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2010年1月 アーカイブ

2010年1月 1日

分析家の独り言 307 (2010年を迎えて:分析理論を学ぶ)

2010年、明けましておめでとうございます。

滋賀県大津市唐崎辺りは、薄っすらと雪景色の元旦の朝でした。

ブログ(セラピー日記)を書き始めて2年半余り、300を超える独り言を書き綴って来ました。

今年もまた、ブツブツと分析家の独り言を書いていきますのでお付き合いください。


インテグレーター養成講座のために、テキストや本を読み直す。

私が埼玉県の惟能氏の所で養成講座を受けたころを思い出す。

あの当時、自己愛論が全くわからなかった。

質問したいが、どこをどのように質問していいかさえわからなかった。

それは自分に健康な自己愛がなったからだと一人納得した。

その後分析を通して自己愛を育てていった。

講座を聞く側から話す側になり、私も養成講座で何度か話してきたが読むたびに違った角度からまた考えさせられる。

あのクライアントの語りは、この理論通りだと思うこともよくある。

我が師惟能氏も言う、「7回も講座をやっていれば覚えてしまうが、それでもまだ新しい発見がある」と。

先生でもそうなのかと思う。

やはり、理論はしっかり自分のものにしておかないといけないとあらためて思う。

同じ本でも、時間を空けて久しぶりに読むと前とは違った気付きや解釈が出来る。

自分の関心のないところ、コンプレックスにひっかかるところは文字を追っていてもスルーしてしまい、心はそこに留まらない。

本当に人の心・精神とは不思議なものである。

以前は全くわからなかったり、曖昧だったことが理解できてくると、これほど嬉しいことはない。

まだまだ理解し極めていくことが沢山あり、楽しみである。


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2010年1月 3日

『月刊精神分析』 2010年1月号 心的遺伝子論 精神分析的産み分け法 発刊のお知らせ

『月刊精神分析2010年1月号』は、2003年12月発刊された、著:道越羅漢(みちおらかん:発刊当時の大沢先生の精神分析家名、現在は惟能創理氏)氏の本「心的遺伝子論 精神分析的産み分け法」を紹介しています。

惟能氏は本の冒頭で「男と女の生み分け方とは、決してHOW TOものではなく、この書を通して人間の精神とは? その精神(こころ)と体の相関関係について何らかの考えをめぐらし、そこに生命とは何かの答えを自分なりに見つけ出すことの一助になればと思い、執筆したものである」と述べている。

数々の臨床経験を重ね、理論を知り再構築していった結果、精神面から男女が産み分ける事ができるとの結論に至ったのは画期的な事と思います。

『月刊精神分析 2010年1月号』 目次

1、はじめに、
2、プロフィール
3、本の「はじめに」
4、第一章 妊娠の意味
5、第二章 生み分けられている
6、第三章 心-女(アニマ)
7、第四章 心-男(アニムス)
8、第五章 心と身体
9、第六章 症例・「私はこうして生み分けた」
10、おわりに & 購入方法
11、Webマガジン月刊精神分析&分析家ネットワーク

『心的遺伝子論 精神分析的産み分け法』の本は一般書店には並んでいませんので、興味関心のある方、購入希望の方は『月刊精神分析 2010年1月号』 目次の 「10、おわりに & 購入方法 」に詳しく掲載してありますのでご覧下さい。

月刊精神分析 2010年1月号 心的遺伝子論 精神分析的産み分け法はこちらをご覧下さい。

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過去の月刊精神分析をご覧下さい

月刊精神分析2008年11月号 私と精神分析もご覧ください

月刊精神分析2008年12月号 心の栄養学講

月刊精神分析2009年01月号 運命は名前で決まる

月刊精神分析2009年02月号私と精神分析 2

月刊精神分析2009年03月号随筆 精神分析

月刊精神分析2009年4月号 なぜ分析で病が治るのか

月刊精神分析2009年5月号 精神分析家をえらびますか?

月刊精神分析2009年6月号 女性と仕事・結婚・出産

月刊精神分析2009年7月号 非行と家庭内暴力

月刊精神分析2009年8月号酒井法子覚せい剤所事件と分析理論

月刊精神分析2009年9月号 秋葉原無差別殺人事件

月刊精神分析2009年10月号変容と変遷

月刊精神分析2009年11月号分析を受ける 

月刊精神分析2009年12月号私と精神分析 3

2010年1月10日

分析家の独り言 308 (精神分析に取り組む)

ラカン精神科学研究所のホームページに、Googleカレンダーを載せるようになってから、予定を見て分析や講座、子育て相談室への問い合わせや申し込みが増えた。


今の状況をなんとかしたいとクライアント達は救いを求めて分析の戸を叩く。

自分独りでは何とも出来そうにないと、意を決して。

しかし、我々インテグレーター(分析家)は救世主ではない。

自分の得た分析理論と分析能力を活かし、クライアントの問題に共に取り組む援助者である。

理論という地図をもとに、暗闇の世界(無意識)を共に旅する。

闇雲に突っ込んで、ブラックホールにでも入ってしまったら大変である、そういう危険な世界でもある。

安全に効率よく進むために理論を駆使する。

精神の世界は宇宙のそれに似ている。

ホームページやブログを読んでいる人たちがいることを頭に入れながら、また今年もいろいろなサイトやブログを書く。

生きにくさや今の自分を変えたいがどうしていいかわからない人達に、精神分析という道もあると知ってもらいたい。

15年前36歳の私は悩み、道を捜していた。

長い道程を経て、私は今幸せだと言える。

そして更に理想を掲げ、上を目指す。


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2010年1月12日

今週のメッセージ(平成21年11月12月分)

