッチボールであり、会話によって人と人が理解しあい、共感や合意が得られるものである。

自分の考えや意見を言うと同じように、相手の考えや意見も聞き、自分の主張をどこまで通し、相手にどこまで譲るか。

自分を主張するばかりで相手が自分に合わせることだけを望んだり、自分を殺して相手に譲るばかりでも良好な関係はつくれない。

どこまで出して、どこまで引っ込めるか、これを子ども時代から親との会話で学習していく。

まずは子どもは親に自分の言いたいことを言えること。

親はオールOKして、子どもの言うことをしっかり受け入れ聴く。

この聴いてもらうことがそもそもない。

しっかり聴いてもらうから、子どもは成長とともに、人の話を聞ける様になる。

親がろくに子どもの話も聞かないで、親の話を聞けというのは無理である。

人は基本的にしてもらったこと(体験したこと)は出来る。

またされたようにしか出来ない。

会話ないの夫婦、会話のない親子、会話のない家族、これらは互いの理解や思いやり、信頼、親密さ、愛着が育たない。

第三者が聞いていると、全く話しがかみ合っていないのに話が終わらず会話であるかのようにみえるものもある。

今一度、自分達がしている会話は、本当の意味で会話といえるかを見直してみてはどうか。

カウンセリングで話を聞いてもらい楽になる、癒されるというのは、理解と共感的態度で話を聞いてもらうからだろう。

分析はこのカウンセリング的理解と共感を持ってクライアントの話を聴き、さらに無意識や心の構造に踏み込む。

それらを薬や暗示、催眠などを使わず、会話によって行う。

この会話によって、理解され、癒され、気付き、変容し、成長していく。


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2009年11月10日

分析家の独り言 288 (2009年11月京都子育て相談室より:子ども時代を終わらせる)

昨日9日いつものように京都で子育て相談室を開いた。

遠くは兵庫県や大阪からの参加やお父さんの参加もあり、子どもの不登校、ひきこもり、非行、家庭内暴力、子育ての悩みなどで、一人ずつ現状を話しながら質問され答えていった。

日々子どもと接しオールOKする中での成功や失敗、子どもの変化、悩み、親の気付きなどがあった。

それぞれが抱える問題は違っていても、子どもへの対応法オールOKは同じで、質問や答えが質問した以外の人たちの参考にもなると思う。

いつも私が言うことがある。

「子どもが何を言っているのか、まずよく聴いてください」ということ。

勝手に先回りして心配したり不安になったリしないで、言ってないことまでしようとしたり、聴く側の勝手な思い込みもしないで、正確に言葉を聴き正確に反応すること。

たったこれだけのことが案外お母さん達にはできないことが多い。

心配性のお母さんは、子どもが言ってないこと・やってないことまで先回りして心配する。

そのもとには、母親自身の問題がある。

安心と安全の中で母自身が育ってきて、自己肯定感や自信をもっているか。

それが無ければ、マイナスの思考に流れやすく、その母の言動は日常のなかでも子どもに伝わり、子どももまた心配性であったり、人の話を思い込みで聞くことになるだろう。

また、子どもの要求に応えるのはいいが、言葉で「いいよ」「はい、わかった」と言っても、眉間にしわを寄せて、顔が「ダメ」と表現していたのでは子どもは気持ちよくやってもらったとは思えず、満足度も低い。

言葉ではOK、表情でNO、この相反する二つのメッセージを出されたら子どもは困惑するだろう。

さらに子どもの要求に応えるが、言葉で「めんどくさいな」とか「もっと早くいってよ」などと言われるのも同じである。

どうせ応えるなら、子どもが心地よくやってもらってありがとうと思えるようにして欲しい。

そうでないとせっかく応えたことによる子どもの心を育てる効果が半減する。

それはもったいない。

しかしこういう私も、どうせ子どもに応えるなら、文句も愚痴も嫌な顔もせずに気持ちよくやってやればいいのに、なんで一言要らないことを言ってしまうのかと悩んだときがあった。

そのときには、私はこんなことも親には言わなかったし、言えなかった、してももらえなかった、なのにあんた達(子ども達)はいいよね、言えば応えてもらえてもらえるんだから、と思っていた。

