分析家の独り言 779(大人の責任、親の責任)


人間は自分の都合の良いように思い込んだり、事実や記憶を変えたりします。

精神分析を受けると、本来の自分を知っていきます。

間違いは正され、本来の自分がどうであったかが露わになっていきます。


『オールOK』されて育った人はまず居ないので、

多少程度の差はあっても、適切に世話をされず見捨てられた自分、

反対に過剰に口や手を出され呑み込まれた自分、

要求を拒否され諦めてきた自分、

親の言う事をきかないと怒られたり叩かれたりした自分...

そういった悲しい自分がゴロゴロ出てきます。

そういう自分を見たくない、知りたくないからこそ、抑圧などの防衛によって、

自分の意識に上がらないようにしています。


あった事をなかった事にして生きていても、

無意識にはマイナスの自分がいっぱいあるので、現象としてその人の言動に現れます。

人生が思うようにうまく進まなかったり、人間関係に悩んだり、人が恐かったり、

ちょっとしたことでイライラしたり、不安や心配事が多かったり等々、

生きにくさを感じながらも、何をどうすればいいかわりません。


精神分析は、どういう自分であったか、

それによって今の自分はどうであるかを、自分と向き合い知っていきます。


自分を知っていくと、親を批判し嫌いながらも依存し甘えたい自分もいます。

余りに身勝手な親の自分へ対応に腹が立ち、怒りや憎しみ。恨みも出てきます。

精神発達論等の理論を知れば、人として正常な精神の発達と比べて

いかに自分が尊重されず、ひどい状況の中で育ってきたかがわかります。


私は分析していく中で、こんなに対人が苦手で生き辛くなったのは

親の対応のまずさと無知である事を知り、親を憎みました。

娘達に『オールOK』をしようとしても出来ず、自己嫌悪と更に恨みが募りました。

その期間が永かった。

自分がこんなに生き辛くなったのは親の対応の間違いとまずさであると

親のせいにするところから切り替えて、

もう過去は変えられないのだから、それも含めて自分の運命を背負い、

じゃあどう生きたいのか、何を目指すのかにシフト出来ればよかったのですが。

肛門期性格の固執の強さがあり、恨み・憎しみから離れる事がなかなか出来ませんでした。


振り返ると、自分の不幸を自分で背負わず、親のせいにして逃げていたとわかります。

それは違っていました。

親の間違った考えによって傷つきましたが、その自分が子どもに同じように傷つけてしまう。

これは何としても改めなければ、負の連鎖が止まりません。

そのためには、親のせいにして恨んでいるのでは何の解決にもなりません。

自分の非を認める事は難しい事です。

自己愛が傷つきます。

それを守るために、「私は悪くない」、「親が全て悪いのだ」、と

一生懸命言い訳をしていました。


ある時、娘に「昔お母さんは、いつも親のせいで自分はこうなったと言っていた」

と言われました。

もうそんな事も忘れていましたが、娘に言われて

「ああそんな自分が確かにいた」とまた自覚させられます。


どんな事も自分で責任を取り、改善していくのが大人であり親であると

精神分析を通して知りました。


               ラカン精神科学研究所 セラピスト 登張豊実


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このページは、が2017年6月 4日 06:56に書いたブログ記事です。

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