オールOK!子育て法に掲載した、「今週のメッセージ」9月、10月の過去ログです。

子どもに合わせる(平成21年12月30日)

親は子どもに合わせ、子どもの要求に応える。
ところが子どもが親の顔色を見、親にあわさせられる。
子どもが親にくっつきたいときには「忙しいから」と排除しておいて、親は自分の都合の良いときに都合のいいように可愛がる。
それで「私はこの子を可愛がって育てました」と言う。
自分の言動に何の疑問も矛盾にも気付かない。
これでは子どもは自分が大事にされた、可愛がられたとは思えない。
後に様々な問題が起こるだろう。

(平成21年12月22日)

母親というものの大きさをあらためて思う。
生理的早産でこの世に生み出された赤ちゃんは、母による手厚い世話と愛情によって育つ。
未熟で自分では何もできない我々の人生の初めに、母という救い主がいる。
だからこそ、赤ちゃんの生命をも左右する母という存在は大きな意味と価値を持つ。
この母が子どもに関心がなく、自分のことで精一杯であったなら子どもの心は育たない。
母親がその母親との愛と憎しみの葛藤を抱えていたのでは、適切な世話はできない。
オールOKをしつつ、この母の愛と憎しみの葛藤(コンプレックス)を解消していくことである。

子どもの気持ちは(平成21年12月13日)

土曜日の朝、駅に向かう途中出くわした光景である。
保育士の押す乳母車に2~3人の幼児が乗っている。
その中の一人は保育士に抱っこされて泣いていた。
その保育士は、「抱いても泣くんなら車に乗って。はい、残念でした」と言って、その子を乳母車に乗せた。
確かに子どもを抱きながら、幼児が乗った乳母車を押すのは大変だったのだろう。
しかし、この子の気持ちはどうなるのか。
母親の都合(仕事)で、保育園に預けられ、寂しかったのか、何か言いたいことがあったのだろう、泣いて何かを訴えいている。
この子のお母さんはどうしているのだろう、不況の中子どもを置いて働かなければならないのだろうか・・・いろんな想いが頭をよぎる。
いつまでもその子の泣き声が聞こえ、胸が痛かった。

自分を持つ(平成21年11月18日)

生きていくとは、選択の連続である。
するかしないか、こっちの道をとるかあっちの方向に進むか、それも二者択一とは限らない。
自分というものを持っていなければ、迷うばかりで、決められない。
そうすると人に合わせ、流されている方が楽になる。
しかしまた人に振り回され、これはこれで疲れてしまう。
自分というものをいかに形成し、堅牢でありながら柔軟であるという、この相矛盾したものを自分の中で矛盾なく統合することである。

言葉(平成21年11月09日)

『オールOK子育て法』を世間で話すと、「そんなに子どもをわがままにしていいんですか」と言われる。
そのようにほとんど分析でいう常識は世間の非常識となり、世間の常識は分析でいう非常識となる。
世間(親)の常識で生きることが正しいと教えられる。
子どもはそれが本当に正しいのか検証することもできず、そういうものかと思うしかない。
また親からくり返し言われた言葉は、しっかり子どもの心に刻まれ、刻印される。
その言葉に従って生きることになる。
子どもに話すときは、心して話すこと。
その言葉がその子を一生左右するかもしれない。


宣照真理(天海有輝)

過去の今週のメッセージは、宣照真理のセラピー日記天海有輝のセラピー日記 分析家の独り言に掲載しています。

2010年1月15日

分析家の独り言 309 (1月京都理論講座より)

1月14日(木)、分析理論講座を開いた。

ひきこもり関係の参加者であったためその方向から症例を入れながら、分離個体化の過程の後半を解説した。

『分離』は、母から個体として肉体的・精神的に分化し、母と一定の距離をもち、母から自分を切り離してそれでも自分を維持できる自我境界を形成する過程。

『個体化』は、精神内界の自律性、知覚・認知・現実検討などの諸機能の発達過程。

自分の感覚、自分の見たもの(知覚)によって反応すること、それを自我の自律という。

これが成人であってもあやしい。

子どもが怪我をして「痛い」と訴える、体の調子が悪く「しんどい」と言う、友達ともめて「つらい、苦しい」と言う。

親は「大したことない」、「痛くない」、「大丈夫」、「それがどうした」...などと真剣に取り合わないことがある。

これでは、子どもは自分の感覚を自分のものとして肯定して感じられなくなる。

「痛い」と訴えて、「痛いね、大丈夫?」と気遣われ心配されるから、自分の痛みを感じた身体的感覚と、痛いと感じた自分が一致する。

体が「しんどい、きつい」と訴えて、「大したことない」「寝ていれば治る」と言われれば、自分の身体的苦痛がどれほどのもので、その感覚が正しいのかどうかわからなくなるだろう。

