分析家の語らいの最近のブログ記事


ラカン精神科学研究所では、毎月1回、月初めにメールマガジンを発行しています。

2019年8月1日、 ラカン精神科学研究所メールマガジン113号発行しました。

日々、クライアントの分析をする中で感じたことや、理論、自分の事を例にあげて書いています。


No,113今月のメルマガのテーマは、「コミュニケーション」です。


他者・対人とは私ではない、私とは別の人です。

...意見や考え方、価値観が違うのは当然です。

ですから、それらが違っても怒ったり、驚いたり、ガッカリすることはありません。

...寄る辺なき存在であり、養育者(母)の世話と庇護無しには

一時も生きられない無力な赤ちゃん時代に、母や家の都合で母にくっつけなかったら、

くっつきたい、そばに居たい欲望は満たされないまま大人になっても無意識に抑圧されて、

依然としてその人の中にあります。

すると他者が私と同一であって欲しいその欲望は、対人関係に現れます。

...特に母親は子どもと一体・同一であるかのような幻想を抱きやすく、

...母の考えや意見と違う子どもの言動に対して、腹を立てます。

...全ての他者・対人は自分の全てを知らない、同一ではない、という認識に立てば、

言わなくてもわかるだろうとか、思い込みをせず、曖昧に語ることなく、

正確に伝えようとします。

...思い込みと省略が誤解を生みます。

...他者とコミュニケーションする時、予め私をこうみて欲しい、こう受け取って欲しい、

このことに対してこう答えて欲しいという要求を持っています。

この自分の思わくと違った反応・答えがかえってくると、

カチンときたり、ガッカリしたりします。

...コミュニケーションの目的の一つは共感です。

...コミュニケーションの学習は家庭で母とそして父としていきます。

そして日常的に、母・父とのコミュニケーションのパターンが無意識に再生されます。

(メルマガより一部抜粋)


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2019年7月1日、 ラカン精神科学研究所メールマガジン112号発行しました。

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No,112今月のメルマガのテーマは、「川崎市登戸殺傷事件分析」です。


2019年5月28日朝、川崎市の登戸駅付近の路上で、私立カリタス小学校のスクールバスを待っていた小学生の児童や保護者らが、近づいてきた岩崎隆一容疑者に相次いで刺された。

この事件を精神分析の理論をもとに解説します。

...岩崎容疑者の父と母は彼が幼い時離婚した。

そして彼は一人残され、父方の叔父に預けられ育った。

...彼は母・父どちらからも見捨てられたことになる。

これは、まだ一人では生きていけない子どもにとって、

精神的死に等しい。

"眼差しを向けられない子は、自分の存在に気づいて欲しい。

彼は友達、人、犬にも石を投げる意地悪をしていた。


...こうして彼は完全に親から見捨てられ放棄され、

親にとって彼は不要のもの、ゴミ、廃棄物となった。

...親が子どもに背を向ける眼差しの拒絶が、子どもの怒りを生み、

犯罪の動機を作る。

精神的に殺された子は、後に自分が殺されたように

他者を殺める可能性が大きくなる。


...眼差しの喪失、信頼の喪失 から全ては始まった。

ということは、彼は眼差しと信頼があれば生まれ変われた。

しかし皮肉にも彼は亡くなってから注目(眼差し)を浴びることになった。

眼差しを受けるのは彼の中学時代の写真でしかない。


...彼は凶器として包丁を4本用意し、実際に使ったのは2本だった。

刃物(包丁)の象徴はペニス(ファルス)。

つまり彼は2度去勢されている。

...無力な自分は、いつか力のある自分として蘇りたい。

その力が、失われたペニスの代償である刃物に置き換えられる。

力の置き換えである刃物を実際に使うことで、

ファルスを持った強い人間として生まれ変わったと錯覚できる。


...このように精神分析の理論でみていけば、彼の行動・犯行は理解できます。

彼の人生のどこか、それもできれば早い時期に、

眼差しと信頼の回復ができたなら、

彼は事件を起こすことを避けられ、犠牲者を出すこともなかったのにと

残念に思います。


(メルマガより一部抜粋)


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2019年6月1日、 ラカン精神科学研究所メールマガジン111号発行しました。

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No,111今月のメルマガのテーマは、「対人関係に悩む方々へ」です。