この時点でまだ、私の子ども時代が終わっていなかった。

この私の子ども達を羨望する言葉は、親に対する子どもの視線に立った言葉である。

ところが子どもを育てる私は、子どもに対する親の立場に立たなければいけなかった。

それには親から心理的に分離し、自律することが必要だった。

過去の親への愛と憎しみ、してもらったことと、してもらえなくて心残りなことに対する恨み辛み憎しみを整理し、そこから離れること、解き放たれること。

そうすると、子どもへの羨ましさはいつの間にかなくなり、要求に応えてもらって喜ぶ子どもの顔をみて、これでいいんだと一緒に喜べる私がいた。


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京都 子育て相談室(旧 母親教室)日程のお知らせ(平成21年12月)

日 時 : 12月7日(月) 10:30-12:30

場 所 : ひと・まち交流館京都(JR京都駅から徒歩15分)  

参加費 : 1,000円(1回:2時間 完全予約制 電話等にて連絡してください)

子どもさんの年齢に関係なく、子育てに関しQ&A方式で相談会を開催しています。

日常の些細な事から、不登校、ひきこもり、非行、神経症など様々な悩み、問題に答えます。


子どもを理解し、親の考え方・態度が変わると、子どもは変化します。

諦めないで取り組めば、打開できます。

そうやって頑張っておられる親御さんたちが学んでいます。

興味関心のある方、参加希望の方は下記へご連絡ください。


電話:077-558-8766 または 050-3767-6283

携帯:090-7357-4540

メアド:lacan_msl☆yahoo.co.jp ☆を@に変換したメールアドレスにメール送信願います(スパムメール対策)。


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2009年11月12日

『月刊精神分析』 09年10月号 変容と変遷 発刊のお知らせ

『月刊精神分析』創刊より1年がたち、この1年間の月刊精神分析のバックナンバーの軌跡を振り返って、「変容と変遷」をテーマに語っています。

月刊精神分析2009年10月号変容と変遷 (こちらをご覧ください)

1、はじめに
2、語り手プロフィール
3、サイト作りの変遷
4、精神分析家とは?
5、精神分析家と精神科医と臨床心理士という仕事の違い
6、精神分析を学ぶ上で重要な「無意識」について
7、時々のテーマ
8、その他のジャンル
9、おわりに
10、精神分析家ネットワーク


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月刊精神分析2008年11月号 私と精神分析もご覧ください

月刊精神分析2008年12月号 心の栄養学講

月刊精神分析2009年01月号 運命は名前で決まる

月刊精神分析2009年02月号私と精神分析 2

月刊精神分析2009年03月号随筆 精神分析

月刊精神分析2009年4月号 なぜ分析で病が治るのか

月刊精神分析2009年5月号 精神分析家をえらびますか?

月刊精神分析2009年6月号 女性と仕事・結婚・出産

月刊精神分析2009年7月号 非行と家庭内暴力

月刊精神分析2009年8月号酒井法子覚せい剤所事件と分析理論

月刊精神分析2009年9月号 秋葉原無差別殺人事件

2009年11月13日

分析家の独り言 289 (結婚詐欺にみる心の発達停止)

近頃ニュースでよく耳にする、結婚詐欺事件。

自分の利益のために、人をだましてお金を出させ、自殺であるかのように見せて殺す。

これは精神の発達からいえば、22ヶ月以前の赤ちゃんの段階である

(ちょうどこのテーマは次回11月のインテグレーター養成講座で話す分離・個体化の過程で解説する。)

母がまだ乳房だけの存在である部分対象から母と一緒に遊ぶ、寝る、食べるなどの共生、共感、共有の体験を通して、母を全体対象として認識していくが、対象が全体対象に至らない段階で精神はストップいてしまった状態。

精神が赤ちゃんでも、肉体の成長とともにそれなりの知恵や知識は得るため、その年齢にふさわしいように外目からは見える、人からお金を騙し取ることも出来る。

対象である他者を部分対象としてしみるということは、他者を部分的に利用するということである。

だから、自分欲しいお金を得るために他者を利用出来る。

他者を一人の人間と思えば、痛みも喜びも感じる血の通った自分と同じ生きている人なのだから、相手の気持ちにつけ込んで、結婚するとだましてお金を取り、更に自殺に見せかけて殺すなどということは出来ない。