正しく親(母親)が反応しなければ、子どもの心は育たないことになる。

「痛い」、「苦しい」と子どもが言って、それに適切に反応すると、親は病院に連れて行ったり、世話をしなければならず、その手間がかかることを避けていないか。

言葉で「痛くない」、「それくらい大したことはない」と言えば、それで終われる。

参加されたお母さんは、「私もそうでした」と言われた。

適切に世話されていない私たちが親となって子どもを育てるとき、こうしてまた適切に子どもを世話し対応できない。

それを「子どもにオールOKし、言われた通り要求に応えましょう」と言って抵抗なく出来ることは奇跡に近い。

それでも、オールOKの話を聴き、それに取り組む人達がいる。

ある人は、「ひきこもりはエディプス・コンプレックス(父親との関係)が大きく関わっているかと思っていたが、それ以前の母親との問題があったんですね」と言われた。

父以前に、子どもにとって最初の対象である母でつまずいている。

ひきこもりの人達の高年齢化が進み、30歳代、40歳代、50歳代となってきている。

年齢を重ねるほど、ひきこもりから脱出することが難しくなる。

ひきこもり当事者と親に体力・精神力・経済力などがあるうちに取り組まれることを願う。

もっと言えば、ひきこもりや非行などの問題がおこらない子育てを知って実践することをおすすめしたい。

興味・関心のある方は各サイトをご覧ください。


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オールOK!子育て法 のページ

不登校・ひきこもりに悩む方々へ のページ

非行・家庭内暴力に悩む方々へ のページ

京都分析理論講座日程のお知らせ(平成22年2月)

平成22年2月は下記の日程で分析理論講座をひらきます。

日時 : 2月4日(木) 10:00-12:00
場所 : ひと・まち交流館京都(JR京都駅より徒歩15分)
費用 : 3,000円 (テキスト別途 1冊1,000円)
 
講座内容 : 『心の発達』 -口唇期の心の発達- リピドーとは

「フロイトは乳児の快感が口唇に集中しているその本能行動ともいえるしがみつきと、ボールヴィーのいう愛着を、一つの心的エネルギーとして規定して、リピドーと名付けた・・・」(テキストから一部抜粋)

テキスト途中から、一人でも参加いただけます。

独自のテキストをもとに症例などを入れながら、精神分析の理論をわかりやすく解説します。

子育てする上で、また人間を理解するために役立つ理論です。

子育て中の方、結婚前の方、男女を問わず知っておいて欲しいことがたくさんあります。

興味・関心のある方、参加希望の方は下記へご連絡ください。

電話: 077-558-8766 または 050-3767-6283

携帯: 090-7357-4540

メアド:lacan.msl☆gmail.com ☆を@に変換したメールアドレスにメール送信願います(スパムメール対策)。


子育て(日常の接し方・不登校・ひきこもり・非行など)の悩み、疑問等ご相談ください。

交通費負担で、出張セラピー・各理論講座・子育て相談室(子育てに関するQ&A)をしています。

開催場所:ラカン精神科学研究所(駐車場あり、滋賀県大津市唐崎、JR京都駅から約20分)。

依頼があればクライアントの御自宅や最寄の駅周辺の施設(ホテルのロビー、ファミレス)等へ出張が可能です(交通費別途)。


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2010年1月16日

新サイト『子育て相談ネットワーク』

より広く子育てに悩む親御さんたちの声きき、子育ての参考にしてもらえればと思い,
『子育てネットワーク』のサイトをつくりました。

ネットワークを組み仙台、東京、神奈川、京都、滋賀、和歌山、福岡で「子育て相談」を開いています。

子どもを産むことは出来ても育てることは難しく、手探りで子育てをし、悩みや迷い、疑問を持たれていることがあるのではないかと思います。

母親が子どもに及ばす影響や、母親の対応が全て子どもに反映されるという事を説明し、どうすれば安心して良い子育てが出来るかを優しくアドバイスします。

不登校、ひきこもり、ニート、非行、家庭内暴力、神経症など、お困りの方はご相談ください。

各地での「子育て相談」の予定表を載せていますので、ご覧ください。

問い合わせ・参加希望等は、お近くの『子育て相談ネットワーク』メンバーに電話・メールにて連絡ください。


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2010年1月17日

分析家の独り言 310 (1月京都分析理論講座参加者のメールより)

1月14日(木)の分析理論講座に参加された方から下記のようなメールをいただいたので紹介する。

ひきこもりの子どもを持つ親御さんからの相談を受けられている方からのメールである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本日の理論講座はとても勉強になりました。

理論講座という名称ですが、実体験や実践をとおしてのお話でしたので、こちらも思い当たる引きこもりの実例が多くありました。

私が精神科医や精神分析に懐疑的だったのは、何でも病気と結びつけてしまう彼らの方法に疑問を持っていたからです。

「うつ病」か「統合失調症」でかたずけられると、逆に親は安心して投薬と治療で解決すると思ってしまうようです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