...対人関係はほぼ親子関係の再現になります。

つまり、親との関係が良好であれば、

対人関係も良好で悩むことはあまりないでしょう。

...思春期は、子どもの世界から大人の世界へシフトする時期です。

それまでは愛着や関心の対象は親が一番でしたが、

親よりも友人にその対象を移行していきます。

"親友"ができるということは

親よりも友人に移行することができたということです。

...欲しかったもの(親との良好な関係など)が得られなかった不満は

憎しみ・恨みとなり、親に釘付けになり、一歩も動けなくなる。

...安心と安全、受容性を持った親という最初の対象(他者)がいたなら、

その後の対人関係においても、他者に近づこうとします。

安心・安全とは、その対象が絶対に攻撃しないこと。

受容性とは何でも受け入れオールOKし、否定しないこと。

...安心、安全、受容性は、その対象に向かっていきたいという欲動をつくります。

それは何もなく、動かなかった人に、

他者(対象)に向かうエネルギーをつくりだします。

この対象の牽引力を"愛着"といいます。

...この母との関係で学んだ"愛着"が

後に友達や異性にシフトしていくことになります。

すなわち、子どもの対人関係や人生を楽しむ基礎は

母が握っているということです。

現実には安心、安全、受容性を持った母がまずいないので、

人は悩み、病んでいきますが、

そこで要請されるのが精神分析であると考えます。

安心、安全、受容性を兼ね備えた分析場面で、

心を開いて何でも話せることから始まります。

(メルマガより一部抜粋)


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2019年5月1日、 ラカン精神科学研究所メールマガジン110号発行しました。

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No,110今月のメルマガのテーマは、「温もり」です。


...温もりとは、人が生きている証であり、

赤ちゃんがその母に抱かれた温もりは、

安心をその子の皮膚に刻みます。

...子どもへの愛着を持った母は、泣かれても、ぐずられても

我が子を優しく抱き続けるでしょう。

しかし言葉を使う大人(母)は、赤ちゃんが泣くことに

自分の意味を付けてしまいます。

...そこにその人(母)のコンプレックス、無意識、

養育のされ方が関与します。

...心地よさ、安心、愛着としての温もりが皮膚にマーキングされたなら、

後年、その心地よさを異性との交流を通して再現します。

しかし、そのマーキングが少なかったり、心地好いものでなかったりしたら、

触れられることに嫌悪を感じます。

...少子化の問題は、育児から考え直さなければ解決には至らないとわかります。

...人間の本質、真理を知らなければ、真の問題解決はないことを

もっと知るべきであると考えます。

そこに精神分析は役立ち、人間が人間らしく幸福に生きる道を

教えてくれます。
(メルマガより一部抜粋)


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2019年3月1日、 ラカン精神科学研究所メールマガジン108号発行しました。

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No,108今月のメルマガのテーマは、「『オールOK 』子育て法:人は~したい欲望を抹殺されて死体になる」です。


...応答・反応しない、無視する、沈黙する母が居たとします。

この無視・無反応、沈黙は"無言の抵抗"であり、

更にこれを『受身的攻撃性』といいます。

...子どもは「ゲームを買って欲しい」、「ディズニーランドに行きたい」など

「~したい」という欲望を母に伝えます。

...これを宅配便に例えます。

私達は、送られてきた宅配便の品物をサインして受け取ります。

サインされない品物(子どもの欲望)は、(母に)受け取り拒否され、

送り主(子どもの)に戻されます。

...それは欲望が破壊され、抹殺された事になります。

...この欲望の破壊と抹殺は、攻撃であるという事です。

母に届けられた子どもの欲望をサインし受け取らない事が、

子どもの欲望を破壊しているとは、母は思いません。

...こうして積極的にしろ、受身的にしろ攻撃され続ければ、

欲望の死骸は増えていき、「~したい」は死体になっていきます。

...更には、子どもは自分の欲望が間違っているから拒否されたと思います。

そもそも「欲する事がいけない事だ」と思ってしまい、

欲望しなくなります。

...それでも子どもは、見たもの、聞いたもの、触れたものが欲しくなります。

そうして欲しがる自分は悪い子だと思い、自己否定感に至ります。

...精神分析に出会い、「欲望を出す事がいい事だ」といわれました。

それが人間らしく生きる事であると知りました。

...子どもに言われた通りしない事は沈黙に等しく、

子どもの欲望の言葉に従い、『オールOK 』しない限り

受身的または積極的攻撃性になるという事です。

(メルマガより一部抜粋)


