分析家の独り言 683(自己愛:無力感の防衛のための権力と支配)


自己愛には健康な自己愛と病的な自己愛があります。

自己愛とは自分が自分を愛する(セルフラブ)ということです。

ここでは病的自己愛者を" 自己愛者 "といいます。


自己愛者は、他者を自律した自分とは違う一個人という認識に欠けます。

他者を自分が見たいように見て、他者を操作し自分の思うように操ろうとします。

コントロールされた他者は、自己愛者にとって思いのままの存在です。


自己愛者は最初の母との一体感での自己愛が傷ついているために、無力感持っています。

母が子どもの思い通りに動かず、子どもは母を操れる万能感を持てなかった。

このために、この人は後に他者を操ろうとします。


他者を操るためには、社会的地位や肩書など権力が必要です。

家庭内では、「親の言うことをききなさい」、「子どもは親の言うことをきくものだ」

と親の権力を振りかざす言動に表われます。

こうして権力志向が強く、

権力は自分の無力感や従属・屈辱感の防衛のために使われます。

他者を思うまま自由に操ることで、自分の無力感や屈辱感を味わわずにすみます。


他者を操れている限り、自分の無力感を感じずにすむために、

無力感が強いほど他者を支配し従属させ、操ることになります。


これが親子の間で行われれば、まだ自活出来ず生活のほとんどを

親に頼らなければならない子どもは、親の言うことをきくしかありません。


いつも不機嫌で、威嚇的で、言葉で説明し説得することなく、暴力的な親に、

子どもはただ怯えるだけです。

それは結局、親の無力感から出た言動であっても、子ども時代に負った傷は、

その後の人生に大きな影を落とし影響します。

その傷を負った者が親となって、また自分の子どもに同じ傷を負わせることになります。

この世代連鎖は止めたいものです。


そのためには、自分の無意識を知らなければ、無意識を繰り返していることにも気づきません。

無意識に気づいて、知れば、書き換え訂正することもできます。

そうすれば、世代連鎖を止めることも出来ます。


意識上、子どもの仕合せを願っていても、結果、不幸にしてしまっていることがあります。


それを教えてくれたのが精神分析でした。


         - インテグレーター養成講座1 自己愛論3《自己愛パーソナリティー》 - より

                            インテグレーター(精神分析家) 登張豊実


ラカン精神科学研究所のホームページ

オールOK!子育て法

ラカン精神科学研究所メールマガジン

始源回帰セラピー

このブログ記事について

このページは、が2015年7月13日 05:54に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「分析家の独り言 682(オールOK No.9:承認・肯定が子どもの心を育む)」です。

次のブログ記事は「分析家の独り言 684(自己愛2:人間らしい心の交流と尊重)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。