母親のオッパイを飲んでいるだけの部分対象の段階のまま止まっている。

母親が適切に愛着をもって子どもに接し世話したなら、部分対象から母は全体対象に至る。

生後八ヶ月において、母とそれ以外の人を認識し始め、世話し続けた母が子どもの精神内界に焼き付けられ(内在化され)、対象恒常性に至る。

それには母が自分を見続けた一対一のまなざし、その体験の積み重ねと記憶が必要である。

それを子どもを世話せず誰かに預けたのでは、母親のイメージが子どもの中に定着することも無く、母親との愛着や信頼・絆も形成できず、精神の成長はそれ以上発達する事は無い。

世話せずに成長するものは無い。

植物や動物がそうであるように、人間もまた同様である。

精神が未熟であることほど恐ろしい事は無い。

精神の発達と知能は全く別のものである。

人はやはり、精神の時と肉体の時の二つのときを生きている。

この精神の時がどこで止まっているのかを見、そこからもう一度時を刻み出し、成長・発展していくことを精神分析は目指す。


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月刊精神分析2009年10月号変容と変遷

2009年11月14日

分析家の独り言 290 (非行に悩む親の会「大文字の会」に参加して)

昨夜久しぶりに、京都教育センター内にある親と子の教育センターで月1回「大文字の会」という、非行の子どもに悩む親の会に参加してきた。

この会を主催されているのは、教職を退職された年配の男性。

私は9~10年前から参加し、これまで様々な非行に悩むお母さん方(お父さんも)の話をきかせてもらった。

自分の勉強として参加してきて、学ばせてもらったことも多かった。

ここで出会った人の一人が、『非行・家庭内暴力に悩む方々へ』のサイトで紹介した緒方さん(仮名)である。

昨夜の話の中で、地域性の影響を親が受けることがあるという。

その地域、近所の人からの評価・視線を気にいて必要以上に子どもに口やかましく言ってきたことがある。

古い町並みに古くから住む周りの人達の中で暮らすことの良い面と悪い面があり、悪い面が強調されてしまう。

例えば「近所の人にはきちんと挨拶しなさい」とか、「そんな格好で近所を歩くのやめて」など。

子どもの評価が即親である自分の評価となり、人から良い人と思われたい、「なんだあの親は」と非難されたくないなどがあり、結果子どもを追い詰めていった。

あるときからそれをやめて、子ども中心に考えるようになったら自分も楽になったと言う。

また、学校へ行けば勉強や校則をやかましく言われ、これでは子どもも大変だと思ったと。

そう、子どもも大変なストレスを抱えながら学校や地域、家庭で日々を過ごしている。

せめて家庭は家族がのんびりとリラックスできる団らんの場であって欲しい。

しかしその家族が、親がピリピリした雰囲気で、家族間の摩擦があったり、例えば母親(父親)が未成熟であったなら、その影響は子どもに降りかかる。

他人が気になるということは、主体は自分ではなく他者にあるということ。

私は私という視点がない。

吹けば飛ぶような薄っぺらな親が、子どもにああだこうだと言いまくる。

弱い犬ほど吠えたがる。

それは弱い自分を守るためかもしれない。

外からの刺激を時には受け止めたり、跳ね返したり、排除したり、時と場合によって対処することがおきる。

親は子どもの傘となり、降りかかる火の粉から守ってやらなければならないことがあるが、その親が子どもにとって火の粉となってはいないか。

世間体を気にして、常識を振り回して。

そんなことを思う昨夜の大文字の会だった。


「大文字の会」は毎月第二金曜日、夜6時半~9時まで
場所は、京都市左京区聖護院川原町4-13 京都教育文化センター内 1F 親と子の教育センター
電話 :075-771-1150(担当:勝見先生)
参加費:500円
来月は12月11日(金)の予定

興味・関心のある方は上記へ電話連絡するか、ラカン精神科学研究所へ連絡ください。

ラカン精神科学研究所 
電話:077-558-8766 または 050-3767-6283
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2009年11月16日

分析家の独り言 291 (子どもに適切な関心を向ける)

