分析家の独り言 445(オールOKするための話し合い、精神分析)

分析家の独り言 444(母なるもの母性とは)に続き、「オールOK!子育て法」のサイトの追加文章、紹介します。


<オールOKするための話し合いが精神分析>

母なるもの(母性)を、わかりやすく翻訳したものが、「オールOK」子育て法です。

母親が知性に裏付けられた配慮と思いやり、連綿とした優しさという包容力、この環境の中で育って来なかった場合には、子どもに欠損した状態しか伝えられません。

そこで、母性を持った母の演技をしてもらえるように分析をしていきます。母性を知らず持っていなければ本来は出来ないのですが、言葉によって伝えることが出来るため、そのシナリオをお母さんに渡します。それが「オールOK」かつ「敏速・適確・一貫」ということです。

「オールOKすると、子どもが我がままになる」と言われます。しかし子どもが我がままでないことが問題なのです。

子どもが本当の気持ちを親に言えず、親の顔色を見て気を使い配慮しています。これは親が子どもに甘えていることであり、親と子の立場が逆転しています。

これでは子どもの心は育ちません。正常な親子の立場(子どもが親に甘える)に戻すために「オールOK」するのです。

これを言ったら怒られるだろう、ダメと言われるだろうと子どもは思うから、言いたいことを言わなくなっています。

親もその方が楽なのです。

子どもに「あれして」「これして」と言われると、手間やお金がかかります。

こうして言いたいことを言わず、親に反抗しないで、言われたままに動く、おとなしい子を世間では「いい子」と言います。

どうせ親に言っても仕様がない、言わないことがいい事だと学習し、そう決めた時、その子は自分を捨てて、親の言う通りに動くロボットとなったのです。

こうして、子どもが親の顔色を見るのではなく、安心して親の懐に飛び込める環境を、「オールOK」によってつくります。

「オールOK」することは、「お母さんはあなたに何も否定したり、ダメと言いません。負けました。」と白旗を揚げる、子どもへの前面降伏です。

これが母親には屈辱的で、子どもになめられてたまるかと思うため、白旗を揚げられず、子どもとぶつかるのです。どうせいつかは子どもに抜かれるのですから、さっさと揚げてしまうことです。

また、子どもの使命は親を越えていくことです。親をバカにし、えらそうな口をきき、親を踏み台にして大人の世界に入って行く、これが特に思春期に顕著になります。しかし親は、「オールOK」することで自分が無能でバカになったかのように感じ、この屈辱感を味わいたくないのです。

この屈辱感を運良く乗り越えたとしても、次にもっと屈辱を感じる、「敏速かつ適確」にという課題が待っています。

これは子どもに言われるままに動く奴隷か召使いとなることと等しく感じます。母親は「私はあなたの召使いではない、私があなたを産んだのよ」と言い、子どもの上に立っていたいのです。

だから子どもに言われるままに動くものかと思い、子どもの要求に応えることをなるべく遅らせる、ずらす言動を無意識にとってしまうでしょう。「

後で」「ちょっと待って」「いつか」・・・と言う母に子どもは根負けして、なし崩しになっていきます。

更に、「一貫」してやり続けるという課題が待っています。

「オールOK」をすると決めて、3,4日、一週間なら何とか出来るのですが、また「ダメ」と言ってしまったりして、戻ってしまします。

「オールOK」するには根気と継続が必要です。

子どもは、連綿たる優しさと配慮全体の中で生まれ変わり、生きかえるのです。

これが子どもの変容・成長につながります。

オールOK」かつ「敏速・適確・一貫」は、子どものあらゆる精神病理を治す方法です。これを「育て直し」と言います。

母なるもの(母性)の条件のシナリオを渡し、実践し変容するのに三年かかります。このための話し合いが精神分析です。

正しい母性的環境で育たなかった母親の無意識の葛藤が問題であり、「オールOK」のシナリオを渡されても、そのシナリオ通りに出来ません。

頭ではわかっていても、心が動かない、体が動かない、まなざし・声がかけられない。この障害を取り除かない限り、頭でわかっていても「オールOK」が一貫せず、持続しないのです。

最初から完成したシナリオを渡しているにも関わらす出来ないのは、無意識の葛藤があるためです。

この無意識が関わった葛藤は意識することが出来ず、当然コントロールすることも出来ないため、無意識をみていく精神分析が必要なのです。

 
  インテグレーター(精神分析家)  安朋一実


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このブログ記事について

このページは、が2012年7月31日 09:01に書いたブログ記事です。

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