メールにあるように、うつ病や統合失調症という病名をつけられると、親は安心することがある。

非行の子どもたちもまた、多動性、アスペルガー、統合失調症といわれることがある。

その診断名を告げらると、だから小さい頃から育てにくかったのだと親は納得してしまう。

厳しい言い方になるが、親は自分の育て方が悪かったとか間違っていたと思いたくない。

どこかで自分が悪かったのかもしれないと思いつつも、病気・障害のせいにすれば自分を正当化できる。

すると、オールOKなどの子育て法を話しても聴く耳を持たなくなることがある。

人は皆自分が可愛い。

自分を守りたい、自分が悪いとは認めたくない。

しかし、非は非として認め正していき、本当のことは何なのかを知りその方向に進んでいかなければ本当の解決には至らない。

病気や障害があろうがなかろうが親がすることは同じであり、子どもへのオールOKによる世話・対応である。

ひきこもりや非行に効く薬はない。

親の暖かい愛情、思いやり、理解と共感である。

分析においては、その一部をインテグレーター(分析家)が担うことにもなる。

いずれにしても、薬を服用するだけでよくなることはない。

病院や施設に入れて治ることもない。

(それはまた、映画『彼女の名はサビーヌ』を紹介してコメントする予定)

クライアントが言った、「人のせいにしているうちは、真剣に子どもと向き合えない」と。

学校のせい、先生のせい、友達のせい...にしたい、それでも一番子どもに良くも悪くも影響を与えるのはやはり親である。

だからこそ親次第で子どもは変わっていく。

もしくは、ひきこもり等の本人が、自分を変えようと強い意志をもち、自分探しの旅(精神分析)に取り組むかである。

取り組めば道は開かれ、ひきこもり、非行等から脱していく。


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2010年1月18日

分析家の独り言 311 (子どもの好み・感覚を尊重する)

たまたま見たテレビで、ある女優さんが話していた。

「デパートの店員になりたかった」と言う。

彼女には9歳上に姉がいて、服など身の回りの物のほとんどが姉のお下がりだった。

9歳も上だと、例えば服の流行も子どもとはいえ古くなる。

小学校入学時のランドセルも姉のお下がりで、レンガ色に変色しぺっちゃんこだった。

だから彼女は、新しい物に触れたかった。

最新の流行のものが何でもそろうデパートの店員になれば、常に新しい物にかこまれていられると考えた。

「欠けたものが欲望になる」と言うが、まさにその通りなるほどと納得。

彼女は新しい、自分の好みの服や物を持ちたかっただろう。

また、親の好みを子どもに押し付けて、何でも買って着せてしまったのでは、子どもは着せ替え人形になる。

子ども自身の好きな色、形、デザイン、それらを尊重されるこも子どもにとっては大事なこと。

だから親が勝手に決めないで、子どもに聞いてほしい。

子どもも自我が出来てくると、親が買ってきた服を着なくなる。

それまでは親の好みで選んで着せられたが、良かれと思って買って来た服を着なくなり、それでは仕方ないと子どもに聞くようになる。

思春期を迎える子ども達には、服は対社会的仮面(ペルソナ)ともなり、他者にどう見られたいか、見せたいかなど、アイデンティティの問題も絡んでくる。

やたら鏡に自分を映して、服装などに気を使うのもこの時期である。

なかには、「誰もあんたなんか見てないよ(だから、何を着ても同じ)」と言う親がいる。

我が子の価値を親が引き下げることはないだろう。

自分が思い描く理想的自己像をつくり、外に出ていく。

娘達は出かけるときに、服が決まらず、「これとこれとどっちがいいと思う?」とか、「これでいいかな?」と聞いて来た時期があった。

こちらとしてはどちらでもいいと思うが、真剣に考えて答えないと怒る。

聞いてくる娘も自分の中では決まっているが、もう一押しして欲しいのだろう、どちらがいいか聞いておいて自分が思うのと違う方を言うと、「お母さんはセンスがない」とか、「いや、違う、こっちだ」とか言う。

「それなら聞かないでよ」と思うが、それにも付き合うことである。


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2010年1月19日

京都府青少年の社会的ひきこもり支援ネットワークからイベントのお知らせ

京都人権啓発推進会議25周年記念府民講座が開催されます。

日時 ; 平成22年3月6日(土) 午後1時~4時30分まで

場所 : 京都商工会議所3階講堂(京都市中京区烏丸通夷川上ル
      TEL 075-212-6400

内容 : 京都人権啓発推進会議25周年記念府民講座
       『今どきの「若者」達がみな活躍できる「地域社会」を目指して』

      講演
      「青少年の社会的ひきこもりへの理解と対策」 斉藤環氏 
      「元総長のふれ愛義塾 ~こどもたちの居場所づくりに関わって~」 工藤良氏

      パネルディスカッション 「非行・ひきこもり青少年への包括的支援を考える」

      不登校・ひきこもり民間支援団体等活動紹介ブース(常設)

対象者 : 青少年育成・教育・保健福祉・労働(雇用)関係、NPO等民間支援団体、事業所、府民の皆様 300名

「非行」や「ひきこもり」といった、社会生活を円滑に営む上で困難を有する青少年の社会的自立を、地域において支えていくためのネットワークづくりに向けて、地域を構成する様々な立場の方々に対して、青少年問題を包括的に理解していただくための講座が開催されます。

参加申し込み、お問い合わせは、京都府府民生活青少年課へ 〒602-8570(住所記入不要)
  TEL:075-414-4302 FAX:075-414-4303
E-mail:seisho@pref.kyoto.lg.jp