子どもの心を育てるために「まなざし」と「声」と「スキンシップ」が必要である。

親が子どもに適切な関心を向けるということ。

この子は何をしたのだろう、何か悪いことをしていないか、などの監視の目ではなく、あたたかく見守るというまなざし。

「ああしなさい」「こうしなさい」「あれをしちゃだめ」と命令指示したり、感情的に子どもを怒るのではなく、「あなたはどう思う?」と子どもの意向を聞くことや、「どうしたの?」と子どもを思う気持ちで声をかけ、子どもを理解しようとすること。

そして、抱っこをはじめ、手をつなぐ、頭を撫でる、体をさするなどのスキンシップ。

自分が育ってきた過程を振り返って、残念ながえらどれも得られなかった。

監視の目は向けられていた。

いつどこへ誰と何の用事で出かけるかと聞かれ、答えなければならなかった。

これは警察の調書と同じ。

これをされると嘘をつくのが上手くなっていった。

都合の悪いこと=親に怒られそうなことはうまくごまかすようになるからだ。

またこの監視の目が強いと、誰かにいつも見られている、見張られているような感じがすることがある。

とにかく「ああしない」「こうしなければだめ」と命令指示が多く、自由がない、窮屈。

親の意向にそった行動をするしかなく、自分で物事の善し悪しを判断できなくなっていく。

あるクライアントは、「あなたはどう思う?と聞かれたことがない」という。

はじめから自分がとる行動は決められいるようなもので、親の考えが何より正しく、それを聞かなければならないようになっている。

更に母親は生後7週間で仕事に復帰したため、祖母に育てられ、赤っちゃんの頃から抱っこされる機会は少なかった。

祖母が生きている頃、「あんたを連れてお母ちゃんの仕事場へ昼休みにオッパイをもらいに行った」とよく聞かされた。

小学校高学年か中学の頃だろうか、母に手をつなぎに行って「いい歳して、いやらしい」と言われたことがあった。

娘は二十歳を越えても、私が椅子に座っていると、何気なく膝の上に座ってくることがある。

ああ、これでいいんよねと思う。

「母と手をつないだことが無い」「母と買いものに行った記憶が無い」という人もいる。

母親である私たちが何かしら欠けている、適切な関心を向けられていない。

その自分が子どもを育てるのだから、さらに欠損は大きくなり、適切な関心を向けることはできない。

あらためて娘達には申し訳ないことをしたと思う。

遅ればせながら埋め合わせられてことと、まだ足りない部分があるだろう。

娘に声をかけ聞くことが、自分が親からされて嫌だった警察の調書のようになってはいけないと思うあまり、もしかすると聞いて欲しいと娘が思っていることまでスルーしてしまっているかもしれないと思うことがある。

そうかと思うと「お母さんは突っ込んで聞いてくれるから話せる」と言われることもある。

適切な関心というのは確かに難しい。

母親がその母親から適切な関心を向けられて育ったなら、当たり前のこととしてまた子どもにできるのだが。

親は子どもと接する(子育ての)なかで、子どもの反応を見ながら、学習することができる。

分析を通して理論を知って、子どもに適切な関心を向けられる母親になってもらう。


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2009年11月20日

京都分析理論講座日程のお知らせ(平成21年12月)

平成21年12月は下記の日程で分析理論講座をひらきます。

日時 : 12月10日(木) 10:00-12:00
場所 : ひと・まち交流館京都(JR京都駅より徒歩15分)
費用 : 3,000円 (テキスト別途 1冊1,000円)
 
講座内容 : 『心の発達』 -口唇期の心の発達- リピドーとは

「フロイトは乳児の快感が口唇に集中しているその本能行動ともいえるしがみつきと、ボールヴィーのいう愛着を、一つの心的エネルギーとして規定して、リピドーと名付けた・・・」(テキストから一部抜粋)