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2019年2月1日、 ラカン精神科学研究所メールマガジン107号発行しました。

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No,107今月のメルマガのテーマは、「健康な自己愛:人として成長する」です。

 
人は自己愛の傷つきを恐れ、必死で、命がけで自己愛を守ろうとします。

けなされたり怒られたりする事で自分の価値が下げられ、自己愛は傷つきます。

賞賛させるなどして自分の価値が高まれば、

自己愛も高まり「私ってすごい」となります。

...自分の無い人は自分で自分の価値を決められないため、他者の評価に頼ります。

いい人と言われたい、優れていると評価されたいと思い、

そう思われるように振る舞います。

...また、自己愛の傷つきを守るために、自分より能力などの劣る人付き合います。

...自分より下と見える人を見て、付き合った方が、

まだ自分のほうがマシだと思い、幸せを感じられます。


...例えば「潰された私」が分かれば、「潰された」を否定して、

「生かす」に書き換えます。

...そうするとどうなるか。

「あの人が嫌いだ」「気に食わない」と人の欠点、あら捜しをしますが、

人の良いところを探して、そこをパクリます。

結果的に、自分が成長する事になります。

...年齢・性別に関係なく人間にはその人その人に備わった

個性、良いところがあります。

...それを引き出すことが、その人を生かす事です。

...いやもっと精神分析は、"人間は皆、真理を宿している"といいます。

...自分ほど偉い人間は居ない、自分の考えは絶対正しいという

誇大自己を捨て、人から学ぶという態度

つまり、"我以外、皆我が師"と思えば、

真理の声が聴こえます。

             (メルマガより一部抜粋)


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第107号 ラカン精神科学研究所メールマガジン


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新年、明けましておめでとうございます。

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2019年1月1日、 ラカン精神科学研究所メールマガジン106号発行しました。

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No,106今月のメルマガのテーマは、「自己規定:自分を知ること、自分を書き換える、健康な自己愛、幸せになる」です。
 
私事ですが、去年2018年1月に滋賀県から埼玉県に引っ越し

約一年間、我が師のもとで個人分析と精神分析理論を学んできました。

...ラカン理論は欲望論であり、幸福に至る理論であると考えました。

...私は精神分析によって、"無知な自分"を知りました。

...精神分析の中に『自己規定』ということがあります。

...優しく穏やかな自分もいれば、攻撃的な自分も、

真面目な自分と不真面目な自分もいます。

...相反したり矛盾したり、マイナスの自分、

それら全て自分だと認めるのは難しいことです。

特にマイナスの自分は認めたくないので、排除してしまいます。

...自分ではないと切り離して外に放り出した自分は他者に投影され

その人が気に食わないとか、腹が立つと言って嫌います。

...良い自分も悪い自分もどんな自分も、自分として輪っかをかけます。

...嫌悪する対象が多いということは、それだけ嫌悪する自分が居るということです。

...自己規定とは自分の様々な自我を一つにまとめる作業です。

...自己規定できれば、これから進む方向性が決まります。

...ここで問題は、自己規定は自分一人では難しいことです。

完全に第三者の位置から、純粋に客観的に自己を表記するのは不可能です。

...そこで要請されるの精神分析です。

人は本当に自分を知りたくなった時、精神分析の戸を叩きます。

...全ては自分次第だとわかります。

自分が変われば世界が変わる。

...納得のいかない、またはマイナスの自分を知り、規定したら、

それを否定し新たな自我(言語)を書き込み、書き換えることができます。

...この自己規定が自己愛へと展開・発展していきます。

(メルマガより一部抜粋)


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2018年12月1日、 ラカン精神科学研究所メールマガジン105号発行しました。

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No,105今月のメルマガのテーマは、「信頼がもたらしたひねくれ者から素直」です。
 