平成22年3月3日(水)までに、氏名・職業もしくは所属団体名・連絡先(電話番号等)を電話、FAX、Eメールまたは郵送にて申し込みください。

または、ラカン精神科学研究所に電話、FAX,メール等で連絡ください。

電話: 077-558-8766 または 050-3767-6283

FAX: 077-558-8766

携帯: 090-7357-4540

メアド:lacan.msl☆gmail.com ☆を@に変換したメールアドレスにメール送信願います(スパムメール対策)。

当ラカン精神科学研究所は、京都府青少年の社会的引きこもり支援トワーク連絡会議加入団体として協力・参加しています。

京都府ひきこもり支援情報ポータルサイト

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2010年1月21日

分析家の独り言 312 (オールOKし信頼を築く)

クライアント達は子どもにオールOKをしていく。

分析や子育て相談などで、子どもの様子を話される。

子どもの様子を聞けば、母親であるクライアントがオールOKをしているかどうかがわかる。

分析もオールOKも知らずにいたときは、親は子どもを思うように動かせた、子どもは親の言うことを聞くおとなしいいい子だった。

それがあるときから不登校になったり、非行に走り出したり、家庭内暴力が起こったりする。

親はこれまでいい子だったのが手におえなくなり、どうしていいかわからず助けを求めてくる。

そこでオールOKの対応法を話す。

実践してもらうと、親にとってさらに大変なことが起こる。

それは子どもの要求が増えるからだ。

お金であったり、世話であったり、どこかへ行きたいということであったり様々な要求である。

小さな子どものように、何気ないことを「見て」といったり、母親と一緒にテレビ・DVDをみることであったり料理をつくりたいということであったりする。

今度は親が子どもに動かされ、振り回される。

子どもに対応する親は、体やお金を使い子どもに付き合うことになる。

ところが親自身のコンプレックスが邪魔をし、「だめ」「できない」と言ってしまう。

それでも時には失敗しつつもオールOKしてもらう。

子どもの要求が出ているということは、お母さんが子どもに対応しているということである。

子どもは拒否され続ければ要求を出さなくなる。

母親を信頼できないからだ。

オールOKしていくと子どもは母親を信頼し始める。

子どもは親がこれまでと少し違うようだと思いだす。

おそらく要求を出す子どもも最初はおっかなびっくりであろう。

拒否され否定されてきたため、また「だめ」といわれるのではないかと恐いのである。

だから子どもが要求を出すということは、親への信頼の証となる。

そうして少しずつ自分のことを話し出すようになるとさらに良い。

20歳代よりは高校生、中学生、小学生、幼児、乳児というように子どもが小さいほど、母親の対応が子どもの言動に早く変化をもたらす。

重ねたマイナスが少なく、心が柔らかいのだろう。

子どもは何かしらサインを出してしるので、それにいち早く気づくことも大事である。

子どもから要求があまり出ないということは、まだ親を信頼していないし、まだいい子をしていたり、本当の自分を出せないでいる。

子どもが安心して親の懐に飛び込んでいける信頼を勝ち取るには時間もかかる。

根気強くやり続けることが大事。

どうかお母さん達頑張って、と願う。


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2010年1月22日

京都 子育て相談室(旧 母親教室)日程のお知らせ(平成22年2月)

日 時 : 2月22日(月) 10:30-12:30

場 所 : ひと・まち交流館京都(JR京都駅から徒歩15分)  

参加費 : 1,000円(1回:2時間 完全予約制 電話等にて連絡してください)

子どもさんの年齢に関係なく、子育てに関しQ&A方式で相談会を開催しています。

日常の些細な事から、不登校、ひきこもり、非行、神経症など様々な悩み、問題に答えます。


子どもを理解し、親の考え方・態度が変わると、子どもは変化します。

諦めないで取り組めば、打開できます。

そうやって頑張っておられる親御さんたちが学んでいます。

興味関心のある方、参加希望の方は下記へご連絡ください。


電話: 077-558-8766 または 050-3767-6283

携帯: 090-7357-4540

メアド:lacan.msl☆gmail.com ☆を@に変換したメールアドレスにメール送信願います(スパムメール対策)。

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skype de stherapy(スカイプ セラピー) のページ

2010年1月23日

skype de therapy(スカイプでセラピー)

精神分析は直接面談が基本ですが、遠方であったり、何らかの理由により直接面談が困難な場合に電話でのセラピー(精神分析)をしてきました。

通話料無料のskypeによるセラピーや、skypeの会議通話を使えば、複数人数による講座を開くことができます。

それにより遠方の方にも、分析理論講座やインテグレーター養成講座を受けることが可能となります。

遠方の方々とも二人以上であれば、会議通話により「子育て相談」をすることができます。

詳しくは、skype de stherapy(スカイプ セラピー) のページをご覧ください。


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子育てネットワーク

2010年1月24日

分析家の独り言 313 (滋賀インテグレーター養成講座第4回:母性より)