テキスト途中から、一人でも参加いただけます。

独自のテキストをもとに症例などを入れながら、精神分析の理論をわかりやすく解説します。

子育てする上で、また人間を理解するために役立つ理論です。

子育て中の方、結婚前の方、男女を問わず知っておいて欲しいことがたくさんあります。

興味・関心のある方、参加希望の方は下記へご連絡ください。

電話:077-558-8766 または 050-3767-6283

携帯:090-7357-4540

メアド:lacan_msl☆yahoo.co.jp ☆を@に変換したメールアドレスにメール送信願います(スパムメール対策)。


子育て(日常の接し方・不登校・ひきこもり・非行など)の悩み、疑問等ご相談ください。

交通費負担で、出張セラピー・各理論講座・子育て相談室(子育てに関するQ&A)をしています。

開催場所:ラカン精神科学研究所(駐車場あり、滋賀県大津市唐崎、JR京都駅から約20分)。

依頼があればクライアントの御自宅や最寄の駅周辺の施設(ホテルのロビー、ファミレス)等へ出張が可能です(交通費別途)。


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分析家の独り言 292 (無意識に気付く:価値を切り下げられていた私)

私はバーゲンが大好きだということに気付いたことがあった。

もっと正確に言うと、もともと高価なもの(価値のあるもの、値段が高いもの)がプライスダウンされているものにひかれる。

例えばコートなど、もとの値段は何万もしていたものが、5割引、7割引になっていて、それが自分の気に入るデザインで手に入れたときに無上の喜びを感じていた。

そしてあるときふと思った、そのものこそ私だと。

私は私を、もともとは価値があったが、それを値引きされ、安く見積もられているという自己規定だった。

値引きされたその物こそ私だから、私に出会うために買い物に行ったようなもの。

そこには、今は低い価値を付けられているが、本当の私はもっと価値があったんだぞという想いがあった。

育ってくる過程で親に「ダメだ」「出来ない」と価値を切り下げられたために、いや私は本当はすごいんだ、えらいんだと言いたかったということ。

本来は、自分が欲しいもの、必要なものを探し、その物の値段が納得いくものなら人は買う。

ところが、私はまず値段の下がっているものを探していた。

それも無意識のうちに。

意識上は少しでも安いものを探して、家計の負担を少なくしようにと思っていたが、よくよく考えれば違っていた。


また以前天海有輝のセラピー日記分析家の独り言167(こんにゃくだったクライアント
で書いたクライアントも同じだ。


切れ端のこんにゃくをビニール袋に入れて、ビニールテープで止め、「はい、100円です」と、こんにゃくを受け取るときモワモワっとした何とも言えない幸せな気持ちになったという。

普通なら捨てられてしまう商品価値のないこんにゃくに、(100円のこんにゃくとして)価値を与える人になりたかったというクライアント。


あるクライアントは、駅などに張られているポスターの端が少しめくれていると気になって、一駅一駅降りてはそのポスターが折れて見えない部分を直して見る。

この人にとって、このポスターの端が折れて見えないとことこそ自分自身なのだ。

そこに何が描かれいているのか、どんな色なのか見ずにはいられない。

そのために、一々電車を降りていたのでは、社会生活に支障がでる。


よくテレビなどで見る、ごみ屋敷というのも同じである。

ごみ屋敷の家主は、捨てられているごみが自分自身であるから放っておけず拾ってくる。

これらそれらその人の無意識による行動である。

それが、一般的には癖・傾向といわれる程度のものから、社会不適応に至るまである。

無意識に気付けば、自分で修正することができる。

私の場合でいえば、安く値踏みされ自己規定を書き換えて、自分の価値に対する自己イメージを一致させること。

それを分析を通してやってきた。

すると当然行動が変わる。

気付いて、受け入れれば一瞬のことである。

こんにゃくを買わずにはいられなかったクライアントは、不思議なくらいこんにゃくに気を止めることがなくなった。


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2009年11月22日

滋賀インテグレーター養成講座開講日程のお知らせ(平成21年12月)

毎月一回インテグレーター養成講座を開いています。

12月は下記のようです。

日   時 : 12月5日(土) 11:00~14:00 (第二回)

場   所 : ラカン精神科学研究所(滋賀県大津市 JR湖西線{唐崎駅」下車徒歩5分)

受講費用 : 一受講につき一万円
        初めての方はプラス テキスト代一冊5千円 (全三冊)


第二回目 自我論Ⅲ《 超自我の発達 》 目次
        
   欲動と本能 
    快自我と現実自我、欲動、有機的欲動(死の本能と生の本能)
              
