分析家の独り言 748(和を以て貴しとなす:本音と建て前)


「和を以て貴しとなす」というように、

何事も人が互いに仲良く調和して、いさかいを起こさない事、

和を乱さないことが良い事だという日本の文化的特徴があると思います。


日本は島国で、大陸のように広々とした土地はなく、限られた土地の中で

ご近所と出来るだけ仲良く協力して暮らす事に気を配ります。

そのためには、物事をはっきりせず曖昧にしておきます。

本音を言ってしまうと、関係が壊れてしまうからです。

そして、世間体を気にして人の目や評判をとても気にします。

少しでも良く思われたいと腐心します。


こうして和を保つために、世間体を気にして皆に合わせます。

そのために自己主張は控えます。

そこで『本音と建て前』を使います。

和を保つための表向きの良い顔である『建て前』と、

その裏で思い意考えている『本音』が違います。

自分がこの本音と建て前を使い分けているため、

他者も使っている事がわかります。

本音と建て前の二重構造の中で、

口では良い事を言っているが、心の中は違うかもしれない。

相手の言葉を信じてはいけないぞと、対人関係が疑心暗鬼になりかねません。


「和を以て貴しとなす」という精神が日本の国旗日の丸に象徴されます。


皆が仲良くする事は決して悪い事ではなく、

仲良く和気あいあいと協力して過ごすに越した事はありません。

しかし、それをあまりにも重要視するために自分の言いたい事を我慢したり、

他者にも言わせないようにする事があればやり過ぎです。

「出る杭は打たれる」、「鼻をへし折る」というように、個性を認めず

突出したものは潰してしまうような事もあってはならない事です。


自分の本音をどれだけ言えるか、出せるか。

本音とは、本来の自分、自分の欲望とも言えます。

本当の事が言えなくて、言い換えたり曖昧にして言うので、遠回しな表現になります。

これでは相手に真意は伝わりません。

本当の自分の欲望をストレートに言えないために、これが咳となります。

言語化出来ない言葉を言語化すれば咳は止まります。


互いが個として相手を認め尊重し、本音で語り合い、

それを理解し合える関係をつくる。

そこに自ずと協力や調和という事が生まれると考えます。


           - インテグレーター養成講座Ⅱ 病理 人格障害 - 
                      2016.5.7 講座内容より


                   インテグレーター(精神分析家) 登張豊実


ラカン精神科学研究所のホームページ

オールOK!子育て法

ラカン精神科学研究所メールマガジン

始源回帰セラピー

このブログ記事について

このページは、が2016年5月 9日 06:26に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「滋賀インテグレーター養成講座Ⅱ開講日程のお知らせ(平成28年5月12日)」です。

次のブログ記事は「滋賀・ラカン講座開講日程のお知らせ(平成28年5月24日)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。