1月23日(土)、インテグレーター養成講座 自我論Ⅳ(母性)を開いた。

今回は新しい方の参加があり、受講者は5名となった。

講座内容が母性についてなので、是非お母さん方に聞いて欲しい内容である。

実際の子育てや自分の育ってきた過程を振り返るためか、質問があり、講義の内容全てを話しきれなかったため、次回に持ち越しとなった部分がある。

母性とは何か。

子どもを生んだから母性を持った母になるわけではない。

また全ての女性に、生まれながらに母性が備わっているものでもない。

結局、人は自分が育てられたようにしか自分の子どもを育てられない。

親となった自分が母性を持った母親に育てられたなら、自然と母性行動を子どもに示せるが、放っておかれたとか叩かれ怒られたなら、そのまま子どもの養育場面に再現される。

もちろん後者の対応を母性行動とは言わない。

何はともあれ、まずこの世に生み出された赤ちゃんにとって母親と共に過ごすことが第一である。

そのため母親と何らかの事情で分離されること自体が子どもに悪しき影響を及ぼす。

母以外の人に育てられることは後々子どもの心に影を落とす。

また母親が育てても、母性を持って育てなければ子どもの心は育たない。

それが今社会的に、不登校・ひきこもり・非行などの現象で表れている。

心が育てばそれらの現象は消えていく。

それには母性行動で子どもに接すること=オールOKすることである。

インテグレーター養成講座を受講しているクライアント達は、分析以上に応えると言う人がいる。

理論を聴くと自分の育ちと違うことに気づくため、分析されていると同じことになるためである。

それでも月1回の講座を2回にという要望があり、2月は2回インテグレーター養成講座を開催する。


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子育てネットワーク

滋賀インテグレーター養成講座開講日程のお知らせ(平成22年2月)

毎月インテグレーター養成講座を開いています。

平成22年2月は下記の通りです。

日   時 : 2月 6日(土) 11:00~14:00 (第5回)

場   所 : ラカン精神科学研究所(滋賀県大津市 JR湖西線{唐崎駅」下車徒歩5分)

受講費用 : 一受講につき一万円
        初めての方はプラス テキスト代一冊5千円 (全三冊)


第5回 インテグレーター養成講座 講義内容
 
自我論Ⅳ《 母性とは》

   母性とは
    成長、母性、母親が母親らしさを育てていける条件、
    母不良タイプ、母子関係の発達

   総論

自己愛論Ⅰ《自己愛人間の心理と生態》

   自己愛度チェック

   自己愛の心理
    自己愛とは何か、ナルキッススの神話、 

   健康な自己愛
    健康な自己愛の源泉

   自己愛の成り立ち
    生理的自己愛の満足、原始的な自己感覚、自閉的段階の一時的自己愛
    親の中の子どもの像・原始的自己愛

   自己愛者の生態
    自己愛的同一視、惚れ込み、自己愛観-東洋と西洋の違い
    日本人的自己愛人間と日本的マゾヒズム

   自己愛社会
    母性社会、集団幻想が解体した現代、つくられた自己愛の満足、お客様は神様です


次回は2月27日(土)、自己愛論Ⅱ《自己愛の構造》

試しに一度受けてみたいという方や、この項目を聞いて見たいという方、受け付けます。

その場合は、受講費用 一万円、テキスト代(一回分) 二百円 です。 

遠方の方にはスカイプによる講座も受講していただけます。

詳しくは、skype de stherapy(スカイプ セラピー) のページをご覧ください。
 
興味・関心のある方、参加希望の方おられましたら下記へ連絡ください。

077-558-8766(電話ファックス兼用) または 050-3767-6283(OCNドットフォン)

090-7357-4540(携帯電話)

lacan.msl☆gmail.com ☆を@に変えたアドレスでメール送信してください。(スパムメール対策)


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2010年1月25日

ふくおか「非行」と向き合う親たちの会(ははこぐさの会) 紹介

京都の『大文字の会(旧 子の「非行」に悩む親たちの会)』のように、福岡で『ははこぐさの会』が開かれています。

毎月1回の例会開催と通信を発行し、年に1~2回講演会・シンポジウムを開催し、共に話し合い学び合う自助グループとして、悩む親たちの居場所づくりを目指しています。

隔月福岡少年院での講演や各地の親たちの会での講演などの活動をされています。

詳しくは  『ははこぐさの会』のホームページをご覧ください。

-2月の例会-

日 時 : 2月13日(土) 午後1:30~17:00
場 所 : 西市民センター

代表者の紹介:我が子の非行に悩む親たちが、自分の悩み苦しみを話せる場、支え合い、学び合える場の必要を実感した経験から、2003年「ふくおか『非行』と向き合う親たちの会=ははこぐさの会」を夫とともに立ち上げる。

連絡先 : 『ははこぐさの会』 y-j1922☆nifty.com ☆を@に変換したメールアドレスにメール送信願います(スパムメール対策)

2月13日の例会に、福岡出張中、私(ラカン精神科学研究所 宣照真理)も参加する予定です。


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非行・家庭内暴力に悩む方々へ のページもご覧ください

福岡出張のお知らせ(平成22年2月)

毎月1回、福岡出張セラピーを行っています。

平成22年2月の出張は以下の予定です。

日 時 : 1月11日(木)、12日(金)、13日(土)、14(日)

場 所 : 地下鉄天神駅周辺(詳しいことは電話等にてお問い合わせください)

分析料 : 10000円 (プラス交通費2000円)

福岡近郊で分析を希望される方、おられましたらご連絡ください。

ひきこもり等により、外出が困難な場合は、お宅への出張セラピーを行います。

遠方への出張であるため、福岡でのクライアントの方には分析料プラス2000円の交通費の負担をお願いしています。

希望により子育て相談室・分析理論講座・インテグレター養成講座も開きます。

興味・関心のある方、参加希望の方は下記へお問い合わせください。

℡ 077-558-8766 または  050-3767-6283 (OCNドットフォン)