   対象関係でみる本能と情緒 
    総合システム、本能、情緒、まとめ
             
   自我とエスと超自我 
    自我とエス、 超自我、超自我と良心、罪意識、三審級の関係

   対象関係による超自我の発達
    第四段階(自己表象と対象表象の統合)
    第五段階(超じがの固定化と自我統合)    


興味・関心のある方、参加希望の方おられましたら連絡ください。

試しに一度受けてみたいという方や、この項目を聞いて見たいという方、受け付けます。

その場合は、受講費用 一万円、テキスト代(一回分) 二百円 です。  

077-558-8766(電話ファックス兼用)
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2009年11月23日

滋賀インテグレーター養成講座2010年1月(母性とは)参加募集

11月は『自我論のⅡ 幼児の自我と対象関係』について解説した。

内的対象関係は特に大事な理論である。

受講者のなかには孫がいる人もいて、自分の子育てを振り返って、「ただただ子どもに申し訳ない」と言う。

私も同じだが、精神分析でいう発達論などからかけ離れた育て方をしてしまったと反省しきりである。

次回12月5日は『自我論Ⅲ 超自我の発達』

年を明けて2010(平成22)年1月は「自我論Ⅳ 母性とは』、日程は未定。(12月の講座後決定)

「母性とは」 目次
  母子分離
   分離による心の傷、心の負担、分離期間の影響、母性喪失、
  母性と育児 
   母性剥奪、育児行為、
  虐待する母 
   虐待とは、虐待に至る母子関係に要因、虐待を生み出す家庭背景
   虐待児の症状、虐待児の人格構造の特徴、家庭内暴力 
  母性とは
   成長、母性、母親が母親らしさを育てていける条件、
   母不良タイプ、母子関係の発達、
  総論

お母さん方には是非聞いてもらいたい講座内容である。

オールOKについても、これらの理論を通してあらゆる方向から理論的に説明できる。

この単元を単独で聴かれても子育てに役立つ理論である。

興味・関心のある方は、この講座だけの受講も受付ている。

受講費は 一万円(3時間+質疑応答30分)、テキスト代(一回分) 二百円 。

受講希望者は、下記へ連絡ください。  

077-558-8766(電話ファックス兼用)
または 050-3767-6283(OCNドットフォン)
090-7357-4540(携帯電話)
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2009年11月24日

分析家の独り言 293 (非行、無意識に気付く)

子育て相談室などで必ず、「子どもの言っていることをしっかり聴いてください」

「子どもに言われたことだけしてください」と言う。

これがなかなか理解されない。

私もそうだったが、本当に実践できるようになるには何年もかかる。

まずしっかり聴くことが難しい。

その上に、言われたことだけではなく、余計なことまでしてしまう。

子どもが荒れていわゆる非行仲間の友達を家に連れてくる。

こういう話はよくあることだが、家がそういう子たちの溜まり場になる。

あるクライアントはこの子どもにオールOKをする。

子どもが友達を連れてくるために、自分の子どもだけご飯を食べさせるわけにもいかず、食べてない子にはご飯も出す。

今度は、子どもが友達とコンサートに行きたいと言う。

友達はお金がないので友達の分もチケットを買って欲しいと言った。

言われる通りチケットを買った。

ここまでは良かった。

コンサートにいく交通費や、途中でジュースくらいは飲みたいだろうと、そのお金まで聞かずに出した。

これが余計なことであり、「言われたことだけする」から外れている。

そのお母さんいわく、どうせお金がないだろうから万引きをするだろう。

それで警察に捕まったら、この不況の中、子どもが就職しようとしたときのマイナスになるのではないかと心配だと言う。

必ず万引きするとは限らないし、もし万引きで捕まっても、それは子どもがそこでして良いことと悪いことの学習をすることである。

いずれにしても心配するがあまり余計なことまでして、結局自分の首を絞めている。

これを続けたら、破産するまでするしかなく、家はますます溜まり場となる。

行動の結果からみると、子どもが友達を家に連れてくるので困ると言いながら、本当はお母さんが連れてきて欲しいのではないか。

ここが無意識である。

言葉はいくらでも反対のことや嘘を言えるが、行動は嘘をつけない。

だから、例えば「行きたい行きたい」と言っても、何かの理由をつけて行かなかったのは、本当は行きたくなかったのではないかとなる。

そのために病気や事故にまであう人がいる。

「変わりたい」と言いながら、変わろうとしないなのは、変わりたくないのであり、変わらないことに何かメリットがあるからである。

人は無意識に気付かず、行動している。

無意識に気付けば人は変わる。


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2009年11月26日

金谷氏今月のメッセージ (平成21年11月)