何故か子ども心に、この親の言う通りに生きたら大変な事になると

私はどこかで感じていたように思います。

...親の言動を何かおかしいと思いながらも、言うことをきかなければ、

待遇が悪くなったり、怒られたりします。

...訳のわからない言動、感情爆発。

そんな中で、親に飲み込まれないように必死で生き延びた。

そのためにはひねくれるしかなかった。

...親という障害物に出来る限りぶつからないように、身を捩りながらかわしますが、

関わらない訳にはいかないのでぶつかり、傷もたくさん負いました。

結果、自己評価は低く、自信もなく、不安を抱え怯えながら生きた日々。

後に精神分析に出会い、自分と向き合い、自己に対する知を得ていきました。

また個人分析や精神分析の理論を学ぶ中で、

「素直が大事」、「素直が一番」と言われました。

...ある時、私の背ほどあるガジュマルの木を見つけました。

普通はまっすぐに伸びる幹を、わざと人工的に曲げて仕立てありました。

私は曲げられた幹を面白い、味わいがあると感じました。

...この木に自分を投影して見たということです。

...嫌悪する対象が多いということは、それだけ嫌悪する自分が居るということです。

...我が師スーパーバイザーに、「あなたはもう素直になった」と言われました。

その言葉を疑うことなく、「ああ、そうなんだ、よかった」と思いました。

24年に渡る長い付き合いの中で、精神分析を通して私を見てきてもらった

その人の言葉を嬉しい感情と共に受け取りました。

...分析者(我が師)に親のように私を育て直してもらった、

...精神分析だからこそ出来たことと考えます。
                     (メルマガより一部抜粋)

                DSC_0049.JPG
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人間は言語を使い、その言語に従う構造を持っているとラカンはいいます。

それを大文字のA、大他者といいます。

例えば、それまでは普通に立ち入り、歩いていた場所が、事件・事故が起こり、

規制線「KEEP OUT」の文字のテープが張られた瞬間、

一般人は立ち入れなくなります。

これはその言葉の意味を理解し従った結果です。

しかし、その文字が読めない人、意味を理解しない人、

または「KEEP OUT」の文字に従わない人は立ち入ります。

ルール、掟、法は言語で条文にされています。

この法を順守することで、社会の秩序も守られます。


この世に生み出されたばかりの小さな人間は、まだ言葉も知らず、

泣くことでしか自己表現できません。

後に言葉を覚え、生活面、生きていく術を親から教えられます。

その親の言葉に従い生きることが善であるとか、そうでなければならないとまで

教えられ、強いられることもあります。

親の言葉、教えや考え・価値観が正しければいいのですが、

偏りがあったり、間違っていたとしたら、

その子の人生に大きなマイナスの影響を与えます。

子どもにどういった言葉をかけたか。

不安の強い親は、自分の不安から言葉を選んで話すでしょう。

不満・怒りがあり攻撃的な親は、攻撃的言葉を吐くでしょう。


自分はどういった言葉をよく聞き、

親となった時、子どもにどういった言葉を言ったか。

それによって自分をどう意味づけたか。

マイナスを帯びた言葉であれば、下の代に行くほどマイナスは強化されて

伝えられていき、悲鳴を上げるでしょう。

それは言葉にならない、外に出せない心の叫びかもしれません。


人はその言葉を抱えていることに気づいていなかったり、

自分に違和感を感じていたり、

不安や訳のわからないイライラを感じていたりします。

それを言葉にして吐き出せる場所が分析場面、セラピールームです。


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No,103今月のメルマガのテーマは、「考えてこそ人間」です。
 
我が師にいつも言われてきたことの一つに、「考える」ということがありました。

...自分では考えているつもりでも考えていない、思考していないとは、

どういうことかを考えました。

その時、まず頭に浮かんだのは、

子どもの頃から、何かトラブルがあったりして

思った通り、予定通りに事が運ばないと、オロオロして

パニックになってしまうことがよくあったこと。

...子ども時代から、父母、祖父母からよく怒られました。

それもランダムに脈絡なく、理不尽に突然。

今ならわかります、それが彼らのコンプレックスであり、

その時の気分によるものだと。

しかし子どもの私には、なぜ彼らが怒るのか、

その理由と原因がさっぱり分かりません。

...怒られる理由をいくら考えても分からないので、

子どもの私は考えることを放棄した。

以後、あらゆることを考えない・思考しない人間になってしまいました。

...パスカルの「人間は考える葦である」という言葉があります。

...考えることが人間の本質であるということ。

...訳の分からないこと、納得のいかないことは恐いことです。

だからこそ、精神の科学といわれる精神分析に興味を持ち、

"かくすればかくなる"論理的世界に行きたかった、

それが私を牽引してくれました。

            (メルマガより一部抜粋)


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