携帯℡  090-7357-4540

メアド:lacan.msl☆gmail.com☆を@に変換したメールアドレスにメール送信願います(スパムメール対策


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2010年1月27日

広島出張のお知らせ(平成22年2月)

2月も福岡出張セラピーの途中で広島でのセラピーを行います。

日 時 : 2月11日(木)

場 所 : JR広島駅周辺

分析料 : 10000円 (プラス交通費5000円)

広島近郊で分析を希望される方、おられましたらご連絡ください。

ひきこもり等により、外出が困難な場合は、お宅への出張セラピーを行います。

遠方への出張であるため、広島でのクライアントの方には分析料プラス5000円の交通費の負担をお願いしています。

希望により子育て相談室・分析理論講座・インテグレター養成講座も開きます。

興味・関心のある方、参加希望の方は下記へお問い合わせください。

℡ 077-558-8766 または 050-3767-6283 (OCNドットフォン)

携帯℡  090-7357-4540

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子育てネットワーク

分析家の独り言 314 (相互主体性)

クライアントは、人から自分がどう見られるかを非常に気にし腐心する。

ある者は人の評価を得るために行動し、相手の求める自分になろうとする。

相手の期待する自分になれないと、自分が理想とする自己像の幻想が崩れる。

子どもの頃は、この相手は母であり、母の期待に応えようとする。

これが親の言うことをよく聞くいい子の正体である。

大きくなるにつれそれが母にとどまらず、他者一般へ広がる。

相手に主体を譲り渡せば自分は受身となるため、自己を相手に規定され、自己の存在を相手に意味づけられてしまう。

子ども時代、親の言葉は絶大である。

親に「お前はだめな子だ」「変わっている」「変だ」「不細工だ」「馬鹿だ」・・・とマイナスの言語で語られると、そのように自己をマイナスに規定してしまう。

これを大人になって、自ら書き換えるのは簡単ではない。

分析においてこの書き換えをする。

主体は常に自分の側に置く。

そうすれば、不安になることも、揺れることもない。

人が自分をどう思っているかなど気にならない。

しかし、主体性を持つことを許されず、相手(母)に預けてしまうように育ってしまうと、主体を常に自分の側に置くことができない。

鏡像段階の相互主体性の中で、主体を自分と相手の間で入れ替えてしまう。

だから自分は良いと思っても、相手から否定されると落ち込んだり、へこんだりと揺らぐ。

その時々、相手は勝手な自我で私を否定したり、規定しているだけである。

それに一々動揺していたのでは疲れる。

まずもって否定が成立すること自体、相手が主体であるということになる。

この相互主体性の罠から飛び出し、自分の側に主体を固定することである。

私はあるときから良い人をやめた。

人からみて良い人と言われるように振舞ってきた自分に主体性はない、と知った。


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子育てネットワーク

2010年1月28日

分析家の独り言 315 (東京・秋葉原の無差別殺傷事件、加藤智大被告)

東京・秋葉原の無差別殺傷事件で殺人罪などに問われた元派遣社員、加藤智大(ともひろ)被告(27)の初公判が28日、東京地裁で開かれた。

加藤智大被告(27)が、事件で重傷を負った東京都江東区の元タクシー運転手、湯浅洋さん(55)に謝罪の手紙を送っていた。


加藤被告は、この手紙の中で、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 この度は本当に申し訳ございませんでした。
 言い訳できることは何もありません。
 私は小さい頃(ころ)から「いい子」を演じてきました。
 意識してやっているわけではなく、それが当たり前でした。
 そのことがあるので、取り調べを受けている時から「申し訳ない」と思っている自分は、はたして本当の自分なのか、という疑念がありました。
 形だけの謝罪文はいくらでも書けますが、それは皆様への冒涜(ぼうとく)でしかなく、これは本心なの か、いつもの「いい子」ではないのか、と常に自問しながら書いています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
と書かれている。

彼は、親に気に入るいい子を演じてきたのだろう。

おそらくそうしなければしかられる、家庭内での自分の待遇が悪くなったのだろう。

いい子を演じることは当たり前のことで、意識してやっているわけではないという。

いい子をするとは、自分の主体性や欲望を抹殺し、他者((親)に主体性を奪われていただろう。

だから、今謝罪している自分さえ、本当の自分の気持ちか、相変わらず小さい頃からしてきた「いい子」なのか、自分でもわからないのだ。

いい子いい人を演じていると、本当の自分が一体何なのかわからなくなる。

彼は自分を持たず、抜け殻のまま他者(親)の望むように生きてきた。

自分の感覚、考え、気持ちを持ち、それらを承認され肯定されないことは自我の死に等しい。

子育てをする親御さんたち、今一度子どもへの対応を振り返り反省して欲しい。


加藤被告は、次の様にも書いている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 「皆様には夢があり、温かい家族、恋人、友人などに囲まれ、人生を満喫していたところを私がすべて壊してしまった。
 取り返しのつかないことをしてしまった」「私にはそういったものはなく、それらを理不尽に奪われる苦痛を自分のこととして想像できず、歯がゆい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
彼には温かい家族、恋人、友人などに囲まれることも、人生を満喫することもなかった。