以下は分析家仲間の真理攫取(金谷)氏のHPにある今月のメッセージを私のブログで紹介しているものです。

テーマ「天皇陛下」

 今上天皇陛下が即位されて20年になられる。
日本独特の刀世一系125代まで続いている国はほかにはない。
今上天皇は先の戦争に敗け、日本国憲法において国民の総意に基づいて日本国及び日本国民統合の象徴と規定されてから初めて象徴天皇を貫かれた。
常に国民と共に国民の目線で語られてこられた。
 125代の中には悲劇の天皇もおられ、天皇が北と南に別れる南北朝時代等、ご苦労の時代もありましたが、その事により国が変ったり他国に乗っ取られると言う様な事は無かった。
他国では政権を奪い合い革命を起こして軍部が支配したり、他民族が支配したりして国の情勢が混沌とし、国民が苦しめられたりするが、日本では一切そういう事もない。
 昭和天皇が崩御され、今上天皇が即位された時も静かに何事もなく立派に平成に移行した。
我々の時代には、天皇陛下がどういう人かと言う事を、学校や老人・知識人からよく聞かされた。天皇陛下になるには三種の神器が備わっていないとなれない。道具で言えば「鏡」・「玉」・「剣」の三つであるが、これは物を持ってればと言う事ではなく、この物が象徴とする心が備わっていないとだめだと言う事である。
それは、「鏡」=智  「玉」=仁  「剣」=勇  である。
智は、この知では無い。大自然の法則をも理解できる智。
仁は、世界平和が樹立出来る大慈悲心。
勇は、勇気であるが悪なるものを一刀のもとに切倒す勇気の持ち主でないと天皇にはなれない。
これは、日本国民全ての人々にも備わっていなければならない。
これを「大和の精神」と言う。
 しかし、先の戦争でこの精神は戦争を引き起こす悪しき心だと、とんでもない方向に追いやられてしまい、以後、子孫に伝える事を学校教育も親達も止めてしまった。
我が国には、こんな立派な伝統精神が存在するのに誰も知ろうとしないし、学ぼうともしない。
それ故に経済大国にはなったが、精神大国ではない。
今の世の中は、敬わなければいけない老人を騙し振り込め詐欺をしたり、簡単に人を殺し金品を奪い、又、自分の産んだ子供を虐待し命を奪ってしまう。
思いやりや労りの心など何処にあるのか?
 皇室はいつも国民の手本になられている。陛下のお言葉の中にその心が良く現れている。
即位20年記念行事式典での陛下のお言葉に、先の戦争で失われた人々の命や外国人の人達の命も、多く失われた事にまで心配りをされ、戦後の日本の復興は戦後を支えた人々の、計り知れぬ苦労より成し遂げられたものと国民を称えられた。
陛下は外国にも目を向けられベルリンの壁の崩壊、ソ連邦の解体により新しい世界になると思いきや今だ、各地域で紛争が絶えない事に心を痛めておられる。
そして今日、我が国民に対し数々の困難に直面しているが、人々が互いに絆を大切にし英知を結集し、相携えて努力する事により忍耐強く困難を克服していけるように願われておられる。
 この広い暖かいお心を国民は学ばなければならない。そして一番嬉しかったのは、大好きなEXILEが両陛下の前でダンスパフォーマを披露し、秋元康さん作詞の奉祝曲をATUSIさんとTAKAHIROさんがみごとに歌い上げてくれた事に感動した。
世代間を越えての祭典、心打たれ何か明るい未来を感じた。
ATUSIさんは10日も前から身を清め早寝早起きを心がけ、当日に備えた心意気に感銘し一段とまた、ファンになりました。

                 インテグレーター 真理攫取

金谷精神療法研究所


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2009年11月28日

月刊精神分析 09年11月号 分析を受ける 発刊のお知らせ

『月刊精神分析』11月号は、編集部Aさんが身体症状を呈し精神分析を受けました。

その内容を自ら紹介しています。

精神分析というものの一端が垣間見えるかと思います。

月刊精神分析2009年11月号分析を受ける (こちらをご覧ください)

