分析家の独り言 553(母性欠如;子どもに振り回される)


これまで『母性剥奪』『母性喪失』と話してきました。

今回は『母性欠如』についてお話します。

生後18ケ月以降、フロイトのいう肛門期になると、子どもは言葉を使うようになります。

どんどん言葉を覚え、使いこなすようになります。


コミュニケーションには、心を伝える会話と業務連絡の会話があります。

日常のほとんどの会話は業務連絡です。

「7時に起きる」「机の上の本を取って」「帰りは遅くなる」など全てこれは業務連絡です。


お母さんは、これまでの世話行動と、更に業務連絡の言葉に『オールOK』して応えていくことになります。

これまでは泣くことが赤ちゃんから発せられるサインのほとんどでした。

お母さんはこの赤ちゃんの出すサインを読み取り、その忠実な召使いになり適確に反応していました。

今度は言葉で言われ、この言葉に振り回されることになります。

すると振り回される度合いが問題になります。

子どもの出す言葉に100%応え振り回されれば母性は継続されます。

ところが敏速・適確にやらないことがあると、子どもの側からいえばその部分は欠けて穴が空きます。

お腹が空いたときに食べられないで、1時間2時間後に食べても食べたことにならず、不満が残ります。

欲しいと言った時に買ってもらえず、一ヶ月後に買ってもらったのでは満足度が違います。

一ヶ月遅れの誕生日プレゼントは、誕生日プレゼントとは言わない、

このズレが欠如であり、『母性欠如』という概念です。


子どもの言葉通りにお母さんが反応することによって、子どもは正しく言葉を覚えていきます。

子どもが「コップとって」と言ったのにお茶碗を渡されたのでは、言葉を正しく覚えられません。

これでは人生を生きる上で支障がでます。

自分の言葉の信憑性が低ければ、人と話すときに自信がなく言いたいことが言えないでしょう。

子どもが「そこのおもちゃとって」と言ったのに、母親が「自分で取りなさい」と答えたのでは

子どもの言葉通りに動かず、振り回されることを拒否したことになります。

この時大事なことは、子どもに言われたことだけをすることです。

そして子どもに対応する時、お母さん自身の意味づけをしないこと、つまり考えないで体を動かすことです。
分析家の独り言549『オールOK』するために大事なこと を参照して下さい)


子どもは親を振り回しながら、言葉を正しく覚え会話を学び、母親を信頼し、自己肯定感を得ていきます。

                                              - SSC-1より -


           インテグレーター(精神分析家) 登張豊実


ラカン精神科学研究所のホームページ

オールOK!子育て法

ラカン精神科学研究所メールマガジン

このブログ記事について

このページは、が2014年6月17日 09:09に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「新・滋賀インテグレーター養成講座Ⅰ開講日程のお知らせ(平成26年6月26日)」です。

次のブログ記事は「分析家の独り言 554(母性欠損;しがみつきをつくる)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。