せめて誰か彼の言葉に耳を傾ける人がいたら、ここまでの事件を起こすことは避けられたかもしれない。

いい子ではなく、まず彼の言うことをしっかり聞ける親がいたならと思う。


更に、次の様な文章もある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 どうせ死刑だと開き直るのではなく、すべてを説明することが皆さまと社会に対する責任であり、義務だと考えています。
 真実を明らかにし、対策してもらうことで似たような事件が二度と起らないようにすることで償いたいと考えています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
是非その様にして欲しい。

彼の心の闇を解き明かすことで、今後同じような事件が起こらないようにしたいものである。


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月刊精神分析2009年9月号 秋葉原無差別殺人事件

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子育てネットワーク

2010年1月30日

分析家の独り言 316 (心の成長、自立へ)

人間の精神とはいくつになっても成長しうる。

このことが理解されていないと、子どもにオールOKをしても、母親は一生自分が子どもにこき使われるのではないかと思う。

適切に世話をすれば必ず子どもの心は成長する。

心が成長していけば、いつまでも母親に頼りっきりで「あれして」「これして」とは言わない。

オールOKを始めると、子どもは最初、これまで欠けていたいた世話や我慢してきた要求を取り返すかのように、要求をどんどん出す。

しかしそれに付き合ううち、徐徐に要求は減ってくる。

子どもは満足いけば、今度は自分で出来ることの喜びを知り、「よくここまでしてくれた、もういいよありがとう」と言って、自立していく。

一生子どもの世話と要求に振り回されると思うと嫌になり、母親は「私はあんたの家政婦でも奴隷でもないわよ」と言いたくなる。

しっかり子どもの言うことを聞き取り、その通りに動けば子どもは満たされると共に成長していく。

反対に、子どもの言葉をいい加減に聞き、中途半端な対応しかしなければ、子どもは満足出来ず成長も進まず、母親は子どもに振り回され続けることになる。

それをみると、本当は子どもに自立して欲しくないのでは?と思うくらいである。

中途半端に対応して、子どもに文句を言われながらも、親は子どもを自分の下に居させたいのではと。

それは無意識のレベルの話ではあるが、親の分離不安が絡む。

人間自分を必要とされなくなることほど寂しいことはない。

それまで何だかんだと言っても「お母さん」「お母さん」と言って自分を頼り必要としてくる子どもが自立して自分から離れていくことを、親は子どもに見捨てられたと意味づけるのかもしれない。

オールOKをする母親に、成長・自立という概念が自分の辞書に登録されていないのではないか。

母親自身がその親に押さえつけられ、自分の成長を阻まれてきていたら、これらの文字の辞書への登録はないだろう。

オールOKして、散々子どもに振り回されれば、母親も充分やったという気持ちになり、子どもが自立していくことを心から感謝できる。

人間は親に依存して生きる時間が18年以上に渡り長いため、そのことが親と子の分離を難しくしている。

親子互いが納得し了解して、快く離れていくことを目指したい。


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子育てネットワーク

2010年1月31日

分析家の独り言 317 (信頼)

分析を受け子どもに対してオールOKをしていき、同時に自分の育ってきた過程を振り返る。

しんどいながらも子どもにオールOKすると、嫌でも親は自分の子ども時代を見ることになる。

そしてやがて親であるクライアントは自ら気づいていく。

本当は自分が親に甘えたかった、頼りたかった、可愛がられたかった、受け入れて欲しかったことに。

小さい頃はそれを親に求め、願ったが、とてもこの親は自分の願いに応えてくれそうにないと感じ、あきらめていった。

いつまでも甘えたいなどの気持ちを抱えながら、それが叶わないのは辛いことであるため、そんな気持ちは自分にはないと、抑圧したり自分から切り離してしまう。

しかし、我が子を育てる過程で、抑圧や分割し無意識に追いやった過去の欲望がよみがえる。

自分があきらめた甘えなどを、子どもが親である自分に求めてくる。

これは母親の無意識を刺激し、腹が立つ。

腹が立つこと、引っかかったことそれら全てその人のコンプレックスである。

このコンプレックス、腹立ちと闘いながらオールOKをするため葛藤し、しんどく苦痛を伴う。

しかし、このしんどさに打ち勝ちオールOKする母親であるクライアント達がいる。

それを支えるのがクライアントの子どものために自分がここで何とかしなければという想いと、分析、インテグレーター(分析家)である。

更に夫(子どもの父親)の支えがあればいいのだが・・・。

私は誰に対しても同じことを言う、「オールOKしてください」と。

しかし、オールOKする人としない人が居る。

辛いながらもオールOKしていくと、子どもの様子が変わってくる。

それを身近に肌で感じる母親は、やはりやってよかったと言う。

「なぜあなたはオールOKしたんですか?」とあるクライアントに聞いてみた。

すると分析家である私に言われたからだと言う。

分析家に言われてもやらない人はやらない。

私という人間と、分析をいかに信頼してもらえるかということである。

人間関係の基本にある信頼ということをあらためて考えさせられる。

子どもへのオールOKも、母と子の信頼をつくるためでもある。

子どもはこの母親なら、自分の言うこと要求を聞いてくれるだろうという信頼のもとに自分を出せる。

それに応え続けると、更に母と子の信頼は絆へとつながっていく。


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