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金谷氏今月のメッセージ (平成23年6月)

以下は分析家仲間の真理攫取(金谷)氏のHPにある今月のメッセージを私のブログで紹介しているものです。


テーマ 質素倹約

 「武士の家計簿」と言う映画がある。

 これは、磯田道史氏の著書「武士の家計簿」〔加賀藩御算用者〕の幕末維新を映画化したものである。当時40万世帯の武士がいた。

その武士が、日常の出納を記述したものなど残す事はない。

武家が代々伝えてるものは、禄高とか知行に関するものや家計図などが多くを占める。

その中で一世帯の入払帳〔家計簿〕36年分にも及ぶ「金澤藩主猪山家文書」と言うものがあった。

これには、本当に細かな出費まできっちりと記述されていた。

その金銭の出入りから、当時の武士の生活が垣間見る事が出来るほどと磯田氏は語っている。

 例えば、彼岸の日は支出として小豆・きな粉・もち米・花代といった事が記述されている。

そこから猪山家の日常が浮かんでくる。当時の下級武士の生活状態が如何なるものであったかが解る。

加賀といえば、今でも100万石と言われるほど大藩だった。藩の財政を管理する会計の役割御算用人を150人も設けていた。

その中の一人である主人公は、猪山直之と言う人物であるが会計の能力に優れ、几帳面な性格であった。さしてこれを取り立てて言うほどの事ではないが、その彼が英断をしたことと、子供にそれを教育した事に注目したい。男とは・父親とはをよく表している。

まず、息子成之に対し10才にしてお金を持たせて買い物をさせ、支払いを実際にやらせる。そしてそれを入払帳に付けさせる事を教える。言葉と行動において教育をしていく。

 父子で月締めをした時のこと、不足金が出てしまう。
父直之は息子に足りないお金はどうするのかと尋ねる。息子は「叔父に借りれば良い、来月分を使えばよい」と借金をする案を出す。

父は「そうすることで借金が増えていくので、何の解決にもならない」といい聞かせる。そこで息子が答える「倹約すればよい」と。

事実息子はとてもすばらしい英断をする。

現代感覚で換算した数字があるのでそれを使って説明すると、年収は直之の父の収入と直之自身の収入を合わせて、猪山家は年収1230万位、それに対し借金は倍の2400万である。

これを直之は、猪山家の財産を売り払い借金返済をしたのである。

祖母・父・母それに我妻の嫁入り道具までも手放し、家族全員が協力をし返済しきったのである。財産売却は約1025万だった。

 当時は、債権や債務の放棄を命じる徳政令が発せられる為、武士は当たり前に借金を踏み倒す事ができた時代でもあったにも関わらず、借金をきれいに返済し、その上にまだ倹約も必要だった。

使用人は身分に見合った人数を雇う決まりごとの為、解雇はしない。中でも武家の世界でもっとも重んじられていた、季節ごとの行事・しきたり・親戚づきあい・子供の通過儀礼はきちっと行っている。

だが武士のプライドなど捨てて・子孫に借金を残さない事を決断したのである。

そして子供には借金をしない事を考えさせ、教育していた。

映画の中でこんなシーン

ある日、その日の締めをしたときお金が足りない事があった。昼間息子成之が支払いした時に、お金を落とし道にばら撒いた為、遺失してしまったからである。

それを自分の責任で処理する様に言う。そこで内緒で祖母に穴埋めしてもらう。父に問われ「道で拾った」とうそをついた。

父からは「藩主様から俸禄を頂いて生活するのは、武士の習いである。拾ったお金で生活するのは、物乞いと同じ。そのお金は基に戻してきなさい」といわれ、くらい夜道を一人で行かせられる・・・・・・母には胸が痛いシーンである。

 武士のプライドと武士とはどう生きるのか、という事を厳しく教え込んだ父。

堂々と借金を家財を売り返済する事は、何も恥ずかしい事ではない。ここにはプライドはない。

武士とは、俸禄を頂いてる分、藩の為に役目を果たす。そしてお役に立つ事こそ武士の誇りプライドである。

そこで頂いた俸禄は大切に使う。一銭たりとも無駄に使ってはならない。猪山直之は家もそうであるが、藩の中でも変わらず同じ様に倹約に努めた人物である。

 時代が変わるにつれ、御算用場の役割を重要かつ変化していった。兵を動かせば、それによる消費する物質や食料の計算が要る。大砲の鋳造にも強度や飛距離の割り出す複雑な計算もしなければならない。

息子・成之は父より英才教育を受けただけあり、11歳から御算用場の見習いとして出仕し、20才の時には藩の重要な職務に付いていた。

さらには、大村益次郎に見込まれ新政府軍の「軍務官会計方」に抜擢され役に立つ人材にまでなった。

国の財政管理すること家計の管理にしかりである。

父親は自分の役割を自覚しその職務を忠実に全うし、それを子孫にしっかりと伝えて行く。子孫にはマイナスなもの特に借金などは残さない。母親はそのような父親・主人に付いて行き、一大事には一緒に協力していく事である。

 今の世の中も同じ、常に必要とされる存在になる為にはどの様な考え行動をしていけば良いのかという事を「武士の家計簿」から学ぶべきものは多いし学んでほしい。

                      真理攫取

 
金谷精神療法研究所

ラカン精神科学研究所 のホームページもご覧ください

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2011年6月28日 08:49に投稿されたエントリーのページです。

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