       目次
1、はじめに
2、登場人物プロフィール
3、精神分析とは
4、精神分析の実際
5、心的症状、身体症状
6、家庭環境(祖母の支配)
7、養育史(母不在)
8、病歴、事故歴、いじめ暦
9、名前の意味(家系)
10、診断:ヒステリー転換症
11、貴方は赤ちゃんだ
12、貴方の家系には男がいない
13、おわりに
14、精神分析家ネットワーク


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月刊精神分析2008年11月号 私と精神分析もご覧ください

月刊精神分析2008年12月号 心の栄養学講

月刊精神分析2009年01月号 運命は名前で決まる

月刊精神分析2009年02月号私と精神分析 2

月刊精神分析2009年03月号随筆 精神分析

月刊精神分析2009年4月号 なぜ分析で病が治るのか

月刊精神分析2009年5月号 精神分析家をえらびますか?

月刊精神分析2009年6月号 女性と仕事・結婚・出産

月刊精神分析2009年7月号 非行と家庭内暴力

月刊精神分析2009年8月号酒井法子覚せい剤所事件と分析理論

月刊精神分析2009年9月号 秋葉原無差別殺人事件

月刊精神分析2009年10月号変容と変遷

 月刊精神分析2009年11月号分析を受ける

2009年11月29日

分析家の独り言 294 (変容、母をあきらめる)

クライアントは分析を受け、自分でも気付いていく。

分析を受ける時間だけが分析ではなく、分析と分析の間、常に頭が思考が巡る。

自分で気付いたことを分析場面で報告し、それについてまた話しあったりもする。

「よく気付いたな」と感心することも多い。

分析の時間に気付くことと、日常生活の何気ない瞬間に突然「そうだ」とひらめいたり、子どもや人間関係を通してわかることもある。

私の場合、逆転移して円形脱毛ができたり体が動かなくなったことがあった。

自分でクライアントの何に刺激されたのがわかるときと、わからないときがある。

当然逆転移したときには自分で一生懸命それを探す。

それが私のまだ解消されないコンプレックスだからである。

わからないときは分析を受け、無意識を意識化する。

「あなたはまだ、母に甘えたいと思っている。それを今も望んでいる」と分析者に言われた。

それでもピンとこない、しっくり自分の中におさまらない。

分析を受けて親に甘えられるようになったクライアントを良かったなと思う一方で、自分はそんなこともできなったという思いが、分析中に一瞬だがよぎったことを覚えていた。

甘えらえなかった自分はこれまで散々語り、そんなことはもうわかっていることと思っていた。

しかし、そのとき甘えているクライアントを羨ましいと思った自分がいた。

それを自転車に乗って買い物に回っているときに思いついた。

そうか、甘えているクライアントを羨ましいと思ったということは、それを望んでいる自分がいるということ。

フロイトは「子ども時代はもうない」と言った。

私はまだ子どものまま、あの母が私を甘えさせてくれることを待っていると分析されたのか、それは当たってる、確かにそうだと自分の中にストンと落ちた。

子ども時代を象徴する言葉は、『競争と羨望』である。

羨ましいとは羨望だから、私は子ども時代が終わらずにいるということだ。

それならば「大人とは何か?」を考えた。

大人とは、自分に欠けている母に甘えることを他の事・人に置き換えて今の大人の自分として満たすことであるとわかった。

これが母から分離し母をあきらめることでもある。

「よしこれでいい」、すっきりした。

分析を受けて15年、こんなことを繰り返し自分を見つめ、子どもの自分を成長させてきた。

と同時に、母というものが我々に与える影響力の大きさを今更ながら思い知らされる。

分析の初期クライアントは言う、「もう母のことはいいんです」と。

本当にもういいで済むことではない。

分析によって整理をつけ、本当の意味で「母をもういい」と言えたときの開放感、充実感を味わえばわかる。

この母をあきらめることを=母殺しという。

この苦労しがいのある苦労はして来てよかったと思う。


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 月刊精神分析2009年11月号分析を受ける


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